検察ネタは終わりのつもりが、麻雀事件が

 表題のように、検察庁法改正が、とりあえず今国会では成立しないことになったので、昨日の文章で終わりにしようと思っていたところ、突然、麻雀報道が起り、急展開になってしまった。昨日の文章の最後に、そろそろ黒川氏の延長された期限も近づいてきたと書き、その頃に新しい動きがあるだろうと予想したのだが、本当にびっくりした。しかし、これは、わからない事件だ。そこで、あくまでも空想だが、いろいろな可能性を考えてみたい。
 まずは、黒川氏の個人的な意思によって行われたという可能性はどうか。もともと麻雀やカジノ好きだといわれていたので、そういうギャンブル依存症的なところから来る、個人的な出来事かどうか。その場合には、賭麻雀という犯罪でもあるし、時期的に自粛しなければならないときに、批判されるような行為をしてしまうのは、やはり、依存症なのかと考えられる余地はあるだろう。「わかっちゃいるけど止められない、でも、普段の付き合いあるジャーナリストとやるのだから、まさかばれることはないだろう」という感じだった。 “検察ネタは終わりのつもりが、麻雀事件が” の続きを読む

検察庁法、今国会では見送りになったが

 廃案ではなく、成立を見送りとなっただけだから、次の国会で再度提出してくることは確実だ。もちろん、「特例」以外に関しては、多くの政党も賛成しているのだから、「特例」を辞めればすんなり通るのだろうが、そこはまだよくわからない。
 5月18日に見送りを、安倍首相と二階幹事長の間で合意がなされたわけだが、実は、その直前まで、安倍首相は強行突破の決意だったとしか思えない。そして、そのための「新しい理論武装」までしていた節がある。突然いいだした「法務省からの要請を了承しただけだ」という主張である。この論理も何人かによって詳細に反論されているが、自分の整理という意味で、私自身確認してみた。
 「櫻テレビ」というインターネットのyoutubeの番組があるが、5月16日付けの番組に、司会櫻井よしこで、安倍晋三首相がゲストとして対談している。そこである程度の時間をとって、検察庁法案について話をしているのである。どうやら、ここが発信源であるようだ。 “検察庁法、今国会では見送りになったが” の続きを読む

スウェーデンの新型コロナウィルス対策で考えること

 ある国が、他の国とかなり違う政策を導入して、他国から批判されても退かないことは、たまにある。オランダの麻薬政策、安楽死政策などが代表だが、そうした政策は、少しずつであるが、他の国にも広がっている。そこには、多くの国では実施していないことの理由も、大きく存在しているし、また、新しく始める理由もある。
 今の新型コロナウィルス対策でいえば、スウェーデンのやり方がその例だろう。まだ充分に理解しているわけではないが、スウェーデンの試みは、単純に危ない冒険だというように片づける必要はないように思う。ただ、疑問もある。
 簡単にいえば、欧米の国がとっているロックダウン政策をとらず、より緩やかな自粛を呼びかける方式をとっている。日本も自粛政策だが、スウェーデンよりは多方面に渡っている。例えば、学校はほぼ全面的に休校だし、客を扱う営業は、かなりの自粛が要請されている。スウェーデンは、小中学校は、授業が行われているし、客を扱う店の営業も、注意はあるとしても、原則認められているようだ。国民の注意によって、事態を乗り切ろうとしているということのようだ。 “スウェーデンの新型コロナウィルス対策で考えること” の続きを読む

検察庁法改訂の断念は当然

 安倍首相が、検察庁法改正を断念したと報道されている。ただ、報道をいくら読んでも、国家公務員法はどうなったのか、検察庁法改正の定年延長部分がどうなったのかが、正確に書かれていない。要するに、まとめて成立させようとしたが、無理なので、まとめて断念なのか。問題になっている特例措置の撤回なのか、正確にはわからないのだ。たぶん、まとめて諦めたということなのだろうとは思うが。毎日新聞の速報記事を読んでも、そこらがきちんと書かれていない。毎日新聞の速報の見出しは「検察庁法、今国会での改正断念、世論の反発強く首相近く最終判断」というもので、国家公務員法は触れていないのだ。 “検察庁法改訂の断念は当然” の続きを読む

9月入学にメリットがないのか?

