尾身会長が、ついにロックダウンを可能にする法改正を求めるかのような発言をしたと報道されている。しかし、この一年半、コロナと向きあってきて、政府そして、尾身委員会が、本当に意味のある提言をして、それを実行したということに思い至らない。唯一、ワクチン接種が始まったときに、そのスピードを途中からあげたことくらいか。そのワクチンすら、当初は非常に遅れて、欧米ではかなり進んだ段階で、日本はやっと始められたという体たらくだった。
八割おじさんこと西浦教授の人流削減政策ばかり強調されて、本当に必要なことは、政策化されてこなかったわけである。それが今でも続いている。
これまで何度も書いたように、必要なこととは
・検査と陽性者の隔離
・発症者の早期の入院治療
・ワクチン
・家庭で服用できる薬
こうしたことが政治・行政で行うべきことである。国民は、マスク・三密を避ける・手洗いなどの感染予防を徹底すること。このように、両方がやるべきことをやっていれば、感染はかなり防げるし、また、発症しても、重症化を減らせる。
人と人が接しない限りは、感染はおきないので、治療方法やワクチンがまったくない段階では、当然人流を少なくする、その究極策としてのロックダウンは有効だったろう。しかし、今では治療法はかなり進んでいるし、ワクチンも接種している人が徐々に増えつつある。まだないのは、家庭で服用できる薬だ。しかし、これも、政府の怠慢だと私は思っている。(別の機会に書きたい。)ロックダウンをするということは、人の活動を抑えることだから、社会にとって好ましくないことは当然である。現在の時点でロックダウンをすべきではなく、代りにやれることがたくさんある。専門家集団の責任者である尾見氏が、こんな提言をするとは、本当に情けない専門家である。いや、専門家としての資格すらないといえよう。
菅内閣が、ロックダウンに近いことをやりたくないのは、憲法や法律に規定がないからではない。そもそも、法律にないことをやるのは、安倍首相や菅首相の得意技ではないか。やる気ならとっくに実行しているだろう。なぜ、菅首相がやりたくないのか。それは、経済的補償が必要になるからだ。まさか、外出を法的に禁止して、違反したら罰金というような制度を実行するためには、仕事を休ませるわけだから、当然給与補償をしなければならない。逆にいえば、こんなコロナ感染が爆発しているときに、給与補償してくれれば、進んで外出を控えるだろう。外出をせずにステイホームしていれば、給与に見合う補償をする。しかし、外出したら、補償を取り消す。こういうことは、国会で予算を決めれば実行できるのだ。事実上のロックダウンだ。しかも、罰金をとるよりも、違反による経済的損失は少なくなる。罰金といっても、せいぜい数万だろうが、給与補償を取り消すのだから、数十万単位が浮くことになる。法律改正しなくても、予算措置で可能なのだ。
なぜ、しないのか。菅内閣の一年を見ればわかる。国民全体に補償金をだすなどということをしたくないしし、実際にしたことがない。
ロックダウンを可能にする法律などは、現在はいらない。政治家がそれを言い出すときには、別の思惑があるのだ。リベラルという人も、ロックダウンに賛成しているひとがいるのは、私には理解できないところだ。
酸素センターを設置するなら、野戦病院だろう。また、外国で使われ、効果をあげている薬、家庭での服用な薬がある。なぜか、日本が開発した薬だ。これも緊急承認して使用できるようにすべきだ。
やれることはたくさんあるのだ。