7日にジャニーズ事務所の新旧社長と井ノ原氏、そして、弁護士4人が出席した記者会見が行われ、4時間をこえる質疑応答が実現した。途中で質問を打ち切ることなく、挙手していた人は全員指名したということだ。そういう姿勢は評価されているが、会見後、厳しい意見が、とくにyoutubeでたくさん流されている。その主なものは、事務所名を変更しないことに対する批判と、東山氏の加害者性の告発である。事務所名を変更しないことだけが影響したわけではないだろうが、その結果として、これまでのスポンサーが続々とおりる、またはおりることを検討している状況になっている。現在は、主にCMにジャニーズ事務所のタレントを起用することをやめることに留まっているが、そのうち、テレビ番組で採用させない動きがはじまる可能性もある。もちろん、テレビ局側は使いたいというだろうが、スポンサー側でイメージ低下をおそれて、他のタレントを使うように要求するかも知れない。CM排除も当然かなりの損失だろうが、テレビ番組でジャニーズ事務所のタレントは使わせない、という状況になれば、事務所としてもたない可能性が高いだろう。結局、事務所を解体せざるをえなくなるとも考えられる。実際に解体して、所属タレントたちが、他の事務所に移籍する場合もあるだろうし、また、一端解体して、まったく別の組織として再編し、新しい事務所に留まるタレントがどのくらいいるのかわからないが、他にいくタレントと分裂することは間違いないだろう。
ジャニー氏の性加害(実際には性犯罪というべき)がクローズアップされているが、そこに事実上加担していたと告発されているひとたちが、どうなるのかということと、ジャニーズ所属タレントをめぐっては、対女性に対する不適切な性行為がいろいろと報道されており、その問題は無視されるのだろうかという点である。私などは、非常に不思議に思っていたが、ジャニーズのタレントたちは、結婚にたいして非常に大きな制約があったとされる。女性との交際も、表向きは禁止されていたように報道されている。それは、熱狂的な女性ファンたちを考慮した措置だとされていたが、若い男性たちが、女性との交際そのものを禁止され、それがそのまま実行されるなどということは考えにくい。だから、どうしても、トラブルが発生することになる。そのために、これもかなりメディアへの圧力があって、かなりの部分は報道されなかったようだが、そのことがタレントたちの不適切な女性たちの関係を助長する背景となっていたという。リテラなどが、かなり詳細に報道している。
後者はさておき、先輩たちの後輩への性加害の加担が、より大きく報じられるようになると、ジャニー氏の特別な性癖によるものだったということでは済まなくなる。とくに、批判の対象がつよく社長になった東山に向けられているから、東山氏も辞任せざるをえなくなる可能性がたかい。もともと、いやいや引き受けたのだろうから、辞任したいと思えば、意思を貫くのではないだろうか。そうすると、次に社長を引き受ける人がでるのだろうか。外部のひとには、どの程度声をかけたかはわからないが、いずれも断られ、仕方なく東山氏に押しつけた形のようにみえる。もし、性加害への加担が事実であれば、自業自得ともいえるが、社長などを引き受けなければ、それほど強く指摘されなかっただろうから、気の毒な面もある。
東山氏が辞任した場合、外部の引き受け手はますますいなくなるだろうから、そうすると、現在の事務方のなかから選ぶしかないだろう。しかし、彼等も当然、ジャニー氏の行動を知ってて、隠蔽していたわけだから、再度の非難が浴びせられる。
結局、社長のなり手がいなくなる可能性が否定できない。
ジャニーズ事務所のタレントが他の事務所に移籍すると、どのようなことがおきるのだろうか。ここは、私には、想像がつかない。というのは、実際に彼等をテレビでみたことがほとんどないからである。朝イチの井ノ原氏は、よくみていたが、そのくらいだ。ジャニーズ色が薄くなり、個人として活躍しているタレントたちは、多くが移籍したり、独立して活動できるし、実際にそうするとおもわれる。すると、まだ地位を確立できず、なんとか努力して途上にあるタレントたちは、かなりふるい分けられるだろう。やめざるをえなくなるひとたちもでてくるにちがいない。彼等にとっては、ジャニーズ事務所が、形を変えてでも残って、自分たちを売り出してくれることを期待するのだろう。しかし、smapの脱退事件以降のごたごたをみると、かつてのようなタレント売り出し能力が低下しているようにもおもわれるし、だからこそ、現在のような事態になってしまったのだろう。ジュリー氏の手腕にたいする評価は、大きく分かれていたという。つまり、誰もが認める手腕を発揮していたわけではない。とすれば、現在の窮地を克服して、さらにタレントたちを売り込んで、活躍の場を確保することができるかどうかは、多いに疑問である。
社名を変更したとして、それでスポンサーの問題を解決できるのだろうかということもある。統一協会は、非常に強く社会的非難をあびたので、名称を変更した。そして、確かにその後、しばらくは社会的非難が鎮静したようにおもわれた。安倍氏の暗殺がおきるまでは。しかし、鎮静化した理由は、名称変更による部分は小さいのではないかとおもうのである。通常、宗教法人は、手軽に名前を変えることできず、それなりの理由が必要である。国の了承が必要な事項だから、社会的イメージが悪くなったので名称変更したいというのは、通らない。つまり、そうした名称変更を認めさせる、政府・自民党への影響力があったから、名称変更を認めさせたのであって、そうした影響力があるからこそ、鎮静化するように、メディアなども動かしたわけである。しかし、名称としては、現在でも旧統一協会と呼ばれている。
したがって、ジャニーズ事務所も、名称を変更しても、旧ジャニーズ事務所と並記される可能性がたかく、スポンサーのイメージ改善になるのかどうか、かなり疑問なのである。
崩壊はほぼ確実にやってくるようにおもわれる。