私の記憶では、田中角栄首相が、国会を年中開会するようにして、一年間を通して審議をしようと提案したことがあったと思う。それに対して、野党がとんでもないことだ、国会の議論を充実させるためには、休会の期間に国民の実態を調査したり、いろいろと勉強したりする必要がある。また、国民の反対が多い法案は会期という期限があるから、そこで廃案になる。つまり、国民の支持がある法案なら、会期中に処理できる、というような反対意見を述べていた。
しかし、近年安倍内閣あたりから、この関係が完全に逆転した。特に今年は、野党が国会を開くこと、会期を延長させることを主張しているのに、自民党がさっさと国会を閉会させてしまうことが、続いた。通常国会も、また、菅内閣に変わっての臨時国会も、野党は審議を主張しているのに、自民党がそれに応じていない。そのためにコロナ対策が完全におざなりになっている。
こうした逆転現象は、何故起きたのだろうか。また、それはいいことなのか、あるいは国会の劣化なのか。