いよいよ中核的な義務教育に関する部分の検討になる。
まず最初に、9年間を通した教育課程、指導体制、教師養成について一体的な検討が必要であるとする一方で、多様化した子どもの状況に対応するとともに、誰一人取り残さないという基本原則が確認されている。ただ、なんとなく空虚な響きがある。教育課程や指導体制といっても、9年間の割り振りとして、既に、6-3-3、6-6、9-3という三つの学校形態か一条校として認定されており、しかも、通常の小中学校についても、小中連携校などがあり、連携校の場合、きり方が6-3ではなく、5-4や4-5の型もある。つまり、義務教育学校としての統一的な学校体系は、崩れているのである。「通した」という意味は、どの程度重みをもっているのだろうか。
そして、多様な資質に応じることと、誰一人取り残さないということが、どのように関係しているのかも定かではない。