内閣改造したが 本当に必要なことは宗教法人認可の取り消し

 内閣が改造され、昨日からその番組が続いている。そして、追求されているのは、統一教会との関連である。ただ、予想されたことだが、統一教会と関係をもたない人だけで、内閣を構成することは、現在の自民党では無理なことだろう。今朝のモーニングショーで田崎史郎氏が語っている通りだ。
 それから、自民党員にも信教の自由はある。その通りだろう。だから、信教の自由を侵して、統一教会と関係をもつなというのも無理筋がある。しかし、当然、反社会的団体であると言わざるをえない統一教会を、そのままにしていいわけがない。私のような立場からすれば、それは自明のことだが、保守を自認するひとたちにとっても、それは切実な問題ではないのか。なにしろ、統一教会は、日本をエバ国として、韓国に資金的だけではなく、人的にも(合同結婚式)献身することを課しているのだから、日本の保守主義者が、根本的なところで対立するはずなのである。それなのに、これまでは、完全に自民党と統一教会はずぶずぶの関係になっていた。

 つまり、自民党は統一教会のことを、現在、個人の問題として処理しているのだが、そうではなく、組織の問題として処理しなければならないのである。しかも、自民党は絶対的な政権党なのだから、統一教会が日本社会に及ぼすことについても、責任をもった対応をしなければならない。
 
 そのために必要なことは、単純明快である。統一教会の宗教法人の認可を取り消すことである。実際にオウムもそのようにした。
 宗教法人の認可を取り消されたあとも、オウムは名前を変えて存続しているが、少なくとも、私の目には、かつてのような危険な団体とは思えない。そして、一部の信者がかつてのようなことをやろうとしても、資金的に無理だろう。つまり、宗教法人が反社会的な行為が可能なのは、やはり、主に巨額な資金を用意できるからであって、それは宗教法人としての認可を得られるからこそなのである。だから、統一教会の認可を取り消せば、反社会的な行為をかなり制限されるはずである。また、認可を取り消せば、当然納税義務が発生するから、税務調査を受けることになり、そこで、反社会的な行為を企てていれば、掴む可能性が出てくる。
 
 統一教会は、オウムほど酷いことをしていないという人がいるかも知れない。しかし、1960年代から政治を見ている世代からすれは、統一教会は、オウムなど比較にならないくらい反社会的行為の度合いが小さい。オウムは統一教会に比べれば、子どもみたいなもんだと、言われていたものだ。そのくらい、統一教会の反社会的行為は、裾野の広がりが大きく、それだけ被害も大きいのである。
 オウムは自分で政党を立ち上げて、政治力をもとうとした。しかし、統一教会は、最初から自民党やアメリカと結びついて活動をはじめている。だから、一見合法的な姿をとっているのだが、少なくとも資金集めについて、そして、合同結婚式のような人的搾取において、反社会性は実に大きいのである。
 
 このようなことを考えれば、統一教会の宗教法人認可取り消しは、当たり前のことだと思う。そして、認可を取り消せば、かなり反社会的な行動に制約がかかるし、また監視をすることができるのだから、危険な団体ではなくなる。それこそ、純粋に宗教的活動をするようになるのかも知れない。あるいは、もともとが「勝共」が目的だから、資金獲得ができないなら、活動を止めるのかも知れない。それは彼らの自由だろう。
 そして、宗教法人ではなくなった統一教会を、つきあうことも、それほど目くじらをたてることもなくなるのではないだろうか。
 
 最終的には、宗教法人の非課税制度を廃止すべきであるが、それができない内は、統一教会の宗教法人としての認可を取り消すべきである。それが、自民党に求められている。

投稿者: wakei

2020年3月まで文教大学人間科学部の教授でした。 以降は自由な教育研究者です。専門は教育学、とくにヨーロッパの学校制度の研究を行っています。

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