2022年1月7日、アメリカ、メリーランド大学で、人類史上初めて豚の心臓を人に委嘱する手術を行い、11日の報道では、3日間は生存しているとされている。
日本では、和田教授の事件で、心臓移植そのものが、非常に遅れてしまったのだが、動物の臓器を使用した委嘱の研究は、あまり行われていないとされている。それに対して、国際的には、臓器が不足していることを解決するためには、動物の臓器を活用することが必要であるという認識で、盛んにその研究がなされており、着実に進歩してきた。今回の手術は、そうした研究と実験の積み重ねの上で可能になった成果である。
尤も、日本のあり方が非難されるものかといえば、現在の日本の方向性としては、iPS細胞を使って、必要な臓器そのものを再生して移植する医療をめざしていると、私は理解している。自分の細胞から必要な臓器を再生できれば、多くの臓器移植上の問題が解決するわけだから、この方向性は正しいといえるが、ただ、研究の進展の速度は問題かも知れない。まだまだ再生できる臓器は限られているからである。