自民党は売国的政党から脱却できるのか

 安倍元首相銃撃事件以来、統一教会への追求が復活し、内閣改造がなされたあとも継続している。しかし、本当に追求されなければならないことは、私から見ると等閑視され、問題が違う方向に向けられているように感じる。そういう指摘もいくつあるが、その指摘のなかでも、実は、「違う方向」「真の問題」についての見解も、ぶつかり合っているともいえる。だから、問題を整理していく必要がある。
 論点は以下の点である。
1 安倍元首相を銃撃したのは誰なのか。山上か、彼は目くらまし役なのか。
2 統一教会と自民党との関係、何が問題なのか。
3 宗教と政治の関係は、どうあるべきなのか。
 私の考えでは以上である。もちろん、統一教会の霊感商法や献金による被害者を救済することは、重要な課題だが、「これは不要だ」と、表立って主張している人は、私は見ていないので、「論点」からは外しておきたい。しかし、実は、ここに収斂させる雰囲気もあることは注意する必要がある。

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マニュアルは誰がつくるのか クレーム処理の現場

 プレジデントオンラインに「「間違えたんだから、責任を取れ」オペレーターに詰め寄るモンスター客に上司が放った”爽快なひと言”」という吉川徹氏の文章が掲載されている。
 携帯電話会社のコールセンターのやりとりのレポートである。筆者の吉川氏自身、オペレーターの経験があるそうだ。系統的な文章というより、いくつかの具体的挿話を集めたものなので、気になった部分の紹介と考察をしてみたい。
 
 まず、「マニュアルは役にたたないものばかり」と書かれている。「相手の話を真摯に聞く」「カッとなったら6秒数える」「数分我慢すれば、ほぼ解決」などという、意味のないことが書いてある。
 逆に頷けるのは、「クレーマーを宇宙人と思え」とか「もっとも手ごわいクレーマーは常識を持ち合わせていない人」という内容だったというが、これが具体的に役立つとは思えない。

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読書ノート「元首相暗殺の黒幕」ベリー西村

  ベストセラーだという評判だったし、題名から考えても、読まざるをえまいと思って読んでみた。ベリー西村という人は、まったく知らなかった。元パイロットだったというが、現在はスピリチュアル系の人のようで、内容もそんな感じである。端的にいって、トンデモ本の一種に思われた。最初に、安倍元首相暗殺に関する疑問がだされていて、それはそれで筋の通ったものだった。疑問は10あげられている。
・SPが何故安倍氏から3メートルも離れていたところにいたのか。あまりに杜撰な警備。
・事件のニュースが2日前に作成されていた。
・山上が誰かの指示を確認している様子が頻繁に見られた。指示者がいることを示している。
・統一教会の分派のサンクチュアリ教会の教祖が6月から来日している。

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安倍元首相狙撃考察10 山上が犯人でないとすると?

 大手メディアはまったく無視しているが、ネット上には、山上は犯人ではなく、黒幕がいるという見解は、けっこうたくさん見られる。銃弾の向き、安倍氏の体内の損傷の状況等を詳しく分析して、山上の銃弾ではないと論証する医師のyoutubeも、けっこう話題になっている。大手メディアの報道や警察発表は、疑問だらけであることは確かだが、しかし、その先の、では誰がということについては、メディアや警察が一切無視しているので、想像するしかないのが現状だ。だから、いくつかの説がある。それを少し考えてみよう。
 山上の銃で安倍元首相が撃たれたのではないと仮定すると、当然別に撃った人がいることになる。その点では、ふたつの見解がある。ひとつは、壇から降りた安倍氏に防御のために覆い被さった人が、密かに小さな銃(消音付き)で首から下に向けて撃ったという説。もうひとつは、近くのビルの屋上、ないし空き部屋からスナイパーが撃ったとするもの。いずれも、治療にあたった医師が、死亡を知らせる記者会見で述べた内容と、銃弾の軌跡が一致するように考えたものである。だから、弾道と安倍氏の遺体の状況との矛盾はない。しかし、いずれも、大きな難点がある。

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内閣改造したが 本当に必要なことは宗教法人認可の取り消し

 内閣が改造され、昨日からその番組が続いている。そして、追求されているのは、統一教会との関連である。ただ、予想されたことだが、統一教会と関係をもたない人だけで、内閣を構成することは、現在の自民党では無理なことだろう。今朝のモーニングショーで田崎史郎氏が語っている通りだ。
 それから、自民党員にも信教の自由はある。その通りだろう。だから、信教の自由を侵して、統一教会と関係をもつなというのも無理筋がある。しかし、当然、反社会的団体であると言わざるをえない統一教会を、そのままにしていいわけがない。私のような立場からすれば、それは自明のことだが、保守を自認するひとたちにとっても、それは切実な問題ではないのか。なにしろ、統一教会は、日本をエバ国として、韓国に資金的だけではなく、人的にも(合同結婚式)献身することを課しているのだから、日本の保守主義者が、根本的なところで対立するはずなのである。それなのに、これまでは、完全に自民党と統一教会はずぶずぶの関係になっていた。

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統一教会に押し切られた会見

 本日8月10日の3時から1時間半、外国人記者クラブで、統一教会田中会長の記者会見があった。開かれた経緯は、よくわからないが、記者クラブのほうで、統一教会の問題を明らかにしたいと思って招待したのであれば、まったく意図と反する結果になった。ほとんどが田中会長の独壇場といった感じで、統一教会の主張に席巻された印象である。
 ライブをずっと見ていたのだが、(テレビでは途中でコマーシャルになったので、そのあとはyoutubeで最後までみた)テレビ画面に、鈴木エイト氏の言葉がでて、「統一教会が被害者であるという印象を与える会見になる」と危惧していたが、その通りになったといえる。

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安倍元首相狙撃考察9 山上の新たな供述?

