『教育』2021年3月号の第二特集は「ジェンダー平等教育をすすめるため」で、理論的な論文2つと実践記録がいくつか掲載されている。実践記録は、私としては学ぶ材料なので、特別な場合を除いてコメントすることはない。この特集については、論文的な文章について、若干の疑問を感じる。その点を、羅列的になるが、書いておきたい。
この特集で、最も不満なのは「ジェンダーの平等」とは何かという点について、コンセンサスがあるという前提があるように思われることである。そして、その前に、実は、特集名を知らされて原稿依頼がなされているはずであるが、必ずしも、ジェンダーに関する文章ばかりではない。性教育やセクシュアリティに関する文章もある。
私が学生時代や若いころには、sex gender sexuality などを区別して議論するとはいうことはなかったが、いまでは、gender を性についての社会的現象(男らしさ、女らしさ)、sexを生物学的な性、sexuality を性的指向性というように区別して議論するようになっている。ただし、私はそうした専門家ではないので、その使い方が広範囲に受けいれられているかについては、自信がない。とりあえず、上記の意味区分に従っておくことにする。