先進国はほぼ人口減少に悩んでいる。少子高齢化が進んでいるからだ。そういう中で、私が住んでいる自治体は、全国でもめずらしく人口増加が何年も続いている。そして、その開発スピードはまったく衰えていない。とくに20年前に鉄道が開通してからは、とくに開発が著しい。 “人口増はいいことか” の続きを読む
全盛時代の巨人は理論的であり、個性を活かしていた
プロ野球の巨人がもめている。内部的にはもめていないかも知れないが、ファンたちの間ではかなりの騒動になっているようだ。それは、1軍打撃コーチの二岡、二軍監督の桑田、そして3軍の駒田という3人の指導者たちが、解任されたことであり、更には、優勝を逃した最大の責任者である阿部監督がそのままであるということも関係しているといえる。とくに、桑田と阿部の関係が取り沙汰され、桑田を解任したことは、巨人の将来にとってマイナスという見解が、OBたちには多いようだ。そして、先日山口オーナーが、桑田にはフロントのポストを用意したのに断られた、などと釈明したことが、油に火を注いだ感じになっている。 “全盛時代の巨人は理論的であり、個性を活かしていた” の続きを読む
国立大学予算での文科省と財務省
いまや年中行事になった観がある、予算をめぐる文科省と財務省の争いだ。これはずっと以前から続いていることであるが、現在の焦点は、国立大学予算に関してである。以下の記事があった。
「文科相、国立大の運営費交付金「増額が必要」 財務省に反論」(朝日新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab93b70e5110c7de898f31bc7cf0845455dfbbf2
私は私立大学に勤めていたし、また現在は定年になって現場を離れているので、自身の切実観はないのだが、やはり、日本の科学技術、教育の発展は気になるし、絶対に軽んじてはいけない領域である。 “国立大学予算での文科省と財務省” の続きを読む
最近のショパンコンクール優勝者は伸び悩み?
クラシック・ジャーニーという方の「雑感: ショパン国際ピアノコンクール2025」(https://ameblo.jp/classic-journey/entry-12943037519.html)という文章が面白かったので、ショパンコンクールに関して、私も雑感を書いてみることにした。
シャーニー氏は、ショパン・コンクール優勝者で数万円払ってリサイタルを聴きたいひとは、ポリーニ、アルゲリッチ、そしてぎりぎりツィンマーマンなのだそうだ。そして、ポゴレリッチ事件以後の優勝者は、ほとんど評価に値しないように評価しているようだ。 “最近のショパンコンクール優勝者は伸び悩み?” の続きを読む
「教師に残業はない」のか
福岡の県立高校の教師が、過度の残業でホテルのロビーで突然倒れ、首の後の血管が破裂して、以後意識が戻らないままずっと寝たきり状態になっているという。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2290434?display=1
校長は当時、「頑張ったんだけどね。残念でしたね」という言葉をかけられただけだったという。学校現場が最悪のブラック職場のひとつであることは、広く認識されている。そして、それは、教育行政による勤務形態の押しつけのために起っていることである。したがって、勤務形態と給与の関係を変更しないと、こうした被害は今後もなくなることはない。 “「教師に残業はない」のか” の続きを読む
皇位継承における血と能力
最近は、皇位継承問題は、youtubeはともかく、あまり表面的には議論さていないのかも知れないが、問題はまったく解決されることなく推移している。そして、意見は極めて対立の幅が大きい。小泉内閣が、皇室典範の改正を準備し、ほぼそれが通りそうになったときに、秋篠宮妃が妊娠し、男子を身ごもっていることが明らかにされて、皇室典範の改正が完全に頓挫したことは、40代以上のひとならば、覚えているひとも多いだろう。最近では、ほぼ広く認識されていることだが、かの妊娠は意図的なものであり、最新の医学を使って男子を出産させた、つまり、皇室典範の改正を潰すためのもっとも有効な手段がとられたわけである。しかし、男系男子派にとっては、それは問題のもっともよい解決であったのだろうが、そうでないひとたちにとっては、問題を混迷させたに過ぎないし、現在では、その混迷はさらに深くなっている。 “皇位継承における血と能力” の続きを読む