 安倍元首相銃撃事件の誰が実行したのか、については、疑問が少しずつ増えているが、大手メディアは一切触れていない。つまり山上の犯行は疑う余地がないという理解をしているのだろう。事件に関連しては、統一教会と主に自民党の関連の追求に集中している。ネット保守層からは、無意味な追求だなどと批判しているが、無意味どころか、的確な批判の向け方であるといえる。実際に、統一教会と、特に安倍元首相との癒着が、いかに政治を歪め、その影響が現在でも続いており、その裏に、多くの悲劇が起きていることは、まったく事実だからである。この点での追求なしに、日本の政治・社会の改善は望めない。
 
 しかし、そうした統一教会批判をしている(びびっている局も少なくないが)大手メディアは、逆に、山上が本当に撃ったのかについての疑問は、まったく取り上げていない。そして、今日(8月9日)更におかしな報道が出た。テレ朝ニュースで「安倍元総理銃撃で新供述『隣の人にあたらない距離に』」という記事だ。

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山上は「パンドラの箱」を開けた

 今日(8月7日)のサンデーモーニングで、統一教会と政治家の関係が特集された。青木理氏の発言がスポーツ報知で紹介され、多数の賛否両論のコメントがついている。サンデーモーニングは、見ていないが、非常に重要な問題なので、考えてみたい。
 青木氏の発言の要点を整理すると、
・安倍元首相の銃撃事件が「パンドラの箱を開けた」と捉えるのは絶対にマズイ。暴力の連鎖を呼びかねないからだ。
・その逆で、70年代、80年代から霊感商法とか合同結婚式など、社会的な問題を起こしてきた反社会性の高い教団に対して、もっと早い段階で警察や行政が実態解明に乗り出していれば、被害はある程度抑えられたが、それをしなかった。
・政治の意図とか不作為によって教団が温存されたので、蓄積したものが爆発して事件が起きたと捉えるべきだ。

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安倍晋三と長谷川平蔵

 熱は下がったけれども、まだまだ全快というわけでもないので、今日は気楽な話題。
 自民党と統一教会のずぶずぶな関係が、次第に明らかになってきているが、そのなかで、非常に興味深いのは、警察が統一教会の捜査を始めようとしていたのを止めたとか、公安が監視団体としていたのを外したのが、安倍晋三であるという点だ。鬼平犯科帳には、与力同心が犯罪集団に協力しているが、結局身を滅ぼしてしまう話がふたつある。
 「あばたの新助」と「殺しの波紋」だ。
 「あばたの新助」のあらすじは以下のようなものだ。
 同心の佐々木新助はまじめ一筋、筆頭与力佐嶋忠介の姪にあたるお米と結婚しているが、あるとき、ハニートラップにひっかかってしまう。
 市中見回りの際に、甘酒やに入ったところ、その茶汲女のお才に声をかけられる。お才は、長谷川平蔵を本気で殺害しようと思っている大盗賊網切の甚五郎の手下で、新助を籠絡する役割を与えられていた。まじめ一本の新助はすっかりのぼせあがってしまい、当初はお金を使うが、そのうちだせなくなると、お才がだすというので、ずるずると続いている。あるとき、小料理屋に誘われ、セックスに夢中になっている最中、甚五郎の手下が予定通り踏み込んできて、新助に協力を強制する。

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統一教会とずぶずぶ自民党の無責任・無知 統一教会は宗教法人の認可を取り消せ

 統一教会との接触を否定できない段階になって、自民党議員たちが、次々といいわけの記者会見をしている。挨拶はした、同席はした、しかし、それは統一教会がどういう団体かは知らなかった、あるいは、統一教会の人がいるとは思わなかった等々。理由にならないことを述べて、しらを切るつもりなのだろうか。
 「統一教会がどういう団体か知らなかった。」語るに落ちるとはこのことだろう。統一教会が反社会的な行為をしていることは、少なくとも国会議員をしている年代の人であれば、国会議員ではなくても、多くの人が知っているし、まして、国会議員であれば、国政に責任をもつ人間として、当然知らなければならない。それを、国民の前で、「知らなかった」と述べたことは、「私は、無知で、何も知らない阿呆です」といっているのと同じだ。
 また、ある団体が表敬訪問でやってきたときに、出席した人々のなかに、統一教会の人がいるとは思わなかったというのも、同じである。政治家が、自分がどういう人物と会うのか、まったく気にしないで会うなどということがあるとは、とうてい思えない。もし、そういう人物が国会議員であるとすれば、まったく無責任で、無防備な政治家だということになる。やはり、議員失格だ。

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