私の考える人間の尊厳とは、人が何か考えを発する権利や、その発言によって傷つけられない権利である。それは、誹謗中傷や、反社会的な発言が行われたときに、その対象となった人の人間の尊厳が犯されていると考える。
私はネット右翼という言葉を知らないどころか、2チャンネル自体にも検索で引っかかった時にしか立ち寄らない程度であり、このテーマについてほとんどゼロの状態から始めたために、まずは、ネット右翼とはどのようなものなのか、というところから始めた。だが、ネット右翼と検索にかけてみても、ネット上で右翼的な発言をする人としか出ず、最初からつまずいた。しかし、ちょうど、STAP細胞問題や、従軍慰安婦問題、集団的自衛権の問題などといったネット右翼たちが食いつきそうな問題がでできたため、それに対しての投稿を集めてみた。すると、普通、面と向かっては言えないような過激な発言や、非人道的な発言が多々載っており、根拠なしにただ批判したものや、右翼の思想と絡めた発言ばかりで、正直驚いた。こうしてネトウヨの存在について知ることができたので、次は特徴を調べた。すると、民主党が嫌い、中国韓国が嫌い、在日が嫌いなどと載っており、また、社会的地位が低い、経済力は低収入、対人関係は不得意であるとあった。だが、後者の社会的地位や、経済力、対人関係についてはネトウヨたちの活動を見たところあまり共感できず、なぜなのかと疑問に思った。そこででてきたのが、古谷経衡さん(評論家、著述家)である。古谷経衡さんの書いた、「ネット右翼の逆襲」という本では、独自にネトウヨと思われる人1000人にネット上で独自にアンケートを取ったところ、学歴、収入ともに、平均並み、もしくは平均を上回るくらいで、恋愛経験も並みであるという見解を示した内容が書いてあった。なので、そのような考えはメディアの誤った表現や、「電車男」のような映画にも表れているように、私たちの勝手なイメージから生まれてきてしまったものではないかというように思えた。そして、その本に、今まで検索しても出てこなかった、ネトウヨ的発言の多い掲示板サイトが載っており、そこで改めてネット右翼たちの発言を見た。やはり予想通りで、在日に対する批判をはじめとした痛烈な批判ばかりで、あった。
こうして調べていくうちに、最初は、「なぜこんな発言ができるのだろうか」という疑問だったが、「こうやって発言できるのはネット上であり、相手が見えないからであろうか。実生活とは違うネット上の自分を演じているのだろうか。また、本当に本心で言っているのだろうか」という風に変わった。なので、先生に指摘されたように、演じているその人にとっての尊厳とは何かということもこれから考えていきたいと思う。