行き詰まった悠仁親王進学問題

 あまり根拠が示されていないのだが、youtubeでは多数、悠仁親王の進学に際して、筑波大学が断ったということが言われている。そこで、早稲田に志望を切り換えたというのだ。現時点で、確実な情報ではないので、どこに決まるかは論及しないとして、この問題は、予想よりも広い影響を与えているように思われた。教育問題でもあるので、避けて通れない気がした。
 進学を望まれた筑波大学付属高校の側から、この問題を考えてみる。もし、一般の入学試験を受けて、確かに高得点をとり、堂々と入学してもらえるならば、学校としてはかなりの名誉になるのかも知れない。しかし、誰がみても、学力不足の、特別な地位にいるひとが、そのひとのために設けられた特別入学制度「提携校進学制度」(特別裏口入学制度というべきか)を使って入学してくるとなると、名誉などとは遠い評価を受けることになるに違いない。

 もちろん、プラスがないわけではないと思う。要求すれば、かなりの予算が付けられ、この際古くなった施設をリニューアルすることが可能になるに違いない。戦前からある古い学校だから、施設が老朽化している部分も少なくないはずである。
 しかし、圧倒的にマイナスの影響が大きいと思われる。
・裏口入学を認めたということによる、社会的非難を受ける。これは既にネットなどで多数書き込まれている意見で、将来の天皇なのだから、特別入学しても問題ないし、当然だというような意見は、ほとんど見られない。日刊ゲンダイがそういう記事を書いたことが一度あるだけではないだろうか。誰がみても、この「提携校進学制度」は、悠仁親王のためにだけ設けられた制度だから、肯定的にみる余地がない。
・当人は学力水準がかなり低いとみられており、都内でも有数の進学校である筑波大付属高校の授業には、ついていけないと予想される。その結果、好ましいことが起きるはずはなく、いじめ、不登校、無気力など、相手が将来の天皇と考えられている以上、対応も極めて難しくなる。
・お茶の水女子大付属で起きたような、外部侵入者の犯罪的行為が起きないとは限らない。もし実際不測の事態がおきて、被害が出たら、学校としては相当な非難に去られることになる。
・東大に進学させるために選択されたわけだから、東大に合格させるための、様々な制度つくりに突き合わされる可能性がある。もちろん、正規に東大受験して合格させようという意識ではないだろうから、「特別制度」を作らせるに違いない。その場合、東大と筑波大学が巻き込まれることなる。
 以上のようなことを考えれば、筑波大学としては、断ることが妥当な判断といえるだろう。もし、世論が、将来の天皇なのだから、当然受け入れるべきであるという風潮であれば、かなり迷うところだろうが、現在の世論をみれば、受け入れれば非難され、断れば当然だという受け取りをされている。現に、不確かな情報だが、筑波大学が断ったという記事に対して、ほとんどは肯定的、当然だというコメントが書かれている。したがって、筑波大学としては、断りやすい状況であるといえる。実際のところは、正確にはまだわからない。今後明らかになってくるだろう。
 
 さて、他にもいろいろと考えるところがある。
 まず、中学三年生にとって、進学する場合受験は必須なのだから、(エスカレーター式の学校に在籍していない限り)、自分はどこに進学したいかを考え、また、どこなら可能かもデータで判断し、複数の受験校を決めるわけだが、特別な地位にあるとはいっても、報道の「雰囲気」から判断すると、本人のそうした活動はほとんどなく、母親がすべてを決めているだけではなく、母親が一生懸命「裏ルート」の開拓に専念しているように見えるのである。もし、全うに自我形成ができているなら、そうした親の行動には、強い反感を抱くのではないだろうか。一般の子どもであれば、近所の幼稚園、小学校に通い、皇族であれば、学習院に通う。これが、ほとんどのひとにとっての通学パターンである。しかし、悠仁親王については、幼稚園から、母親のかなり異例な働きかけによって、通学する学校が決められてきた。しかも、この家は、「自由に育てる」がモットーということになっている。自由尊重だから、長女の批判のおおい結婚を最終的に認めた。宮家としてのモットーと、悠仁親王の育て方とは、真逆なのである。こういう教育環境のなかで、人間が素直な人格として育つとは、到底思えないのだが。悠仁親王が成人し、公務にかかわるようになると、どのようなことが起きるか、今から不安に思っている人は多いのではないだろうか。
 
 これも確実ではないが、次の志望にされた早稲田としては、どうだろうか。もちろん、早稲田と交渉しているというのが、事実であるかはわからない。仮定の話だ。
 まずはびっくりしただろう。一般人が簡単に早稲田の学長に会えるとは思えないから、本当に会ったのであれば、そのこと自体が異例だと思うが、「週刊文春」を示し、悠仁親王の成績が抜群によいという記事をみせて、入学させてほしいと頼んだのだという。それに対して、「本当の成績表をみないと」と切り返されたというが、笑ってしまうような光景だ。早稲田には、特別推薦の入学方式がいくつかあるのだから、それを利用することもなく、かなりせっぱつまった段階で、学長に迫るようなやり方をとるというのは、本当に特別な精神の持ち主だと、ある意味感心してしまう。もちろん、「僕のために、こんなん努力してくれている」と子ども自身が感激しているとは、とうてい思えないのだが。
 宮内庁はどうしているのだろうか。これはまったく漏れ伝わってこない。もっとも、先の筑波に断られたとか、早稲田に交渉したという話は,一応秋篠宮家に近いひとの話ということになっているから、冷やかに見ているしかない、ということなのかも知れない。尤も、その情報も、そのまま信じるわけにはいかないが。
 確かに、宮内庁としても、手のくだしようがないが、結局は、宮内庁が尻拭いをせざるをえないのかなあ、とため息をついているかも知れない。
 
 このような異例ずくめのドタバタを見せられると、皇室は令和で終了でよいという気持ちに駆られてしまう。

投稿者: wakei

2020年3月まで文教大学人間科学部の教授でした。 以降は自由な教育研究者です。専門は教育学、とくにヨーロッパの学校制度の研究を行っています。

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