昨日は私の所属する市民オーケストラが、毎年12月に行う、合唱付きの演奏会の、合唱団とあわせる練習だった。2回目のあわせなのだが、前回は風邪気味だったので休み、今回が私にとっては今回の演奏会用には初めてだった。曲はベルディのレクイエムだ。前回がワーグナーとマーラーだったので、それと比較すると難易度が低いのだが、それでも長丁場であり、難しいところがたくさんある。
最近は非常に寒い日が続き、昨日も寒く、しかも、練習会場では大ホールで人気歌手のコンサートが行われていたので、いつもの地下駐車場がとれず、外の駐車場になり、寒さのなかでチェロを運ぶことになった。
そして、会場についてチェロの練習を始めようとしたところ、弦が外れていた。あまりに寒かったので、弦が縮んでしまい、ペグがその重みに耐えられなくなったのか、と思った。それはさておき、懸命にあわせようとするのだが、どうもあわない。高齢になって力が足りなくなっているのかと思いながら、苦戦して、結局、とてもうまい人に助けを求めて、あわせてもらった。
翌日、朝になると、またもや外れている。今度は自分しかいないので、なんとか頑張ったが、どうにもならない。前日助言をうけた白墨などをつけてみるが、まったく効き目がない。
ここで、はたと気付いたのが、気温ではなく、湿度ではないかということだった。実は昨年も同じようなことがあった。弦楽器にとって適切な湿度は40~50%代だとされているが、それは音質だけではなく、けっきょく、弦にとってもそうなのだ。みると、室内の湿度が36%なのだ。これではいけないと思い、いそいでポットでお湯をわかしつつ、加湿器をセットした。そして、けっこう時間がかかったが、40%代後半になって、おそるおそるペグをまわしながら、調弦をしてみた。すると、じつにスムーズにいく。前はいくら力をいれてペグを押し込もうとしても、すぐにスーッとまわって、音が下がってしまう。しかし、湿度が高くなると、まったくそういうことが起きない。
つまり、昨年も確認したのだが、湿度が低下すると、チェロは木でできているので、縮んでしまう。すると、ペグもそれをいれている穴のほうも収縮するから、穴は拡大し、ペグは縮んでしまう。だから、隙間ができて、うまく停止しないのである。湿度が高くなると、その逆になるので、ペグはしっかりとまってくれるわけだ。
こういうことは、教わった記憶がなく、また、youtubeのチェロの講座的な番組はたくさんみており、調弦の仕方はたくさんみたが、湿度をしっかりとあげないといけないという話は、どうも出会った記憶がない。白墨の話はけっこうあったのだが。
来年もまた同じことがあるかも知れないので、備忘録的に、書いておくことにした。