 9月入学問題がさかんに議論されるようになっているのは、とてもいいことだと思う。いろいろ読んでいくと、気になる議論があるので、気づいたら、その都度検討していきたい。
 明確な反対論として、会計年度との関連で反対する議論があった。「「9月入学」にデメリットの数々、社会のリーダーは民意を読み違えるな」と題する日刊工業新聞の記事で署名はない。(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200515-00010003-newswitch-bus_all)
 会計年度は4月から始まるとするのだが、それは誤解ではないだろうか。国としての基本となる会計年度は1月から始まると、私は理解している。それは、課税の基礎となる、国民の基本的な資産 が1月時点から12月時点までで計算されるからである。組織としての会計年度が、多く4月からになっているのは、教育全体が4月から始まり、その結果として、人の移動が4月を開始点とすることが多いからであろう。だから、9月入学になれば、社会の新年度がすべて9月になるのであって、これまでの4月から始まる会計年度を9月から始まるようにすればよい。それでも税金の基本となる年度は1月のままだろう。
 したがって、会計年度との関係での否定論は、意味がないことになる。 “9月入学にメリットがないのか?” の続きを読む

検察庁法改正に問題を感じない人がいるのに驚き

 国家公務員法と検察庁法の改正案に関して、youtubeなどをざっと見ていると、何が問題なのか、騒ぎすぎだなどと語っているのが多い。例えば、高橋洋一氏は、これはずっと前から段階的に定年を延長してきたものの一環であって、新しい動きではまったくないし、また、日本は公務員を政治的に選出することがまったくない、世界的にも稀な国なのだ、などと述べて、反対している人を揶揄するかのような発言をしている。しかし、単純に年金開始年齢にあわせるための、段階的な定年延長の法案でないことは、まともに今年の政治状況をみていれば、誰にも明らかである。それに、定年を延長することについて反対しているわけでもない。もちろん、高橋氏だってわかっているのだろう。もし、これまでの延長上の一環としての定年延長法案であれば、特別条項などはいらないはずである。検察庁法に、特別条項などないのであって、これは完全に新設である。これまでなかったから、黒川問題が起きたわけだ。今後、黒川氏のように、政府に都合のいい人物を、特別扱いしても、「違法」ではないようにしておこうという意図が見え見えではないか。だから、国民の多くが反対しているし、検察の人たちも多くが反対していると報道されている。 “検察庁法改正に問題を感じない人がいるのに驚き” の続きを読む

横断歩道は、青でも注意して、車の停車を確認して

 横断歩道を渡ろうとした中学生が、車にはねられて死亡するという痛ましい事故が起こった。信号が青だったので渡ったということだから、中学生にはまったく非がないし、運転手はぼうっとしていたという。しかも、かなりスピードを出していたということだから、過失としても、重過失だろう。
 そういうことを確認した上で、事故にあわないために必要なことを考えたい。
 私は車を運転するし、歩行者でもあるので、双方のことを考える。ただし、運転手と歩行者とでは、立場がまったく違う。どんなに運転手に非があろうとも、事故が起きれば、歩行者側が被害を受ける。だから、私がまず気をつけているのは、歩行者として信号を渡るときだ。私は、信号がある横断歩道でも、信号が青に変わったからすぐに歩き始めるということは、絶対にしない。双方向の車が止まったこと、あるいは、とまるべくスピードを明らかに緩めていることを確認してから、渡り始めることにしている。理由は単純で、信号が赤に変わったからといって、車が必ず停車するとは限らないからである。これは、私自身が運転しているときにも起こることだ。双方向に横断歩道の信号がある場合には、かなり遠くからでも歩行者用の信号が黄色になれば、車の信号もやがて黄色、そして、赤に変わることがわかるので、スピードを信号のかなり前から落とすことができるが、そうした歩行者用信号がないと、黄色に変わるタイミングがわからず、直前で黄色に変わると、そのまま止まれず急いで抜けることになる。そして、抜けきらない間に赤になってしまうことが、たまにあるわけだ。急ブレーキを無理にかけて止まるとかえって危険なことがあるから、これは、緊急避難的な方法として教習所で習ったことだ。ただ、いつも感じていることだが、黄色の時間が短すぎるのではないかと思うのだ。黄色がもう少し長ければ、減速できずに交差点に入ってしまっても、抜ける時間に余裕がある。 “横断歩道は、青でも注意して、車の停車を確認して” の続きを読む

