民主主義社会の担い手として、子どもを成長させることは、非常に重要である。そして、そのためには、子ども自身の組織があり、民主主義的な運営がなされ、そして、権限をもって活動できることが不可欠であろう。しかし、残念ながら、日本の学校教育には、そうした子どもの組織は存在しない。あるのは、児童会や生徒会であり、それらは、決して民主主義的な組織ではない。だから、生徒会は不要といえる。もちろん、それに代わる組織が必要であるが。生徒会で十分ではないかと思っている人には、ぜひ、アメリカのサドベリバレイ校を知ってしほしい。
サドベリバレエ校では、校則や処分を決めるためには、全校集会の決定が必要である。そして、全校集会は、4歳の子どもから大人のスタッフまで全員が出席する権利があり、そこでの一票は平等である。NHKの番組では、盗みがあった件について、司法委員会で議論している場面が写されていたが、スタッフの発言に対して小さな子どもが堂々と反論していたことが印象的である。そして、極めて筋が通っていた。もちろん、日本の通常の学校でそのようなシステムを取り入れることはできないだろうが、子どもの判断力は、大人が考えるよりもずっと高いのではないだろうか。