旧中仙道旅行記3

 今日は、いよいよ本来の目的である、旧中仙道にある史跡巡りを実施することができた。というより、今回の旅行の目的は、岐阜県にある馬籠宿と、長野県の妻籠宿を見ることにあった。島崎藤村の「夜明け前」の舞台となっている宿場であり、当時の面影がどの程度かはわからないが、できるだけ保存しようと努力しているふたつの旧宿場街である。しかし、実際にいってみて、となりの宿場であり、互いに復元という点において影響しあっている両宿場でも、ずいぶん雰囲気の違いを感じた。そして、それが、人出の違いにも現れていたように思う。
 とった宿の関係で、まず妻籠宿にいった。最初間違って車で乗り入れてしまい、まずは車で妻籠宿を通りすぎてしまった。完全に通行禁止になっているわけではないようだが、車の乗り入れはほとんどない。私たちが歩いている間に、他の車は通らなかった。しかし、通りにある家は、もちろん車をもっているわけで、この通りを避けることはできない。再度駐車場を探して、そこから、いよいよ歩いて妻籠宿の通りを端から端まで歩いてみた。

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旧中仙道旅行2

 今日は、ホテルで朝食を食べてから、まず山下清美術館を訪れた。貼り絵の天才山下清の作品が多数展示されているので、平日の午前というのに、けっこう観覧者が多かった。
 私は、あまり美術に興味がないので、詳しいことは知らないのだが、とにかく、山下は放浪で有名だ。ある程度名前が知られるようになってから放浪癖が始まったので、食べることにはこまらなかったという。それでも、最初は、食べ物を恵んでもらって、駅や野原に野宿する形だったのだが、そのうち、作品を書いてあげるなどして、かなり謝礼をもらったり、あるいは、宿泊場を提供してくれる人がでてきたそうだ。それで、山下は、芸術家として、将来的にやっていけるという自信がついたという。

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旧中仙道旅行1

 以前から、国道を制覇することを、趣味としてやっていた。あまり時間もないので、たまにしか行けないが、これまで、1号、2号、4号、6号、7号、8号、9号、20号を制覇した。もちろん、そのほかにも、125号とかたくさんの関東近辺の国道は制覇したが、江戸時代からの基幹的な道路に添った国道として、中仙道が残っていた。ところが、他の江戸時代の基幹道路と国道の関係は、ほとんど一致しているが、中仙道だけは、ひとつの国道になっていない。17号から始まって、順番に21号までの部分がそれにあたっている。そこで、中仙道を国道にしている道をたどってみようという計画を立てた。
 ところが、最初から、計画が頓挫し、2日目からになった。そして、当初の国道17,18号は帰りに通ろうということで、最初に諏訪にやってきた。下諏訪大社と高島城をみた。

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音楽家の才能と人格 小山田圭吾問題を機に

 小山田圭吾問題に絡んで、彼が音楽会でどのような評価を得ているのか、youtubeで検索していたところ、小山田氏をこき下ろしているyoutubeのひと(ニューヨーク在住のジャズ系の音楽家ということだった)が、音楽家と人間性は密接な関係があり、優れた音楽家はみな人格者であり、人格者ではない人間の音楽は、必ず気持ち悪く感じるところがあるという持論を、とうとうと述べ立てていた。小山田圭吾氏が、かつて、ひどく人格的に問題があったことは間違いないだろうが、現在はわからない。
 しかし、優れた音楽家は、人格者であるという、つまり、人格的に優れていないと、優れた音楽を作ったり、演奏したりすることはできないのだ、というのは、正しいのだろうか。ここまで断定的にいえるひとはすごいと思ったが、私は、このひとの考えには反対である。
 何故なら、クラシック音楽の世界では、とんでもない天才でありながら、人格的には、どうしようもなく、厭味な人間である。そして、それにもかかわらず、周りの人間を魅了し、音楽が高く評価されている作曲家がいるからだ。これまでに書いたことと重なる点もあるが、再度考えてみる。
 矛盾の固まりみたいな作曲家は、リヒャルト・ワーグナーである。私は、ニューヨークのひととは違うが、ワーグナーという人物は嫌いであるし、音楽も全面的な好きだとはいえないのだが、彼の音楽が、絶対的に優れていることは認めざるをえない。

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スマホは脳に悪いという科学的説明があるが?

 ダイヤモンドオンラインに「スマホが頭を悪くすると断言できる科学的な理由とは」と題する文章が掲載されている。(川口友万 2021.7.7)https://diamond.jp/articles/-/275768?utm_source=daily_dol&utm_medium=email&utm_campaign=20210707
 このような議論は多数あるが、これは、「5分間のスマホ利用で記憶に重大な障害(Mobile phone use for 5 minutes can cause significant memory impairment in humans)」(Hell J Nucl Med. Sep-Dec 2017;20 Suppl:146-154 Kalafatakis Fほか)という衝撃的(?)な論文の紹介である。原文の要約はウェブで読むことができるが、川口氏の紹介は、要約に基づいているようだ。簡単に紹介すると、(私も本文を読むことはできなかった)
・健常者64名、軽度認知障害者20人を実験群、健常者36人が対照群とする実験。
・実験群に対しては、最初に10個の単語を見せ、思い出して書いてもらう。
 スマホを使う前・スマホを5分使った直後・スマホを5分使ってから5分後でスコアを比較。

