立憲民主党党首選 共闘が最大の争点なのか

 いよいよ候補者が揃い、党首選に突入した立憲民主党。報道されている限りでは、最大の争点は、共産党との協力関係の継続か否かなのだそうだ。しかし、それはおかしくないだろうか。まずは、党が実現したい政策が、党員の間で完全に共有されているなら別だが、既存の政治グループが寄せ集まってできている立憲民主党のなかで、そのような政策の一致があるとは思えない。確かに、立憲民主党のホームページを見ると、政策一覧が出ているが、つっこんでいけば、かなり争点がありそうなものもある。
 例えば、所得再分配を促進するような政策が書かれているが、その際、税制とどう関連させるのかは、あまり書かれていない。増税はなしに、分配の仕組みを変えるだけなのか、あるいは所得税により協力な累進課税をするのか、法人税等を引き上げるのか、あるいは逆に、消費税などのような、ある意味悪平等な税を廃止、ないし税率をさげていくのか、更に、再分配をどのような分野で、どのように行うかについても、かなりの多様性があるはずである。その方法によって、かなり賛否は分かれるに違いない。

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大谷翔平MVP かつて否定した評論家が多かったが

 大谷翔平が満票でMVPを獲得した。満票かどうかが問題で、獲得は確実と言われていたが、予想通りというか、満票だった。一つ一つの成績では、タイトルをとっているわけではない。だから、あくまでも二刀流での偉業を評価されたということだ。
 彼が大リーグに二刀流で挑戦することがはっきりした時点で、日本のプロ野球の評論家たちの多くは、無理だ、止めた方がいいと語っていた。張本もそうだったし、江本などは、かなり詳しくたいした成績を残せないと断言していた。それについては、私はそうではないという趣旨の文章を書いた記憶がある。
 江本は、二刀流では、投手として最多勝とか、防御率トップなどのタイトルは無理だろうし、また、バッターとしても、首位打者やホームラン王なども無理だろう。結局、どの部門手も中途半端になって、たいした選手になれないと断言していたのである。だから、どちらかに専念したほうがいい、と。

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流山市は子育てに理想的な街? 過ぎたるは

 昨日の日本テレビの「スッキリ」で、流山市が扱われていた。子育てに理想的な町だということらしい。流山に住んでいる身として、あまり愉快な内容ではなかったので、以前にも似たようなことがあり、書いたことがあるのだが、再度書かざるをえない。
 流山市が子育て世代の若いひとたちを、呼び寄せようと様々な施策をとっていることは間違いない。そして、この人口減少社会において、珍しいほどに人口が増加していることも事実だ。増加分は若い世代であることも。
 しかし、どんなことも「過ぎたるは及ばざるが如し」なのである。番組では、保育園の待機児童がゼロだ(これにも疑問はあるのだが)として、いくつかの保育園を紹介し、更に、駅まで子どもをつれてくると、そこから各自の保育園に送っていってくれ、更に夕方は迎えに行って、親がくるまで預かってくれる施設まで紹介していた。確かに、親の都合からすると便利だが、問題はないのだろうか。驚いたのは、その利用料が驚くほど安いことだ。ちなみに、流山は様々な市の施設の利用料金が安い。となりの松戸市などと比較すると、驚くほどだ。無料で利用できる施設なども少なくないのだ。しかし、そこにはちゃんと働いて管理している人がいるわけだから、無料や格安で利用できるということは、他のひとたちが負担していることを意味している。保育園送迎施設が、ただみたいな料金で利用できることは、保育園を利用していないひとたちが、それを支えているわけだ。もちろん、子どもたちがいることは社会にとって好ましいことだし、子育てを応援することは大切なことだろう。しかし、バランスというものがあるのではないだろうか。弊害もいくつかあるといわざるをえない。

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文書交通費 領収書不要こそが問題 デジタル化せよ

 維新の会の指摘で、たった一日なのに一月分の文書交通費が支給されることが、問題になっている。これまでも問題になっていたそうだし、吉村大阪府知事が国会議員を辞めるときにも、実は同じようなことがあったらしいことが報道されているが、国会の議論は大きく一括月額方式ではなく、日割り方式に変えるという方向になっているようだ。今回のようなことは、たまにしか起きないわけだし、一日だけという事例はかなり珍しいだろう。もちろん、日割りのほうが合理的であることは間違いないが、もっと大きな問題は、使い道が事実上自由だということにあるのではないか。一切領収書が必要なく、生活費の足しにしている議員もいるそうだ。そもそも、政治的に使われることが、かなりいいかげんに処理される仕組みであることは、政党交付金などについても、度々問題になる。
 この際、根本的に公費の使い道の改革をすべきではないか。

