私立高校で給料未払いで教職員のストライキ

 読売新聞(2022.5.12)によると、和歌山の私立の高校で校長を除く全教職員が授業を取りやめ、ストライキに入ったという。記事の一部を引用しておく。
---
 学校法人南陵学園(静岡県)が運営する私立和歌山南陵高校(和歌山県日高川町)で、校長を除く全教職員23人が、4月分の給与が支払われていないことなどを理由に11日の授業を取りやめた。教職員によるストライキは異例。教職員側は法人側に説明会の開催を求めているが、時期は固まっておらず、対立解消の見通しは立っていない。
 関係者によると、学校法人は23人の4月分給与を所定の4月28日に支払わず、5月9日付で御坊労働基準監督署から20日までに支払うよう是正勧告を受けたという。

“私立高校で給料未払いで教職員のストライキ” の続きを読む

プーチンの演説 戦争という選択しかなかったのか2

 前回の末尾に、ロシアの復興は可能なのかと書いたが、もちろん、いわゆる復興という点では、ウクライナのほうがずっと困難だ。地域が破壊されたのはウクライナであって、ロシアではない。少なくとも、いまの状況では、ウクライナはロシアに侵攻するする意図はもっていないようだ。ウクライナ前線への補給基地は破壊しようとするだろうが。ウクライナは、勝利のあとは、いかに困難でも、欧米からの支援をえて、長い時間がかかるとしても、復興していくだろう。そして、もはや親ロ派と親欧米との争いや政治腐敗なども、おきなくなっていくに違いない。破壊されたあらゆることの復興を考えれば、争っている余裕などないからだ。
 それに対して、ロシアの復興とは、政治的復興という意味になる。私は、プーチンが失脚するなり、殺害されることなしに、この戦争は終わらない可能性が高いと考える。プーチンがあるところで、矛を収めて敗北を認めることは考えにくいのである。けんかは絶対に負けてはならないというのは、プーチンの最も固い信念だからだ。アメリカは、ロシアは長期戦のための準備をしていると、見解を発表したが、ロシア軍がウクライナ領内から完全に追い出されたとしても、長期に戦争状態を続けることができるとも思えない。さすがに、政権内でのプーチン排除の動きがおきるのではないだろうか。 

“プーチンの演説 戦争という選択しかなかったのか2” の続きを読む

プーチンの演説 戦争という選択しかなかったのか1

 プーチンの注目された演説は、大きな失望を与えたようだ。少なくとも西側には。もともと、ロシア国内向けと考えれば、当然なのかも知れないが、西側の期待を裏切ったというのは、皮肉だが。
 プーチンの演説の要点は、アメリカとNATOが、ロシアの要求を受け入れず、安全を脅かしたので、先手を打たざるをえなかったのだ、ということにつきる。ロシアは悪くない、悪いのはアメリカとNATOだというわけだ。更に、軍事作戦の目的は、ロシアを脅かしているナチスから、同胞を解放することであるというのが、積極的な目的だそうだ。
 それは、日本が太平洋戦争に突入していった論理とまったく同じである。アメリカが、日本にハル・ノートを突きつけ、さらに石油の禁輸などの経済制裁を強化したので、日本は、アメリカに戦争せざるをえなかったのだ。そして、それに対して、ABCD包囲網などを敷いてきた。そういう論理がひとつと、日本の戦争目的は、アジアを帝国主義植民地支配から解放することだったという論理があった。これは、プーチンのいう、ナチスの支配から解放するというのと重なる。

“プーチンの演説 戦争という選択しかなかったのか1” の続きを読む

鬼平犯科帳 「盗賊婚礼」不思議な物語

 「鬼平犯科帳」クイズのための作業である。「盗賊婚礼」は、話としては面白いのだが、突つきだすといろいろと妙なところがある。それを考えてみたい。
 筋は以下のようなことだ。
 
・傘山の弥太郎は、山城屋文蔵方に押し入り、780両を盗み、「けむりのごとく」消え失せた8人の盗賊の頭である。亡父の時代は50人手下がいた。
・その盗みで、引き込みをしたお粂と父親ということになっている由松を,火付盗賊改は追っているが、行方をつかめない。
・手下の勘助と喜代次が、瓢簞屋という料理屋をやっているが、弥太郎は別のところに住んでいる。瓢簞屋は、平蔵が好んでいる店である。勘助とも親しく話もしている。
・先代が親しかった盗賊鳴海の繁蔵の娘を弥太郎と結婚させる約束があると、亡夫が、死に際に弥太郎にいって、弥太郎は承知していた。
・8年後二代目繁蔵から、妹のお糸を親同士の約束に従って女房にしてほしい、そして、これを縁に、親たちのように仕事の協力をしてほしいという申し入れがある。
・その使者は、繁蔵配下の長嶋の久五郎だった。

“鬼平犯科帳 「盗賊婚礼」不思議な物語” の続きを読む

夭折の作曲家ハンス・ロットとブラームスの偏狭さ

 私が所属する市民オーケストラが、秋にハンス・ロット作曲の交響曲一番を演奏することになった。実は、そのアナウンスがあるまで、ハンス・ロットという人をまったく知らなかった。団員の多くがそうだったし、現在でも知る人ぞ知る程度の知名度しかない人だ。
 だが、演奏するからには知らないといけないので、youtubeで聴いてみたし、昨日パート譜が配布されたので、一通り弾いてみた。wikipediaその他で調べてみると、興味深い人であることがわかった。
 有名でないのは、死後100年にわたって、まったく知られないまま経過し、1989年に、初めて演奏されたことでもわかる。そして、埋もれてしまった理由も明確だ。