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親指シフトを富士通が終了させてしまった

 40年ほど続いた親指シフトキーボードの販売が、開発元の富士通が終了させた。私は、最初は、富士通のワープロ機械のオアシスを使っていたので、そこから親指シフトを使い始めた。だから、親指シフトが開発されたあと、かなり早い時期からのユーザーだ。もちろん、それまではローマ字入力だったので、かなり長い間両方使っていたものだ。若いころは、適応能力が高いのか、親指シフトからローマ字に切り換えても、それほど困らなかった。つまり、併用できた。しかし、年をとるに従って、その切り替えが遅くなり、やはりひとつに絞ろうと考えたときには、迷わず親指シフトをとった。いまでは、よほどのことがない限り、ローマ字入力は使わない。ノートパソコンも、富士通の親指シフトになっているものを購入した。それまでは、私のノートパソコンでは親指シフトが使えなかったので、仕方なく、ノートの場合には、ローマ字入力していたのだが、今はその必要もなくなった。もちろん、ローマ字入力は、アルファベットを使うのだから、使うことはできるが、やはり、非常に能率が落ちる。

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学術会議は抵抗しないのか

 国会の論議が始まり、当然であるが、学術会議の任命拒否が野党によって質問された。しかし、菅首相の答弁は、予想されたもので、問題の本質を逸らしたものだった。
 学術会議に批判的であるひとたちからも、ほぼ共通して疑問としてだされているのは、拒否した理由はいうべきだということだ。安倍元首相もそうだったが、「人事のことだから、詳細はいえない」というのは、勝手な理屈だし、現代の社会的認識では妥当ではない。確かに、以前は人事は上が決めて、その理由などは、いわなかったのかも知れない。しかし、いまでは、たとえば、入学試験の合否でも、不合格になった人は、合否の元になった判定を知ることができる。教員採用試験でも同様だ。
 教員の評定についても、本人の自己評価が予め提出され、重要なことがあれば、結果の理由が示されるのが普通であると聞いている。民間企業などでは、いろいろあるだろうが、学術会議のような人選については、通常のルートで選ばれたのに、任命権者がそれを拒否した場合には、理由を示すのが当たり前のことである。しかも、学術会議は、独立機関であり、会員は、内閣総理大臣の部下ではないのだ。
 理由を言わないのは、いえないからであるというのは、明確だろう。つまり、政治的な批判者だから、拒否したから、理由がいえないわけである。

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ソ連映画「戦争と平和」を見て

 久しぶりにソ連製映画『戦争と平和』をみなおした。とにかく長い。4部まであって、全部で7時間以上かかる。国家の総力をあげて作成した映画という感じの作品で、とにかく、動員した物量、人員に圧倒される。しかし、映画としては、どう考えても駄作としか考えられない。アマゾンのレビューをみると、半分が絶賛だが、厳しい見解も多数ある。大分前に見たときには、けっこう感激したのだが、今回見直したときには、むしろ、何のために作った映画なのかが、疑問に思えてきた。1812年の戦争を、第二次大戦の祖国大防衛戦争になぞらえ、アメリカとの冷戦に負けない姿勢を誇示しようとしたのか、と思いたくなるような作り方を感じるのは、私だけではないだろう。そういう部分は辟易する感じだ。
 もちろん、国家的威信をかけて制作したほどだから、素晴らしい点が多数ある。 “ソ連映画「戦争と平和」を見て” の続きを読む

「のぼうの城」と忍城

 すっかりステイホームの生活が身についてしまったので、それではいけないと、ときどき妻とドライブに出かける。1月ほど前に、埼玉の観光案内で見て、忍城に行った。ところが、途中渋滞に巻き込まれ、着いたときには既に入館時間を過ぎていた。我が家からはかなり遠いのだ。しかし、コンクリート建てだが、なかなか素晴らしい三層の建物があってよかったので、ぜひもう一度と思っていた。それで昨日、再び忍城(埼玉県行田市)を訪れ、今回はじっくりと博物館を見学した。忍城はなんといっても、石田三成の水攻めで有名だが、江戸時代を通じて、親藩・譜代の代表的大名が居城としていたとたろで、特に戦国時代から、江戸初期には、名城のひとつだったそうだ。近くに、埼玉古墳群があり、そこも去年見に行ったので、なかなか歴史好きには魅力的なところだ。

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学校でのICT活用に欠けている論点 キーボード

 コロナは教育にも大きな影響を与えたし、また今後も影響は拡大していくだろうが、その焦点のひとつがICT活用にあることはあきらかだ。3カ月以上の授業の空白を、オンライン教育で埋めることができたところと、まったくできなかったところでは、大きな差が生じたといえる。もともと、GIGA構想なる、すべての子どもに一台という政策が公表されていたが、コロナでその動きが加速されそうだ。しかし、そこには、大きな疑問もある。実際に活用能力がないところに、機器だけもたせても、どれだけ効果があるのか。本当に教育現場での活用が十分に検討されたなかで、出てきた構想なのか、等々。人によっては、いろいろな疑問があるだろう。私が、構想の文章を読んだときに、最初に感じたのは、ああこれは、国内のコンピューター企業へのてこ入れ、助成が目的なのかということだった。

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