小室圭氏の回答の説得力は?

 西村宮内庁長官から要請があった「説明責任」に応じる文書が、長文の弁明書としてだされた。ホームページで一般公開されているので、読んでみた。とにかく長いだけではなく、大量の注がついており、いかにも読みにくい。弁護士になるための勉強をしている雰囲気がよく出ているのかも知れない。宮内庁長官は自分の要請に応えてもらったためなのかはわからないが、えらく高く評価しているという報道がなされている。しかし、小室問題に関心をもってきた国民が、これを読んで、「納得した」という人は、ほとんどでないのではないかと思う。国民は、納税者として、天皇(当然皇室も相当する)は、憲法的に「国民の総意」に基づくとされる存在として、この問題に関心をもたざるをえないのだが、そういう立場からすると、小室氏がここで詳細に記述している「借金・贈与」は、問題のひとつに過ぎず、むしろ、今や小さな問題ですらあるということが、まったく理解されていないようで、「失望」を増幅せざるをえないものだったというのが、率直な感想だ。
 
 まず、詳細に弁明がなされている「借金・贈与」問題についても、説得力はあまり感じない。一読した限りだが、彼の主張の要点を整理すると

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オリンピック水泳予選の奇々怪々

 水泳のオリンピック予選の大会が、コロナ対策が十分ではないという理由で、中止を宣告されたが、本日の報道(共同通信)によれば、一転開催となったのだそうだ。
 なにがあったのか。こういうことに、きちんとした発表はないだろうから、想像するしかないが、考えられるのは2点だ。
 第一に、なんらかの支出を約束した。伝えられるところによると、コロナ対策の費用を、国際水泳連盟のほうに求めたのが、拒否の理由だったということだから、それはこちらでもちます、というように方針転換をして、それを伝えたということが考えられる。PCR検査やワクチンの費用は、IOCがもつということのはずだから、水泳連盟にそれを求めたとしても、おかしくはないのだ。だが、圧力をかけられてすぐに撤回するくらいの腰抜けぶりは、現在の組織委員会では用意に想像がつく。
 第二に、ワクチン接種について、オリンピック選手として候補になっている人には、優先的に行うことを政府が検討しているというニュースである。なぜ、そんなことを今いいだしたのかは、やはり、水泳の予選中止をうけて、橋本委員長あたりから泣きつかれたのに相違ない。もちろん、想像だが。
 いずれにしても奇々怪々だ。まだ、最初の医療従事者の接種すら、かなり低い段階で、高齢者の正規とはいいがたい、見せるための先行接種すら始まっていない段階で、アスリート優先を打ち出すなどという、まったく非常識な検討を表明することも、おかしなことだと思っていたら、こういうことだったのか、と、悪い意味で「納得」した。腐っているのは、日本の政府やオリンピック推進勢力だけではなく、国際的な組織もそうなのだということが、よくわかる。

菅首相は本当に訪米できるのか

 菅首相が4月の中旬に訪米して、バイデン大統領と対談を行う予定とされている。最初の日程が一週間延期されたのは気になるが、とにかく、バイデン大統領と最初に対面で会談をする、世界で最初の首脳だということが、自慢のようだ。
 しかし、ここ数日の間に、コロナの感染が急拡大している。大阪は、過去最大の感染数を記録しているし、どう考えても意図的に検査数を絞っていると思われる東京ですら、じわじわと上がってきた。こんな状況のなかで、外国訪問などできるのだろうか。菅首相は、口を開けば、コロナ対策に万全を期すと言っているが、実際のところ、本当に必要なことは、ほとんどしていない。自らの失策で遅れに遅れてしまったワクチンの確保に、それなりの本腰をいれているくらいではないか。それだって、まだまだという感じだ。
 考えてみると、昨年の安倍首相に(当時)始まり、小池都知事、菅首相と、コロナ対策は、決定的に失敗しており、その要因のひとつがオリンピックをなんとしてでもやりたいという野望にあることは明白だ。コロナ対策は、昨年の3月くらいまでは、新しい事態として戸惑うのは仕方なかったとしても、それ以後は、感染症対策に必要なことは、専門家でなくても明白だった。