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エルシステマは健在のようだ

 久しぶりにエルシステマの記事を見た。https://www.afpbb.com/articles/-/3375803 一緒に演奏する人数を競う記録で、ギネスブックに挑戦したということだ。1万2000人が一緒に演奏したとして、写真もでている。エルシステマで育ったひとたちが参加するのだから、空間があれば、もっと大人数でも可能だったろう。椅子と譜面台が必要だから、1万人が演奏するというのは、何よりも場所の問題があったのだろう。飛行場などを活用すれば、5万人くらいでも一糸乱れない演奏ができるはずである。
 ベネズエラの政情と経済が不安定になっていることは、ずいぶん前から言われていたので、エルシステマがどうなっているか心配だったが、どうやら継続してやっているようだ。元気づけのための挑戦だったのかも知れない。

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国民の教育権論の再建4 教育権の基本要素1

 少しずつ、国民の教育権論の再建に関する論考を積み上げているが、今回は、最初の権利論の出発について考えてみる。
 
 教育権論は、当然教育法学の最も重要な根幹であるが、いくつもの立場があり、それを正確に自覚しなければならない。
 まずは、法学としての立場である。権利論だから、ここでは法社会学的立場は除くことにする。すると、
1 憲法解釈に基礎を置く教育権論
2 現行法令に基づく教育権論
3 憲法を超えた理念的教育権論
の3つの立場を区別することになる。多くの国民の教育権論は1の観点から議論しているように思われる。もちろん、1と2を含む解釈が求められるが、現在の日本の法の実態として、憲法と他の教育法令に大きな原理的な差があると、国民の教育権論の立場からは理解しているから、1と2が区別されることになる。

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子どもへの給付金問題 所得制限はマイナス

 公明党が選挙公約に掲げ、政府に協力に要請した18歳以下の子ども全員に10万円を給付するということが、違う形になったにせよ、連立政権の枠内では合意ができた。所得制限を設け、まずは現金5万円を支給し、それから5万円相当分のクーポンを配布する。あわせて、困窮している学生にも10万円を支給するというようだ。
 
 念のため野党の政策もみておこう。選挙前の公約では以下のようになっていた。

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小室問題が起こす危惧すべき事態

 小室氏は、母親の元婚約者に会い、解決金を支払うことで、懸案の課題を解決したと述べて、明日夫妻でアメリカに飛び立つ予定だそうだ。これで、とりあえず日本での狂騒は、収まるだろうが、今後の推移によって、様々な事件が起きてくるだろう。雑誌『選択』は、小室圭-真子結婚を「政治的事件」と称している。それは、事態が進展しないことを打開するために、真子内親王が、天皇の諮問会議のメンバーを個別に呼び出して、必ず結婚することを宣言したという事実を指している。天皇の諮問会議のメンバーを一内親王が呼び出して、個人的な見解を押しつけるなどということは、制度的にできないから、なぜそんなことが起きたのかも問題であるが、それはここでは問わない。とにかく、皇室にある、また、法令上にも定まっているルールを無視して行動したことが、「政治的」であり、かつ「事件」だということだろう。
 この事件を考察する前に、前提となることを確認しておこう。

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小室氏渡米の情報がでるのも不思議だ

 テレ朝の羽鳥モーニングショーを見ていたら、突然ニュース速報が流れて、小室夫妻が14日に渡米することになったと伝えていた。速報するようなニュースとも思えないが、最初はNHKが流したのだそうだ。NHKは皇室御用達メディアになっているようだから、不思議ではないが、では、NHKはどこからその情報を得たのか気になった。一応関係者となっているが、不思議な状況だ。宮内庁の発表なら、一般人の情報を公表するのもおかしいし、かといって、当人が公表したわけでもないだろう。関係者なる人物がいずれわかるのだろうか。ネットでは早速、様々な疑問が流れている。最も多いのは、ビザ関連だ。結婚後パスポート申請をして、それからビザ申請になるのだろうが、通常では、やっと申請が行われたくらいの時期になる。またどういう種類のビザなのか。結婚したとはいえ、留学生のビザで配偶者が入国できるのか、就労ビザを取得したのか、それも不自然だとか。もちろん、何らかの力が働いたのではないかということが、疑問視されているということだ。

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国民の教育権論の再建3 批判されてきた弱点1

 国民の教育権論は、実は当初から決定的な弱点があったが、1950年代、政府文部省が、戦後の民主主義的な改革を否定し、国家統制を強めようという施策を次々と打ち出したことに対して、教育運動として抵抗する勢力にとって、その勢いを鼓舞し、正当化する議論として、強い影響力をもった。
 しかし、いわゆる勤評闘争で、保護者や地域住民の支持を訴えに入った教師たちに、「あなたたち教師は、子どもを評価しているではないか、なぜ教師は評価されてはいけないのか」という疑問が寄せられたという。おそらく、そのように言われた教師たちは返答に詰まったのではないだろうか。

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