組織や制度は、いつかは機能しなくなったり、崩壊したりする。そして、崩壊が近くなると、何故こんなことが起きるのかというような不可解なことを、そのなかのひとたちはやってしまう。それは、決して組織を担うひとたちが愚かだというわけではなく、彼らにのしかかる事態が、判断を狂わせ、実行が困難になり、そして、ますます難しい課題が生じて、どうにもならなくなってしまうのだろう。
徳川幕府の末期、何度も改革しても、幕府という軍事政権では社会に適応できなくなっており、そこに条約制定を迫る外国勢力と、幕府打倒を目指した勢力との圧力を受け、幕府は有効な対応をとれずに瓦解していく。決して、当時の幕府を担った人材が無能だったわけではない。やはり抗し得ない力が働いたというべきだろう。その力を活用した倒幕派が勝利し、外国勢力が得をした。
規模と状況は違うが、現在のオリンピック組織委員会は、似たような状況ではないだろうか。