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東京都のコロナ施設の改修問題 あまりにいいかげん

 2021年4月7日の毎日新聞に、少々びっくりする記事が出ていた。「48億円かけたのに一度も使わず 感染者用に改修の五輪警官宿舎」という記事である。東京オリンピック・パラリンピック用の警察官仮設宿舎がコロナのための軽症者向け滞在施設に改修されていたのに、一度も使われることなく元の姿に戻ることがわかったという記事だ。昨年4月に改修され、また今回元に戻すための改修で、合計48億円かかっているのだそうだ。元々、オリンピックが開催されれば、警備のために大量の警察官が必要となり、全国から応援を求めるために、警察官のための宿泊施設を仮設住宅として、数カ所建設していたという。オリンピックが延期になって、当面使わなくなり、かつコロナ感染が拡大してきたので、隔離施設として使用するための改修をしたわけだ。ところが、一度も使われることがなかったという。ひとつには、ホテルを優先したためと、それでも余裕があったからだと、この記事のなかで都の職員は説明している。しかも、この記事によると、ホテルの入所者がもっとも多かったのが1100人で、それでも確保した質数の半分強は使っていなかったというのだ。

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近江アナウンサーの転職

 NHKの近江アナウンサーが退職することが話題になっていたが、毎日新聞がインタビューして、そういう決意をした経緯や理由を詳細に、近江氏自身に語らせている。第一志望だったNHKのアナウンサーを辞めるというのは、大きな決意であるし、また、人生の転換でもある。最近、ゼミの卒業生が転職したという話がはいってきて、この記事は注目して読んだ。「NHKを辞めたワケ 近江友里恵さん、心に刻まれた隈研吾さんの言葉/上」(毎日新聞2021.4.2) 
 まず驚いたのは、NHKが番組内で詳しく説明することを許さなかったという点だ。民間企業に中途採用で転職するということで、「民間企業」が許さない理由なのだそうだ。公務員にでもなるのなら、説明を許したのだろうか。あるいは、辞めるからにはNHKに不満があるわけで、それを言われたくなかったということなのかも知れない。
 番組での説明ができなかったために、取材攻勢やいろいろな意見・問い合わせが殺到したようだ。だれでもそうだろうが、詮索されるのは嫌だったという。本人としては、きちんと説明したかったのにできなかったために、実際に辞めた段階で、毎日新聞のインタビューに応じたということだ。このことも、注目すべきことだ。NHKはもっとおおらかでいいのではないか。

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文春に対するオリンピック組織委員会の抗議 語るに落ちるとはこのこと

 オリンピック組織委員会からの抗議に対して、報道の立場から、文春が断固として拒絶したという記事を読んで、そういうことがあったのかと、早速調べてみた。
 まず、オリンピック組織委員会がどのような抗議をしたのか。「週刊文春報道について」と題する2021年4月1日の声明である。https://tokyo2020.org/ja/news/news-20210401-03-ja に掲載されている。これは4月1日発売の文春の記事「MIKIKO氏日本は終わってしまう 『森会長はぼけている』 女性演出家を排除 黒幕は電通NO2 」に関してである。
 要点を整理すると
・4月1日の文春は、MIKIKO氏のプレゼン内部資料を入手したとして、その内容に言及したことは、遺憾である。
・それは機密性の高いものであり、検討段階のものでも、開会式演出の価値が毀損される。
・内部資料の一部の画像を掲載することは、著作権法に違反するので、直ちに削除、廃棄することを求める。
・不正競争防止法違反の罪及び業務妨害罪が成立しうるので、警察に相談しつつ、守秘義務違反を含め、内部調査を開始した。
・内部関係者には、改めて守秘義務を守るように徹底している。
 
こうした抗議に対する文春の回答は短いので、全文引用しよう。

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厚労省職員処分への違和感

 飲食店に時短要請が出ているのに、23名もの人数で送別会を深夜までやっていたということで、職員が処分されるそうだ。
 加藤官房長官は、「国民のみなさんに大人数の会食を控えるよう呼びかけをした中で、コロナ対策を担う同省でこうした事案が行われたことは大変遺憾だ」と述べたそうだ。(朝日新聞2021.3.30)
 三浦瑠麗氏のように、同情を表現している人もいるが、(中スポ2021.3.31)多くは、非難している。もちろん、同情する気持ちはないし、呆れるという感じだが、ここにきて、処分という展開になっている。自民党世耕参院幹事長は、「政府においては国民目線で納得のいく厳正な処分をしていただくよう強くお願いする」と述べ、二階幹事長も「しっかり反省して対処してもらいたい」と述べた。(毎日新聞2021.3.30) そして、どうやら課長が更迭されるという動きになっている。そして、ほとんどのメディアでは処分当然という声が高い。

