特別支援 ー視覚障害ー

私は特別支援の中でも特に「視覚障害者への支援」について焦点をあてて調査していきたいと考えている。視覚障害を抱えている人の数は、程度の差もあるが全国におよそ30万人いると言われている。これだけ多くの視覚障害者がいる社会で、いったいどんな教育がなされているのか。そしてそれは障害者本人たちにとって十分な支援となっているのか。

ゼミのテーマである「人間の尊厳」とは、すべての人間は価値ある存在だということである。しかし、私は様々な場面で視聴覚障害者の「人間の尊厳」が侵されていると感じている。

視聴覚障害は、他の目に見える身体的障害と比べその程度は分かりにくい。そのため、彼らへの支援は十分なものとなっていないのではないか。足が不自由であったり、手が不自由であったりする人への支援は十分とまでは言えないが、近年充実してきている。(例)建物や駅でのスロープやエレベーターの設置など。

しかし、視聴覚障害者への支援は少ないように感じる。視覚障害者の支援の例としてメロディーの流れる横断歩道があるが、その設置率は極めて低い。

同じ人間として価値ある存在であるにも関わらず、現在のような支援の少なさでは、自分は価値ある存在だということを思うことは難しいのではないか。そこに、人間の尊厳が侵されている現状を感じる。

このような観点を踏まえ、健常者と様々な障害者における支援の質に差はないのだろうかという点を中心に調査を進めていきたいと考えている(現在の私個人の意見としては、大きな差があると感じている)。

 

調査方法としては、自分自身で目隠しをして日常生活を体験、文献の活用、実際に特別支援学校などに行き、現場を直接見たり、話を聞いたりしたいと考えている。しかし、どんなに多くの文献などを当たったとしても、実際に自分の目で見て、耳で聞くことにはかなわない。そして、そこでアンケートを取り、「(視覚障害者は)どんなことに不便さを感じているか、また、どんなことをしてほしいと思っているか」の調査をし、そのアンケートの結果が視覚障害のない人たちの思う必要な支援と、どれだけの差(ギャップ)があるのかを調べたい。ここでのギャップから、今後の障害者教育への課題を追求していきたい。

*現在特別支援学校に勤めている、テニス部のOBに調査が可能か聞いている段階である。