久しぶりに道徳教育の教材をみてみた。今回は、奈良県教育委員会のだしている資料のなかから「ヨシト」という文章を選んでみた。中学3年生用の教材ということになっているが、私には、小学生用の文章ではないかと思われた。
主人公はアツシだが、ヨシトという幼なじみの友人がいる。ヨシトの友人は、文章上では、アツシしかいない。あまり話さず、まわりに合わすことや場の雰囲気を察して振る舞うことが苦手なために、一人でいることが多く、いつもニコニコしている。小学校低学年のときは、よく一緒に遊んだが、高学年になると、アツシも他の友人と遊ぶことが多くなり、ヨシトは一人で自転車を乗っていることが多くなった。
あるとき、ヨシトと話しているとき、コウジやタカフミが、話しかけてきて、ヨシトは変わったやつだという。そして、教室のみんなが自分をみている気がして、話しかけてくるヨシトを振り切って廊下に出てしまう。このとき、ヨシトに聞かれたテレビをみていたのに、みていないと答えてしまう。
あるとき、ヨシトのことを書いた紙が回ってきて、みんながヨシトを笑っていた。アツシは、紙を握りしめた。
ある日、部活を終えて帰宅すると、ヨシトが自転車のチェーンが外れているのを直している。「古くなったから新しいのを買ってもらったら」と勧めるアツシに、おかあさんが誕生日に買ってくれたものだからと答えるヨシト。ふたりの女子がヨシトを笑いながら透りすぎ、アツシは、「腹の底に何か熱い塊が生まれたことを感じた。」直ったのでヨシトを嬉しそうに笑い、アツシはしっかりと顔を上げた、と結んでいる。