一昨日(3月4日)東京都交響楽団の定期演奏会にでかけた。曲目は、すべて全く知らない曲で、早めについたためじっくりと解説を読んだが、それでもあまりなじめそうにないものだった。
アンドレ・プレビン「春遠からじ」、ドビュッシー「管弦楽のための映像より『春のロンド』」、そして、メインがブリテン「春の交響曲」であった。3月の定期演奏会ということで、「春」をテーマにしたものだった。
プレビンは、もちろん有名な指揮者だから、CDもいくつかもっているが、かといって、贔屓にしている指揮者でもないので、聴く機会は稀だ。作曲家であることは知っていたが、聴こうと思ったこともなく、いままで来てしまった。正直あまり印象に残っていないが、中間部のバイオリンが奏でるロマンティックな部分は惹かれた。
ドビュッシーは、好きな作曲家でもないので、ほとんど家で聴くことはない。市民オケで「海」を演奏したことがあるが、長く練習したから、最後のほうでは、曲に共感するようになったが、アバドの指揮するルツェルン祝祭管弦楽団の演奏を、DVDで視聴したことのほうが、共感のきっかけとなった。率直にいって、骨格のはっきりしない、ふわふわとした音楽は、私は苦手だ。
メインのブリテンは、さすがに聴き応えはあった。3人の独唱(砂川涼子・山下裕賀・駒形貴之)と大人の混声合唱(新国立劇場合唱団)と児童合唱(東京少年少女合唱隊)を伴う大編成の曲だ。先月はマーラー千人交響曲だったので、2ヶ月連続で合唱付きの曲を聴いたことになる。
イギリスの冬は非常に厳しく、陰惨な感じなのだそうだ。私がオランダに留学していたときに、イギリスの大学で助手をしていた日本人が、冬のイギリスでは、自殺したくなるんですよ、と語っていたのを鮮明におぼえている。北欧で自殺が多いのは、やはり気候との関係があるそうだ。日差しを受けることが少ないと鬱病になりやすいともいう。
「春の交響曲」といっても、出だしは、まさしくこの冬の感覚を表現しているようで、寒々しい雰囲気ではじまる。次第に鳥たちが歌いだし、少しずつ春らしくなっていくのが感じられる。驚いたのが、日本のお坊さんがたたく木魚のような音がたくさん出てきたことだ。ブリテンは日本にきたことがあり、日本の音楽などに興味をもったと書かれていたが、そうした古い日本の音楽の雰囲気を感じさせる部分がけっこうあったように感じた。
合唱は、さすがに、指揮者の大野氏が音楽監督を勤めてもいる新国立劇場の合唱団なので、おそらくはじめて歌った人が多いのではないかと思うが、安心して聴けた。合唱指揮の富平氏は、私たちのオーケストラの指揮をしてもらったことがあるので、最後に舞台に出てきたときには、懐かしさを感じた。
ソリストたちも健闘していたと思う。なにしろ歌う機会が稀だろうし、たぶんはじめて歌ったと思われるが、こなれていた。
演奏後は、かなり拍手が盛大で、観客はかなり感動していたのだろうか。私は、演奏者たちには拍手を送りたい気持だった。児童合唱がはいっていたので、その家族たちが多く来ていたのではないかと思う。
やはり、まったく知らない曲の感想を書くのはとてもやっかいだ。次回は、ベートーヴェンの4番と7番なので、もっと細かい紹介ができるかと思う。