丸山真男のオペラ論2
丸山は、ヨーロッパの指揮者は、歌劇場のポストを歴任して、認められることでだんだん上級クラスの歌劇場に進み、一流の指揮者として認知されると指摘している。そして、その代表としてカラヤン、ベーム、フルトヴェングラーをあげているが、フルトヴェングラーはこうした経歴をたどった指揮者ではないし、また、オペラ指揮者とはいえない。ごく若い頃に歌劇場の指揮者であったが、30代にしてベルリンフィルの常任指揮者に選ばれたあとは、例外的な時期(つまりナチスとの関係でベルリンの歌劇場の指揮者を務めたことはあるが)を除いて、歌劇場の指揮者になることはなかった。フルトヴェングラーのオペラは、音楽祭やレコーディング、演奏会形式での上演にほぼ限られている。フルトヴェングラーは偉大な指揮者だから、オペラの録音も優れた演奏だということになっているが、私は、フルトヴェングラーのオペラ録音は、それほど優れたものではないと感じている。生粋のオペラ指揮者であったカラヤンと比べるとその差ははっきりしている。 “丸山真男のオペラ論2” の続きを読む
WS優勝のロバーツ監督への低い評価
MLBの優秀監督を担当記者たちが選ぶ賞で、今期ワールド・シリーズ優勝をなしとげたドジャースのロバーツ監督が選ばれなかったことが、話題となっている。しかも、単に選ばれなかっただけではなく、一票も入らなかったというのだ。記者はMLB担当記者30名が、1位、2位、3位の順をつけて投票するということだ。とすれば、全部で90票が投じられることになる。そのうち1票もロバーツの名前が書かれていなかったというのだから、かなり驚きだ。しかし、ある大リーグ・レジェンドで解説者(オルティーズ)が、この件について詳しく自分の受け取りを語っているyoutubeがあったが、全面的に賛成している。
ナ・リーグ(ドジャースが属するリーグ)では、ブルワーズのマーフィー監督が圧倒的な票獲得で選出されたという。しかも2年連続である。 “WS優勝のロバーツ監督への低い評価” の続きを読む
丸山真男のオペラ論1
丸山真男に「金龍館からバイロイトまでーーオペラとわたくし」という文章がある。もちろん、丸山のアカデミックな論文ではなく、丸山のオペラ歴を語ったエッセイである。これがとても面白いし、賛成できるところもあるし、また、違うなというところもあるが、丸山真男は有名なクラシック音楽、とくにドイツ音楽、そしてオペラ好きだったから、その類の文章はいろいろあるのだが、これがとくに私には興味深かった。
1985年の文章だが、まだまだこの時期は、日本のオペラ普及はそれほどではなかったのかも知れないが、それでも、次第にオペラ好きは増えていたと思うし、有力なオペラ公演は客もたくさん入っていたはずである。 “丸山真男のオペラ論1” の続きを読む
マタイ受難曲の古楽奏法と現代オケの演奏
東京交響楽団のマタイ受難曲を聴いて、このブログに感想を書いたのだが、その後いくつかのマタイのCDを聴いた。そして、磯山雅氏の厖大なマタイの分析書も読んでみた。マタイ受難曲が、まだ好きになったわけではないが、これまであまり気付かなかった魅力を感じるようにはなった。しかし、最近の主流ということになっている古楽奏法については、私はあまり好きになれない状態である。磯山氏の著書には、当時発売されていた(廃盤のものを含まれているが)マタイの全曲CDについて、率直な評価が書かれている。その評価に、私はあまり納得できないというか、やはり感覚が違うのだと思ってしまう。 “マタイ受難曲の古楽奏法と現代オケの演奏” の続きを読む