真子内親王の結婚が間近に迫っていると報道されている。それにあわせて、小室圭氏が緊急帰国するとも。正式発表がないので、すべては憶測記事であるが、いくつもの疑問点がでている。
・小室圭氏がアメリカの大手法律事務所に就職が内定したとされるが、本当か。
・一時金を辞退しているというが、本当か。
・すべての皇族結婚に際して行なわれる皇室行事をしないで、結婚するというが本当か。
・婚姻手続き、パスポート、ビザ申請のために、一時マンションで生活するというが、本当か。その際の生活費用、警備費用は誰が出すのか。手続きは本人がやるのか。
・小室圭氏、真子内親王は記者会見をするのか。
すべては、実際にどうなるのかわからないが、最近の報道で驚いたのは、アエラの記事だ。なぜ小室氏が帰国するのかは、国民への説明などではなく、真子内親王が強く希望したからで、その理由は、「新天地である米国へはおふたりそろって旅立ちたい、とお考えです」ということなのだそうだ。もっとも、匿名の人物の談話だから、真実はわからないが、本当だとすれば、どこまでわがままな苦労なしなんだろうと、感嘆してしまうほどだ。https://dot.asahi.com/dot/2021091700091.html?page=1
それはさておき、一時金についてはいろいろと書かれているが、気になることは、当人が辞退しても、実際には支払われることになり、本当に受け取られないとすれば、受け取ったあとで、どこかに寄付するしかない、それは法律で決まっているからだ、という説明が、複数書かれている。そんな馬鹿なことがあるのだろうか。公費を支給するときには、通常は申請によるものだ。申請もしないのに、公費が支給されるという例を、あるかも知れないが、私は知らない。
年金などは、実に煩雑な申請が必要である。それなのに、皇族が結婚するさいに、辞退しても支給されるなどということがあるだろうか。しかも、半端な金額ではない。もし、そうだとしたら、制度が改定されるべきだが、おそらく、そう説明する人の勝手な推測に過ぎないと思う。先例がないから、想像する他ないともいえるのだが、公金である以上、いらないという人に出す必要はまったくない。
それよりも、この点で気になるのは、辞退できないという理由のなかに、そういうことを認めると、一時金を辞退すれば、自由に皇族を離脱できるようになってしまう、それを危惧しているというのがあったことだ。逆にいえば、一時金で、皇族を縛りつけているということになる。
皇室をどのようにみているかは、人によって異なるわけだし、まして、皇族になりたいと思うかどうかも、かなりの意見や感情も多様だろう。ただ、民主主義社会になると、一般人が皇族になりたいと思う人は、確実に少なくなっている。それは各国の皇室、王室の人が結婚相手を探すのが、非常に困難になっていることでわかる。これは、日本でも同様で、特に今上天皇が皇太子のときに、相手を探すことに、難儀をしたことでもわかる。上皇が皇太子のときにも、同様な状況だったらしい。
一見華やかに見える皇室も、実は自由のない籠の鳥であることが、実感として国民に理解されるようになったからだ。皇室に生まれてしまえば、生活が保障されるかわりに、国民が享受している基本的人権が、かなりの程度制限されることになるから、幸福感を感じない皇室メンバーがいてもおかしくないし、皇室を離脱したいと考えるひとも当然いるだろう。何よりも、国民に認められている自由が保障されていないことは、自分のこととして考えれば、かなりの不運な境遇として感じることは確実だ。
それに加えて、憲法上、認められている自由すら、さまざまな見解やおそらく政府、メディアなどによって、制限があるかのように主張されている。典型的なのが、今回のオリンピックの際に、天皇が、コロナの感染拡大を危惧していると、宮内庁長官を通して公表したとき、それは政治的発言で憲法によって禁止されていることだ、との批判がずいぶんあったことだ。憲法をよく読めば、天皇が政治的発言をすることを禁じていない。だいたい、発言を禁じるなどということが、あるはずがないのだ。ただし、天皇が発言をしても、それは子どもが発言していることと同じであって、何か権限によって、その発言が執行されることなどはまったくないことが、憲法によって規定されているに過ぎない。それを、発言自体憲法が禁じているかのごとき意見が支配的である。これをみても、皇族の自由がいかに事実として制限されているかがわかる。
従って、真に国民に支持される皇室を尊属させていくためには、皇室離脱の自由を認めて、皇室を担っていく意識をもった人によって、皇室が構成されることが望ましい。その結果、皇室メンバーがいなくなったら、それは国民の意に沿わないということで、制度が消滅すればよいのである。
国民の象徴であるという自覚のない皇室など、国民主権のなかで存続する価値はない。