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醜悪な聖火リレー

 聖火リレーがどういうものかは、まじかに見たことはないので、これまで意識していなかったが、前回の東京オリンピックのときには、ただ、聖火ランナーがけっこうなスピードで走っていた感じが残っている。もちろん、当時はまだ商業主義ではなく、あくまで公的な資金で行われていたので、まわりを宣伝用の車が囲んで走るようなこともなかったと思う。
 これまで諸外国でどうなっているのか、わからないが、日本の今回のオリンピックの聖火リレーが、これほど商業主義に毒されているとは、開始までまったく思わなかった。テレビは見ないのでわからないが、インターネットのライブ映像が走者ごとに掲載されている。それをみると、とにかく、聖火ランナーと伴走者たちがゆっくりと、沿道に手を振りながら走っている映像ばかりである。しかし、まったく別の映像がインターネットにアップされている。東京新聞の原田記者によるものだが、コカコーラなどの巨大な街宣車のような車が、大きな音をたてながら、何台も連ねて走っているのだ。そして、その一連の車の行列が通りすぎたあとに、聖火ランナーが走ってくるのだ。一月万冊の清水氏が数えたところでは、車の数は25台程度あった。おそらく、ニュースなどの報道でも、この車の騒音まき散らしながらの行列には、触れていないのだろう。この車列の映像を見たかどうかで、聖火リレーのイメージがかなり違うのではないだろうか。

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ドキュメント「チャリノブイリ 衝撃の真実 口を開く証言者たち」

 NHKのBSで放映されたドキュメント「チェリノブイリ 衝撃の真実-口を開く証言者たち」をみた。放映はずっと前だが、録画してあったのを最近みてみた。最初に驚いたのは、制作がイスラエルということだ。当時、原発の町と言われたプリピャチに住んでいた女性や、事故処理にあたったひとたちの証言を中心に構成されている。そして、実際に、原発建屋の屋上で、汚染された残骸を処理している映像も出てくる。こんなところを撮影していたのと、それをイスラエルの制作者たちが入手していることがすごい。日本は、どうなのだろう。
 チェリノブイリの事故も、当初は世界に、そして市民たちに隠されていた。火事が起きたということで、消防車が多数向かい、消火活動にあたったそうだ。そうした最初期の時点では、現場で事故処理にあたっていたひとたちにも、事実を知らされていなかったのだろう。そして、管理者たちも、事実を把握していなかったと思われる。しかし、数日後、町の住民は全員退避させられる。そのためにバスを用意し、退避にかかった時間はわずか6時間であったという。永久に帰宅できないというような事情は説明されず、ほんのピクニックにいくようなつもりで、わずかな物だけをもってバスに乗ったそうだ。しかし、現時点でも一人の帰還者もいない。(ただ、この映像ではふれていないが、退避を拒否したひともいた。)

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海外の観客をいれないオリンピックに、存在理由があるのか

 ついに、というか、やっというか、オリンピックの海外観客の受けいれをしないことが正式に決まった。といっても、海外からの観客が皆無になることを決定したわけではない。そこは、新聞報道が相変わらず隠しているところだが、VIPやスポンサーの関係者の招待は、IOCが頑として譲らない部分として残っている。しかも、確実な情報ではないが、その費用は日本持ちだという。交渉事項かも知れないが。そして、選手だけではなく、役員、コーチ、更に報道陣がいる。選手を選手村に閉じ込めるとしても、役員、コーチ、報道陣はそうはいかないから、行動規制はかけられない。まして、VIPなどは、かなり自由に行動するだろう。無観客になった場合、VIPはどうなるのだろうという疑問もある。まだまだしんどい交渉が続くのだろう。
 さて、この間、オリンピックに関して大きな話題がふたつあった。佐々木問題と海外観客である。これは、極めて大きな問題であるが、では、スポンサーでもある大手新聞は、これを社説でどのように扱ったのだろうか。それを見てみよう
 日経と読売は、佐々木問題も、海外観客についても、まったく社説で扱っていない。しかし、オリンピックに関して、読売と同一歩調と見られる産経は、両方を扱っている。しかも、あくまでもオリンピック開催に前向きで、「災い転じて福となす」ほどの熱だ。

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