“夭折の作曲家ハンス・ロットとブラームスの偏狭さ” の続きを読む

懐かしい管理教育のメッカの名前が 岬議員の経歴詐称

 日本維新の会の衆議院議員、岬麻紀氏の経歴詐称が問題となっている。2019年参議院選挙で立候補したときに、実績がないにもかかわらず、亜細亜大学で非常勤講師をしていたと経歴に書いていたという問題だ。刑事告発がされている。後援する河村名古屋市長も事態を重視しているようだ。
 報道で見る限り、岬議員の弁明は、いかにもずれている。「常勤講師ではないので、非常勤講師にしたのだが、いいと思った」ということだが、亜細亜大学では、岬氏に講義を委嘱した記録はないというのだから、当然非常勤講師としての委嘱がないということだろう。彼女が常勤講師だったと解釈しているような人もいないに違いない。

“懐かしい管理教育のメッカの名前が 岬議員の経歴詐称” の続きを読む

ヒトはいつから人間になるのか 中絶議論との関連で

 昨日、「いつから人間になるのか」というテーマを別に考察すると書いたので、早速考えてみたい。
 もちろん、この問いの前に、そもそも人間とは何かという重大なテーマがあるわけだが、少なくとも、私には、ひとつの答はだすことができない。というより、なんらかの専門領域をもっている者にとっては、その領域ごとに、人間の定義が異なるように思われる。そして、領域による定義が定まれば、おのずと、いつから人間なのかを規定できる。そこで、どうしても専門外に触れることがないが、その点から整理してみよう。
 
 人間の定義は、多くが哲学分野でなされる。代表的なものとして、山岡政紀氏は、以下のような例をあげている。

“ヒトはいつから人間になるのか 中絶議論との関連で” の続きを読む

アメリカで中絶否定を最高裁が判断か

 アメリカで争われている中絶の是非に関して、連邦最高裁での判決の草稿が漏れたことで、大きな騒動になっている。アメリカでは、プロ-ライフ・プロ-チョイスという言葉があるように、中絶を認めるか認めないかは、大統領選挙の大きな争点のひとつになるほど、重大なテーマになっている。
 アメリカでは1973年に、中絶を合法とする最高裁判決がでていたが、それ以来も中絶反対派は、中絶を実施している医師を殺害するなど、かなり過激な反対運動もしてきた。しかし、先進国で、中絶が大きな社会・政治問題になる国は、ほとんどない。障害者基本条約が国連で締結されたときに、イギリスで大きな問題になったくらいではないだろうか。イギリスでは、胎児に障害がある場合には、出産直前までの中絶を認める法があったが、さすがに、障害者差別ではないかという議論が起こったわけだ。しかし、おそらくその法は廃止されていない。
 アメリカでの議論が、中絶賛成は女性の権利を基礎に考えているのに対して、反対派はほぼ宗教的根拠によるものなので、議論そのものがかみ合わないものになっていて、結局、まったく異なる価値のどちらをとるかという争いになる。そして、人間観の領域の争いなので、対話によって見解が近づいていくということが考えられない。

“アメリカで中絶否定を最高裁が判断か” の続きを読む

すっかり変質した筑付?

 筑波大学付属高校(筑付)で、SNSが禁止されたと、ネット上で書かれている。悠仁親王関連の情報が、SNSを通じて拡散しないようにということらしい。実際に、それでもあえてツイッターに書かれた文章が、削除されたという。現在ではネット上での情報だけのようなので、真偽のほどはわからないとしても、その内週刊誌が取り上げるようになるに違いない。本当だとしたら、そこまでやるかと驚かざるをえない。また、筑付生や親がだまっているとも思えない。理由は、当然、悠仁親王に対する否定的な情報が、国民に拡散しないようにと、紀子妃が圧力をかけたということになっている。親王に関しては、作文コンクールの件は、弁護のしようがないことだろう。当人だけではなく、宮内庁、両親、そしてコンクール主催者すべてが、社会的な規範、道徳を蹂躙したことを意味している。また、予想されたことではあるが、授業内容がまったく理解できなくて、頭を机に伏せた姿勢をとっていた親王に、教師が注意をすると、汚い言葉で教師にくってかかったという情報も出ている。

“すっかり変質した筑付?” の続きを読む

ヒトラーはユダヤ人?

 ロシアのラブロフ外相が、「ヒトラーにはユダヤ人の血が入っている」とインタビューで答えて、物議を醸している。当然イスラエルは猛反発をしている。ラブロフ外相の発言は、ロシアがウクライナをナチに抑圧されていると批判していることに対して、ゼレンスキーはユダヤ人だからナチのはずがないという反論があり、その反論は間違っていると言いたいわけだ。
 いつかでるのではないかという話題が、やはり出てきたかという感じだ。ヒトラーにはユダヤ人の血が混じっているというのは、何人かの研究者が主張していることである。退職して大学に書物をおいてきてしまったので、具体的には確認できないのだが、ヒトラーが、国民のユダヤ人の親族関係を調査させたところ、ヒトラーは4分の1のユダヤ人の可能性があることがわかり、ヒトラーはその事実の露顕を恐れて、調査した人間を殺害したという内容だったと思う。

“ヒトラーはユダヤ人?” の続きを読む