オリンピック関連のテレビなどは見ていないので、気になる部分は、ネットで確認しているが、いくつか不思議だと思うことがある。
まず試合の開始時間だ。いくつかの競技では、あまりの暑さに対応するために、試合の時間をずらしている。テニス、サッカー女子、マラソン女子などが代表的だが、屋外競技のいくつかが変更したようだ。ところで、試合時間は、アメリカのテレビ放映権をもっているNBCの意向によって決まるといわれていた。だから、非常に不自然な時間帯が設定されているわけだ。アメリカの視聴者にとってのゴールデンタイムに、アメリカでの人気スポーツが試合を行うように、開催地の時間帯を無視して設定されるわけだ。ところが、かなり突然試合開始時間が変更になったとき、NBCとの調整はどうだったのだろうか。そういう報道がほとんど見られないので、気になるところだ。
もしかしたら、アメリカでの視聴率が非常に低いので、NBCとしても無理に時間を合わせる意味がないと諦めたのか。あるいは、特にアメリカの選手が激しく抗議していたので、仕方ないと思ったのか。
とにかく、NBCの放映の人気がなくなったということは、私はオリンピックにとって、非常によいことなのではないかと思う。アメリカの一テレビ局に、オリンピックの開始時期だけではなく、試合時間まで左右されるなどということは、実におかしなことだ。そういうおかしさを、IOCは、自分たちの利益のために、受け入れさせてきた。IOCの収入の大部分をNBCからの放映権料だから仕方ないのかも知れないが、しかし、IOCとして支出がいびつだから、そうなってしまったということもあるはずだ。前回の東京大会には、海外テレビ局がライブ中継などしていなかったのだから。
男子マラソンで、フランスの選手が、水補給地点で、たくさんの水のボトルをなぎ倒したとして、世界中で非難されている。当人は故意ではなく、事故だと弁明しているようだが、騒ぎが収まっていないという。映像を何度も繰り返し見たが、断定はできないと思ったが、しかし、かなり疑問な行為だった。https://next-infonews.com/news/26701/
まず、ボトルは2列になっていた。たぶん20本くらい前列に並んでいて、件のフランス選手の前にふたりくらいが、順番にとっていった。かなり密集した集団で、フランス選手は、少し中側にいて、無理に手を伸ばしている。だから、とりにくかったというのは、間違いない。しかし、15本くらいのボトルを次々になぎ倒して、最後に残った1本をとっている。最後のもとれなかったのならば、確かにむずかしかったのだろうといえるが、しかし、最後は確実にとっており、とりにくそうな姿勢はそのままだ。2,3本とれなかった時点で、手をひっこめているわけでもない。その間に、ばたばたと倒している。確かに、故意にやったと考えたくなるような感じだ。
しかし、やはり、これは事故だったのではないだろうかと思う。何人もが一緒にとりにいくわけだから、きれいに一列になるわけではない。どうしても、多少内側にいる選手もでてくる。フランス人はそうだった。内側にいれば、かなり無理な姿勢でボトルをとりにいくことになる。水をとれるかどうかは、かなり重大なことだから、無理したのだろう。その無理が、うまくとれずに、あのようになってしまったように、私にはみえた。それにしても、残念な現象だった。
不思議なことといえないかも知れないが、オリンピックに関係したひとたちは、こぞって、オリンピックが感染拡大に影響を与えたことはないと発言している。GOTOのときを思い出す。GOTOのときにも、コロナ感染拡大のエビデンスはないと、菅首相は、盛んに述べ立てていた。しかし、そのうちに、GOTOを停止せざるをえなくなった。都合のいいときだけ、エビデンスなどという言葉をもちだすが、GOTOが感染拡大のきっかけになったことは、統計的にみて明らかだった。オリンピックも同様だ。オリンピック開催を強行することを、国民が感じ始めたあたりから、日本人の、とくに若者の行動が大胆になった。緊急事態宣言など、どこ吹く風というように、あちこちに出かけていくようになった。夏休みになったので、通勤や通学の中心となる駅での人手は減少したが、観光地や歓楽街での人手は、明らかに増加したのである。そうしたことが、感染拡大に影響しないはずがない。それでも、東京の動きは、不可解である。日々の増減があまりに大きすぎる。つい3日前までは5千人以上の感染が続いていたのに、今日は2千人台だ。これが減少に転じたかというと、そうは思えない。他の地域は、あいかわらず多いままだ。つまり、東京都は、検査を本気でやっていないということだ。これは、多くの人が、ずっと前から確信をもって感じていることだ。
IOCバッハ会長が銀ぶらをしたというので、記事になっている。不思議なことに、一緒に写真を撮った人だたくさんいたらしい。私が、そこにいたら、「バッハ帰れ」と叫びたかったと思うが。まあ、私の性格上、そういうことはしないのだが。しかし、選手をバブルに閉じこめ、自分の試合が終わったら速やかに帰国せよ、というルールを作っていたにもかかわらず、会長は、銀ぶらを愉しむってどういうことなんだろうか。ネットでは、不快感を表明する書き込みが多いが、メディアの報道は、いかにもにこにこして機嫌がよさそうな写真を掲載している。
オリンピックが終わって、早速膨大な経費問題が出始めている。まだ、パラリンピックは始まっていないというのに。観客をいれようという目論見で、あえて流しているのだろうかと勘繰りたくもなる。3兆とも言われるオリンピック・パラリンピックの公的負担。そして、予算化されていない、臨時の増加分がかなりになっているはずである。当初は、コロナ対策費などはまったく考えられていなかったのだから。検査にかかわる費用や、公共交通機関をまったく使わせないための代替費用等は、事前の計画にはまったくなかった項目である。そのような余分の費用は、今後東京都と国のあいだで、負担の押し付合が始まる。そうした責任から逃れるために、小池知事は辞任して、総選挙にうって出るという噂すらある。
もうメダルが増えることはない。その代わり、いろいろなブラックな側面が今後出てくるだろう。