ロシアによるウクライナ侵略から日本に逃れてきたウクライナの女性のyoutubeをたまたま見た。そのなかで、興味をひかれた部分があった。日本にきて、1年半といっていたが、全編日本語で説明され、多少不自然なところがあったが、すべてきちんと意味が通じる言い方だった。1年半でこれだけマスターできるのだから、かなり頭のいいひとなのだろう。そういう彼女からみて、日本の企業での働き方に、不満があったという。不満というよりは、批判といったほうがいいかも知れない。
それは、ウクライナ人は、今日しなければならない仕事を、一日の労働時間である8時間内に終わって、時間があまったら、翌日の仕事をする。しかし、日本人は、8時間内で終わるような仕事を、8時間に引き延ばして遂行する一方、残業はやたらと多いというのだ。
一日の仕事を超えてするのだから、当然、一週間単位では、かなりの仕事量をこなすことになるのだが、その結果については、詳しい説明がなかったが、おそらく、それだけ賃金が余分に支給されることになるということなのだろう。ウクライナ人の合理的な働き方を説明していたから、決められた量以上の仕事をしても、賃金が同じであれば、合理的な働き方とはいえないからだ。
ただし、日本人の仕事への向き合い方が、彼女のいうようなことが一般的であるかどうかはかなり疑問であるが、日本人の、とくにホワイトカラー、事務系の生産性の低さは、周知のことだから、そういう面がたしかにあるのだろう。だが、それを日本人の国民性にするわけにはいかないだろう。やはり、仕事と賃金の関係のさせかたによって、仕事をする姿勢はかなり規定されるのではないかと思うのである。おそらく、ウクライナでは、決められたノルマがあり、実際にやった仕事量とノルマを比較して、実際の賃金が決められるのではないだろうか。つまり、20%増しの仕事量をしたら、20%増しの賃金が払われるのであれば、できるだけ速くノルマを達成した上で、それ以上の仕事をするようになるだろう。逆に、実際に行った仕事量をあまり考慮せずに、ノルマ分の賃金が支払われるのならば、ノルマ分だけの仕事をして、それ以上をする気にはならないだろう。
ただ、たくさん仕事をしてもらうことより、確実にノルマの仕事をすることが大事である、というような場合に、だらだらと8時間を費やすのではなく、もっと生産性をあげて短時間にすませたほうが、企業としてもよい、という場合には、ノルマの仕事を終えたら、退社してもよい、という方法もある。アメリカでは、昼休みをとらずに、働けば、それだけ速く退社してもよいというシステムの企業はけっこうあるそうだ。だから、一回分の栄養を充分にとれるドリンクなどがあるそうだ。そういうドリンクをさっと飲んで、仕事に励むという。早く退社したあとが、自由時間として使える、たとえば副業をしてもよい、ということであれば、効率よく働くインセンティブになるだろう。
おそらく、日本の企業の働き方の改革の余地は、こうしたことも含めていろいろあるのだろう。(今日は所属の市民オーケストラの定期演奏会だった。少々疲れたので、続きは明日に)