大阪都構想が否決されたが、ここで二重行政が問題となった。いろいろな分野でそうした重なりがあるのだろうが、私の専門領域で考えてみることにした。それは、教員採用と教員の移動である。通常の都道府県では、公立小学校と中学校は、市町村立であるが、教師の採用と人事に関しては、県が行うことになっている。そして、給与もかつては半分が県、半分が国という分担だったが、現在は県が3分の2、国が3分の1を補助するように変化している。これは、知事たちの要求で、都道府県の裁量部分を増やすという目的で変更されたが、同時に、それまで全国一律の給与表だったが、都道府県で変えられるようになった。いずれにせよ、都道府県が公立小中学校教師の給与を負担し、国が補助をする。そして、そのシステムと表裏のものとして、教員の採用とその後の人事も、都道府県が行うことになっている。
ところが、政令指定都市は、この権限を市として行うことか認められている。市が給与を負担して、採用や人事も市で行うわけである。大阪もそうだし、埼玉県も同様だ。しかし、横浜や千葉は独自の採用試験を行っておらず、県の採用試験に任せている。大阪は、私の指導する学生が就職したことがなく、また、遠くて詳細がわからないので、とりあえず、埼玉、東京、千葉で考えたい。