文章校正ツールを試してみた

 私自身、このブログを書くときに文章校正ツールを使っている。ジャスト・システムの「Just Right6」である。一太郎に入っているものと同じなので、一太郎を使うこともある。ただ、私のもっている一太郎は2018年バージョンなので、いまは新しくなっているかも知れない。
 今日、ネットをみていたらスポーツ報知の記事「古舘伊知郎氏、小池都知事の欠席意向に「全く無責任。かつて『排除します』と。自分を排除してどうするんだ」」が目に入ったので読んでみた。昨日ゴゴスマでこの発言を聞いていたからだが、次のような文章だ。
 
 「10日放送のTBS系「ゴゴスマ~GOGO!Smile!」(月~金曜・午後1時55分)では、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言を受け、近く開催予定の東京五輪のトップ級4者会談について、東京都の小池百合子知事が「今はポジティブな発信にならないと思うので私は出席することはない」と欠席の意向を明かした一件を取り上げた。
 リモート出演したフリーアナウンサーの古舘伊知郎氏は「全く無責任だと思いますね。東京オリンピックですからね。パフォーマンスであろうがなかろうが。かつて『排除します』という発言で大変なことになった小池さん。こんな需要な会議に自分を排除してどうするんだと思います」とコメントした。」

 
 読んですぐわかると思うが、「需要な会議」というのは、明らかにタイプミスで「重要な会議」が正しく、juuとうつところをjuとして、uを落ちしたためのミスであることは明らかだ。もちろん、プロが書く文章だから、ちゃんと校正しているだろうし、あるいは、校正ソフトにかけているだろう。単純なミスだから、ひっかかるはずだと思って、念のために、私の使っているJust Right6 にかけてみた。
 すると、意外なことに、結果は
 
just-Rights
ゴゴスマ~GOGO!Smile! → 用語
蔑視 → 「蔑」例示字形が変更された漢字
 
 一太郎でもまったく同じ結果になった。もうひとつもっているwordだとどうか。
 
microsoft word
どうするんだ → どうするのだ
 
 結果は、会話体だからまったく問題ない「どうするんだ」を、文章体に直しただけで、かえって間違いの指摘そのものが間違ってしまっている。他にも試してみようと思い、ネット上に無料で使える校正ツールを探した。
 
so-zou.jp
パラリンピック(略語) →国際身体障害者スポーツ大会(パラリンピック)
 
オンライン文章校正支援サービスPRUV
需要な → 普通名詞「需要」は通常、「○○な」の形を取りません。名詞の誤変換の可能性が考えられます。「○○の」とした方が自然な場合もあります。
(指摘しているのは正しいが、訂正指摘は正しくない)
 
Enno
間違いは見つかりませんでした。
 
オンライン日本語校正補助ツール
パラリンピック が赤字になった。
 
テキスト処理ツール
パラリンピック→国際身体障害者スポーツ大会(パラリンピック)
 
プリスリリース校正ツール
パラリンピックが赤字になった。
 
 手軽にすぐ使えるのは、このくらいだったが、「需要な会議」を指摘したのは、たったひとつで、しかも、「需要の会議」にすればいい、という指摘で、「重要」のタイプミスであることを指摘したツールは、ひとつもなかった。もっと高価なツールなら、ひっかかるのかも知れないが、結局、意味分析が十分でないと満足な結果はえられないのだろうか。もっとも、単体としてのJust Right6は、5万ほどしたので、安いとはいえない。1万円程度の一太郎にあまり変らないものが入っているというのも変な話なのだが。
 いままで、Just Right6でチェックして、ブログにあげていたから、なんとなく安心していたのだが、それだけでは不十分であることがわかった。無料のツールを併用したほうがいいのかも知れない。しかし、やはり、最終的には、自分で慎重にチェックすることが必要だろう。
 
 

投稿者: wakei

2020年3月まで文教大学人間科学部の教授でした。 以降は自由な教育研究者です。専門は教育学、とくにヨーロッパの学校制度の研究を行っています。

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