何をしたいのかわからないのは、岸田首相だけか

 岸田首相に対する批判は、いろいろとあるが、「首相として何をやりたいのかわからない」というのがある。たとえば、白井聡氏による「背後に隠れているエースの専制、岸田政権を総括する」である。
 題名は「背後に隠れている」となっているが、本文を読むと、隠しもしないで「財務官僚」の専制になっているという趣旨だ。そして、そのなかで、「何をやりたいのか」わからないことが指摘されている。
 自民党の二世・三世議員が、首相をめざすのは、明快な理由がある。「首相でいること」自体が目標であり、その前は、「議員でいることが目的」であった。彼らは、父親の地盤を引き継ぐことが目的であり、そのことによって、何を実現したいかは、問われたことがないのではないだろうか。その典型が安倍元首相だった。安倍首相の「お友達優遇」政治は、お友達こそ、自身の政治的地位保全のために役立つ存在だから優遇する。逆に、自分に刃向かう者は、党内での実力ある政治家であっても、排除する。(現職議員であるが、安倍首相に辛辣の発言をしていた溝手顕正を落とすために、河合案里を立候補させ、更に巨額な資金を河合陣営に注入して、河合克之法務大臣を巻き込む汚職事件が典型)

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