大本営発表を鵜呑みにしていないか、毎日新聞

 毎日新聞5月9日(ウェブ版)に「金正恩氏「重体説」騒動、北朝鮮情報は何を信じるべきか」(米村耕一執筆)という記事が出ている。一読して非常に驚いた。ちょっと長いが、最初の部分だけ引用しておこう。

 「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の健康状態を巡る騒動は、4月20日に韓国の北朝鮮専門ネットメディアが「心血管手術をした」と報じ、さらに同じ日に米CNNテレビが米情報機関も注視する情報として「手術後に重体」と伝え、5月2日の北朝鮮公式報道が金委員長の動静を動画や写真と共に公開するまで続いた。
 「重体説」や途中から出た「死亡説」は誤りだったわけだが、今回は韓国ネットメディアに加えてCNNが報じ、さらに韓国で著名な脱北者が重体説を補強する発言をしたことで「信ぴょう性がある」との印象が広がった。北朝鮮の最高指導者の生死に関わる情報が、一定の信頼のあるソースから相次いで出された場合、私たちはどう受け止め、何を信じるべきか。それらが試されたケースだったともいえる。」

 つまり、4月以来金正恩の死亡説、重病説がでていて、情報が錯綜したが、5月2日の北朝鮮公式報道によって、それらの誤りが正された。なぜ、そうした誤りが生じたのか、情報の吟味が必要なのだとして、以下、今回重病説等を出していた人たちの情報の出所の吟味をして、最後に、以下のように結んでいる。

 「強力な情報機関を持つ米韓などの政府や、北朝鮮ならではの思考方式を熟知し、中朝国境経由で内部情報へのアクセスもある脱北者が、北朝鮮についてわれわれよりも正確で豊富な情報を持っていることは疑う余地がない。ただ、それぞれに限界や特有のバイアスがある。それらを踏まえながら、北朝鮮に関する情報や報道に接していくほかないことを今回、改めて認識させられた。」

 ところで、最初の部分から致命的な欠陥がある文章だ。 “大本営発表を鵜呑みにしていないか、毎日新聞” の続きを読む

岐阜市のホームレス殺害で考えること 匿名報道を

 岐阜でのホームレス殺害は、大きなショックを受けたが、その後、まるでお決まりのように、ネット上で容疑者の個人情報を晒す試みがなされている。しかも、今回は、同じ野球部員ではあっても、まったく事件とは無関係の者も、容疑者であると決めつける書き込みが拡散しているのだという。「岐阜ホームレス殺害事件 ネット上で犯人と誹謗中傷された朝日大の野球部員が訴訟検討」(https://www.msn.com/ja-jp/news/national/岐阜ホームレス殺害事件-ネット上で犯人と誹謗中傷された朝日大の野球部員が訴訟検討/ar-BB13FEiS?ocid=spartandhp)
 問題は3つある。 “岐阜市のホームレス殺害で考えること 匿名報道を” の続きを読む

自粛中の感染者が高速バス利用、ごみ収集について

 感染症対策として、全国を対象とした外出自粛などという、少なくとも現在生きている人たちにとってはまったく未経験のことが進行しており、いろいろなことが起き、かつ、見解の対立が起きている。対立がないにしても気になることが出てくる。
 まずは、感染を知りながら、そして、外出しないように要請されながら、高速バスにのって、実家から東京に移動した女性の件。羽鳥モーニングショーでは、罰するような規定を作るべきだなどという意見もみられた。これは、欧米のような罰則付きのロックダウンを可能にすべきという見解にもつながる。田原総一郎が安倍首相に会いに行って意見交換をした際、なぜ緊急事態宣言が遅れたのかに関して、安倍首相は、多くの人がロックダウンを主張したのだが、そういう私権の制限は現憲法ではできないと説得するのに時間がかかったというようなことをいっていたそうだ。本当かなと多少疑問に思うところもあるが、真偽にかかわらず、ロックダウンの権限を政府にもたせることは反対である。従って、この女性を刑事的に罰するようなことをすべきではない。ペットが心配という理由は、ペットなる存在が好きではない私には、到底理解できないが、個人にはそれぞれの価値付けがある。パチンコ問題もそうだが、自粛要請で、かつ、自粛したとしても充分な補償をしないのだから、強制することはできないし、また、できるとする法的規定を設けるべきではない。充分な補償をすることで命令できるならばよいともいえるが、もし補償をしっかりするならば、要請だけで充分な効果があるはずである。 “自粛中の感染者が高速バス利用、ごみ収集について” の続きを読む