私は、ずっと中学の社会科と高校の公民科の免許をとろうとする学生を指導していた。そして、模擬授業をかなりやるのだが、憲法の基本的人権を扱う場合、まず、学生たち自身が「権利」を実感していないと、いつも感じていた。彼らは、知識としては、憲法の人権規定を知っている。しかし、それがどういう意味をもち、現実社会の中でどのように問題となるのか、というリアルな感覚をもっていないのである。それは、彼らの責任ではない。権利を単に「知識」として学習してきたから、実感をもてないのは当然なのだ。では、最も必要で、かつ効果的な「権利の教育」は、何か。学校の場で、当人たちが、権利をもつことなのである。学校教育を支えている教職員、生徒、父母たちが、それぞれの固有の領域で権利をもち、それを保障されていることである。もちろん、学校運営の基幹は、教育委員会と校長である。しかし、他の構成員が、単に協力する、従うという関係で、健全な民主主義者の担い手を育成できるはずがない。
生徒会を民主主義的な主体を育てるための変革理論としての「アソシエーション論」を検討しておこう。