今日のニュースとワイドショーは、この真子内親王と小室圭氏の結婚が本決まりという話題でいっぱいだった。そんなに驚くことでもなく、ずっとそうした意思表示がなされていたので、その通りに実行するのだということだが、それなりの影響があるのではなかろうか。
まず、日本ではなく、アメリカで生活し、二人が、日本との公的なつながりはほぼなくなるということは、けっこうなことだろう。そういう形での結婚に対して、周りがあれこれいうことではない。唯一心配だったことは、小室圭のような人物が皇室と関係をもつようになるということだったが、実質的にそれは、ほぼなくなるということで、結婚するとしても、もっとも社会的に悪影響がない形なのが、ほっとする材料といえる。
真子内親王としては、とにかく結婚できること、小室圭氏としては、世界で最古の王室のメンバーと結婚するという、アメリカでは特に有利な社会的条件を実現できることで、双方のメリットがあるのだろう。しかも、日本での生活は、何かと騒がれ、あまり愉快なことではないから、当人たちにとっては、最善の選択であると想像できる。別に祝福する気持ちはないが、「こんな人物と結婚しても、真子さんは幸せになれない」とか「皇室メンバーと結婚するような人物ではないとか」そんなことをいうつもりもない。
これで、逆に女性宮家の創設論議が動き出すような気がする。しかし、それは国民的な支持を得られるかどうかは分からないが、私としては、反対である。皇室の存在意義をそれほど認めていないので、消極的な意見であるが、現在の皇室を存続させる最善の方法は、小泉内閣が推進した形での皇室典範の改定である。つまり、男女を問わない長子継承の原則にすることである。現在残っているヨーロッパの王室は、ほぼその形をとっている。男女平等の世の中なのだから、それ以外はおかしいというべきなのである。ところが、日本では、カルト的な男系男子論者が、数は少ないが、強烈な形で影響力をもっているので、これまで、当たり前のことが実現してこなかった。もし、菅首相が、国民の支持を得られる政策をとるとすれば、この皇室典範の改正は、最善であるし、また、このことによって、歴史に名を残すことになるだろう。どうやら菅首相は、安倍晋三氏と違って、男系男子論者ではないので、できるのではなかろうか。
秋篠宮が、天皇として相応しくないことは、この一連の真子内親王結婚問題の経緯で、ますます明らかになったといえる。娘の結婚相手の、これだけのスキャンダルに対して、なんらの有効な手も打てなかったこと、本来、自分で説明するべき内容を、相手の一般市民である小室氏に押しつけて、すべて小室氏の問題であるかのように、自分たちの責任をごまかしている。そんな家庭での重要なことを適切に処理できない人物が、国民の象徴として、「元首」として振る舞うことなどできるとは到底思えないのである。これは多くの人が感じていることだろうし、もしかしたら、当人もわかっているのかも知れない。天皇制は、静かに幕引きの歩みをしているのかも知れない。