久しぶりに皇室ネタだ。ほぼ論点は尽くしたと思っていたので、しばらくご無沙汰していたが、やはり記しておく必要があることがでてきた。
小室圭という一個人と内親王が結婚すること自体には、別に反対もしないが、このことのもつ意味は大きいと指摘した。それは、小室家が手にするものは、皇室の権威であり、その背景にある資産である。小室家が資産家であり、皇室の権威や資産をあてにしたわけではないという結婚であれば、おそらく、国民のだれもが、疑問にもつことはなかったろう。もちろん、家族の自死や近親者の反社会的人物などの問題はあるが、それをとりあえず無視しておけば、このあまりに一方的な社会的冨の偏在がもたらす影響である。あまりいい言葉ではないが、要するに「たかり」の構造が浸食するということなのだ。それは大分前に指摘した。小室氏の母親が刑事告発されているが、それは、まさしくたかり的姿勢が、公的資金を不正にえている可能性があるということだ。小室氏がたかるのは、倫理的に問題があるとしても、個人がそれを獲得しようとするのは、ごくありふれたことといえる。問題は、たかられるほうだ。「たかる-たかられる」は、共依存のような関係にあるものだ。
小室圭-真子結婚は、ふたりのプライベートな問題だから、あれこれいうことはおかしい、という「リベラル風」の言説もあったが、現在のニューヨークでの生活ぶりをみれば、まったくプライベートなことではなく、税金の放縦な使用が行われている由々しき問題であることがわかる。
では、何故、こうしたたかり的な人物が近づいてきて、それを受け入れてしまったのか。もちろん、様々な理由があるだろうが、もっとも確実にいえることは、秋篠宮家そのものの成立から、たかり的姿勢に浸っているということだ。紀子妃との結婚から、そうした側面が色濃く存在した。そして、現在、悠仁親王をめぐるいくつかのトラブルに、それがより明確に、かつ違法ともいえる要素をもって現出している。
お茶の水女子大付属と筑波大付属の提携校推薦制度を使って、既に合格が決まっているという週刊誌の報道に対して、宮内庁は、憶測に基づく報道はいかがなものか、と釘をさしたが、実際には、憶測ではなく、極めて正確な指摘だった。つまり、週刊誌が報道している、秋篠宮家をめぐる報道は、かなり正確なのである。それは、秋篠宮家に好感をもたない職員が、おそらく意図的に情報を流しており、その裏付けをある程度とってから報道しているために、100%確実ではないかも知れないが、ほとんどは正確な情報として流されている。
それによって、悠仁親王の筑付進学の経過を整理しておくと、
・お茶府は高校が女子校なので、悠仁親王は、外部進学をしなければならず、いくつかの候補から、筑付進学を母親の希望で選んだ。
・そのために、筑付に多額の寄付金を、様々なルートで行い、それを背景にして、提携校推薦制度を創設させ、中学から筑付に進学しようとしたが、真子内親王の結婚問題で揺れていたために諦め、高校進学でそれを使うことにした。
・ところが、あまりに悠仁親王の学力が筑付が求めているレベルから遠いので、筑付の校長は進学を断った。
・それに対して、紀子妃が、寄付金をもちだして、入学を協力に要請した。入学させなければ、寄付をやめるとまでいったとされている。
・筑付が仕方なく合格を昨年決めたが、週刊誌の報道等で国民の批判が強いので、一般学力試験も受験する形をとって、それと一緒に合格発表を行った。
・それでも、批判が収まらないので、筑波大学長が、記者会見で、提携校推薦制度は、悠仁親王のために作られた制度ではなく、延長が決まっている、親王の入学は名誉である、などと述べたために、批判はおさまるどころか、かえって強くなっている。
もちろん、皇族なのだから、どんな特権を活用してもいいのだという、品性を疑う擁護論もある。そういう人は、天皇が、国民の信頼などをえなくてもいいのだ、といいたいのだろうか。
さて、上記の取材に基づく「憶測」に加えて、悠仁親王自身が、筑付はあまりに自分の学力と差があるので、自分にあった学校に生きたいと紀子妃に訴えたことがあるが、そのときにも、寄付金のことをいいだして、烈火のごとく怒ったという憶測も書かれている。ありえることだ。
私は、基本的に学習院にいくことについては、特別な配慮、つまり、無条件で入学を認めることについて、誰も反対しないと思うから、それがいいと思うが、学習院以外の学校に入学するためには、基本的に、国民と同等の関門を潜るのがよいと思う。実際に、普通に大学の入学試験を受けた皇族もいるわけだ。しかし、だからといって、まったく一般国民と同様である必要もないとも思うのである。やはり、皇族だから、それなりに特別扱いをすること自体に、反対する人ばかりではないはずだ。
だが、それは、明示的に行うべきである。「将来の天皇になるはずの人だから、筑付という学校で学ばせたい、それが、天皇の資質を培う上で有益である、だから、一般国民の席を奪わない形で、特別枠で入学させたい、そのことを国民は理解してほしい」といえばいいのだ。それでも、反対する人はいるかも知れないが、反対が多数になるとは思わない。
しかし、わざわざ特別な推薦入学の方式を「創設」させ、しかも、それをひた隠しにして、まるでそんなことはしない、というような取り繕いをする。そんなひとたちを、皇族として敬いようがない。また、後ろめたいことをしているから、隠すのだし、また、寄付をして、それを餌にして入学を求めるようなことをするのだ。一端不合格にした措置を、寄付を利用に合格に変えさせたのだとしたら、明らかに贈収賄の関係になるのではなかろうか。皇族が訴追されることはないだろうが、筑附の校長は、形としては、金品を受け取って、決定を歪めたといえるのではないだろうか。
悠仁親王筑附入学は、思わぬ影響を筑附にもたらした。入学願書を出したのに、受験をしなかった者、また、合格したのに辞退した者が、これまでの最多に達したというのである。もちろん、筑附受験者の多くは、開成等の私立難関校と併願するだろうし、おそらく、開成にも合格したら、筑附ではなく開成を選択するだろうから、入学辞退は従来から多かったと思われるが、今年度は、明らかに悠仁親王入学によって、これまでの自由な校風が阻害され、厳しく管理されるようになることを恐れての辞退が増えていると言われているのである。筑附にとって、筑波大の学長は「名誉」といったが、逆に評価の低下という不名誉を背負い込んだともいえる。
そうしたごまかしの姿勢は、作文コンクールでも遺憾なく発揮された。これは、いろいろと書かれているし、私も一度書いたので、ここではふれない。
問題は、更に明らかにされつつある。篠原丈一郎氏が、youtubeで明らかにしていることだが、それもやがて、週刊誌メディアが裏取りして、篠原氏の指摘の正しさが明らかになるに違いない。それは、秋篠宮家と親しいある企業が、公共事業の不可解な獲得をしているということで、作文コンクールを実施した団体もそこに関連しているというのだ。もちろん、現在では、憶測に過ぎない。しかし、筑附への多額の寄付、小室圭氏の留学費用、結婚後のニューヨークでの生活費、等々、常識的な負担では済まない額が、なんらかの形で支払われていることをみれば、不正な公費の流れが、こうしたことに還流していることは、十分にありうることである。これが、たかり体質がある場合に生じる事態なのだということだ。今後も、監視していく必要があるだろう。