統一教会 勅使河原氏の会見・自民党との政策確認

 昨日、統一教会の勅使河原氏の記者会見があり、これまでの様子とは違って、かなり居丈高の姿勢が目立った。統一教会信者の外部の人との対応は、とても静かなものだというのが、これまでの評判だったが、いよいよ違う姿勢を見ててきたと、けっこう印象的だった。今日(10月21日)の羽鳥モーニングショーで、興味深い話題がいくつか取り上げられた。
 勅使河原記者会見のなかで、二世信者を抜てきしたということで、10名前後の二世信者がずらりと並ぶことがあったが、こうした特定宗教団体に属しているひとたちは、表情まで似てくることを感じた。正直、このひとたちには、自分の意思があるのか疑問だという印象を拭えない。

 さらに、記者会見の途中に、最近メディアで統一教会のことを批判しており、勅使河原氏がアポもなく突然自宅に押しかけてきて、メディアにでるな、という圧力をかけられたという人の、元妻の映像を流す場面があった。そして、そのなかで、元妻は、元夫は暴力的で、彼こそが問題だと、元夫を散々非難する様子が映し出された。正直なところ、異常を感じたのは、勅使河原氏とこの元妻に対してであり、このひとたちへの共感など、絶対に不可能と思わせるものだった。この映像をながせば、国民の支持をえられると思ったのだろうか。とすれば、やはり、相当感覚がずれているひとたちだと思わざるをえなかった。
 全体として、勅使河原氏の記者会見は、統一教会に対する印象を、さらに悪化させることになったといえる。
 
 次に解散命令に関することで、元オウムの幹部の上祐史浩氏が登場した。彼はオウム後継団体である「光の輪」を主催しているが、解散命令をだされても、教団の活動には全く影響がないと断言していた。また、名前はでなかったが、オウムの最大の後継団体のアレフの元代表なる人物も、同様のことを語っていた。つまり、解散命令といっても、宗教団体として「解散」させられるわけではないので、宗教的活動に影響がないというわけだ。これは、彼らの言をまたずとも、いわれてきたことだが、ただし、免税特権がなくなるので、財務相の監視がきくようになる。不当な献金や、外国への送金などに対して、それを禁止することはできなくても、実態を掴むことが、これまでよりは、容易になるはずである。そして、献金に対しても課税ができるようになるので、不当で多額な献金には、高率の税を課してほしいものだ。もっとも、献金の実態を掴むことは、個々人の行為なので難しいとは思うが、教団の収入や支出を厳格に調べることで、ある程度の把握は可能になると考えられる。
 
 選挙に際して、統一教会が自民党の立候補者に対して、選挙応援の条件として、政策同意の確認をするようにせまったことが、話題になっている。これに対して、勅使河原氏は、記者会見で、選挙協力に対して政策協議をして、同意を求めるのは当然ではないか、と語っていたが、その点に限っては、勅使河原氏のいう通りだと思う。協力する側が、政策の調整と同意があれば、協力をするということは、ごく当たり前のことだろう。
 だから、この政策同意に署名したことは、統一教会ではなく、自民党の候補者の問題である。では、政策が一致しているのだから、問題ないではないかという、自民党当選者の言葉は妥当だろうか。それはとんでもないことだ。
 国民の多くが疑問に思っているのは、保守愛国政党である自民党が、なぜ、韓国に日本が奉仕すべきであるという教義をかかげ、日本での献金を資金源としている韓国の統一教会と緊密に協力しているのか、という点である。そして、違法に近い献金や物品の販売をして、家庭破壊の要因を作っている。自民党が、自民党の政策一致の下に、統一教会と協力しているとしても、統一教会は、それを利用して、支持を広げ、献金を集め、そして、韓国に送金しているのである。しかし、それは一致したという政策のなかには入っていない。政策にいれずに、一致できるところだけで一致して、他方、日本に被害を与える行為を許していることになる。このことに対して、無知であるとしたら、議員として無能であるが故に失格であるし、知っていて無視しているとしたら、国民への裏切り行為である。
 自民党に対しては、このことをしっかりと追求すべきである。

投稿者: wakei

2020年3月まで文教大学人間科学部の教授でした。 以降は自由な教育研究者です。専門は教育学、とくにヨーロッパの学校制度の研究を行っています。

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