「東京五輪は巨大なスーパースプレッダーの可能性 豪州メディアが日本のコロナ対策を批判」という記事が、シドニー・モーニング・ヘラルドに出たとして、中スポがそれを紹介している。前、バッハの発言を誤訳した朝日の記事に基づいたブログを書いてしまったので、今回は、念のために、その記事を原文を読んでみた。
Tokyo Olympics plan is tempting disaster (https://www.smh.com.au/national/tokyo-olympics-plan-is-tempting-disaster-20210125-p56wim.html)という記事で、誰でも読める。私が読んだ限りでは、今回の要約的紹介は、間違っていないと思う。要点は、日本のコロナ対策は、先進国のなかでも最低の部類で、コロナ対策、特にワクチン接種が十分に実施されると考えるのは、非現実的である、日本は検査もあまりしていないし、緊急事態の対策もお願いレベルだ。最高でも、団体競技はせず、観客がおらず、聖火は無人の通りをレリーする、それでも、途中で、審判やボランティアがいなくなり、競技が中止され、レストランは閉じてしまう可能性がある、ということだ。
まだ、日本政府や組織委員会の反応は、みていないが、どう反応するのだろうか。あるいは無視するのだろうか。
他方、IOCは、開催して、無事終えることは可能だと、現在でも主張している。
しかし、オーストラリアの報道のほうが、はるかに現実味があることは、日本国民の多くが感じるとるだろう。森会長は、オリンピック開催の最大の問題は、日本人の世論だといっているようだが、世論は、政府のコロナ対策をまったく不十分だと思っているから、オリンピック開催を、無事に行うことは不可能であると考えているに過ぎない。強行すれば、確かにできるだろうが、それは、このオーストラリアの報道のようなことになるだろう。
無観客でやったとしても、選手のなかに感染者が出れば、その選手のいる競技は中止になり、また選手村に閉じ込めるのだから、濃厚接触者が多数でるだろう。当然隔離になるわけだから、さらに多くの競技が中止になる。
オーストラリア報道も触れていないが、そもそも1万人を超える選手が、選手村にじっと閉じこもって、しかも、数日前に来日して、競技が済んだらすぐに帰国する、などというルールに、全員が従うものだろうか。そうだとしたら、練習もせずに競技をすることになる。ごくわずかな選手によるスポーツ大会とは違うのだ。役員だっているし、また多数の報道陣もやってくる。それとも、報道陣も、テレビ関係以外は締め出すのだろうか。
はっきりしていることは、IOCやJOCが大会は可能だといっているのは、利権が絡んでいるからであり、オーストラリアの報道や、日本の世論は、自分たちを守る意識から反対しているということだ。
いまのところ、日本のオリンピック関係者の対応はでていないようだが、楽しみにチェックしておこう。