今日(4月18日)、youtubeで佐藤優氏のラジオ番組を聞いていたら、この機会に9月新学年に変えたらどうか、という話をしていた。大賛成だ。このブログでも、9月新学年にすべきという考えを表明したことがあるが、実現はなかなか難しいとは思っていた。数年前か、東大が音頭を取って、9月新学期に変更するという動きを見せたことがある。しかし、ほとんどの大学は追随せず、高校以下の学校はまったく無関心だったから、ほとんど大きな話題になることもなく挫折した。やはり、一部の学校だけで実施しても、他と開始時期がずれてしまえば、受け入れられないのだ。
しかし、今は、ほぼ全校種で休校になっており、しかも、この休校がいつまで続くかわからない。連休明けには始めたいと考えている人が多いが、危険だという意見も多い。そこで、佐藤氏は、いっそのこと、ずっと休みにして、9月新学期、つまり、4月新学期という授業はほとんどやっていないのだから、それを半年そのまま一斉にずらせば、9月新学年が実現できるというわけである。これまでの困難は一挙に回避できる。
では、何故9月新学年がいいのか。理由はいくつもある。
第一に、国際的に、圧倒的に9月に新学年が始まる国が多いことである。人の流れが国際化し、留学も盛んになっている現在、学年の区切りが国際的に揃っていることが望ましいことは、いうまでもない。日本は少数派であり、私も二度海外研修に行かせてもらったが、かなり不便な思いをした。
第二に、長い夏休みが、学期の途中に入ることは、学習の流れからみて、非効率的であるということ。秋に始まり、暑い夏の前に終わって、夏休みはじっくりやりたいことをやる、そして、心機一転して新学年を迎えるというのが、生活リズムとして好ましい。
第三に、入学試験や就職活動によって、学校の教育が邪魔されず、また、入学試験を最も悪い気候の下で行う必要がない点である。夏休みを長めに設定しておけば、入学試験や就職活動を、学年度が終わったあとに実施することが可能になる。現在のやり方は、習慣化しているから、あまり疑問に思わない人が多いかも知れないが、中学や高校が高校入試、大学入試で3学期がまともに機能しないことや、大学の4年生が就活で、学生が大学の教育に向かわないことは、教育的に大きなマイナスである。しっかり学校での教育に専念させることができることは、教育効率上非常にプラスとなる。また、特に入学試験が冬に行われることは、雪やインフルエンザの流行などと重なって、不利になる受験生が少なくない。
では、マイナスはないのか。私には、思いつかない。新学年は桜とともに始まるのがよい、などという見解には与しない。これまで実現しなかったのは、一斉に変えることが困難だったからである。しかし、新型コロナウィルスによるすべての学校の休校が続くことは、マイナスをプラスに変える絶好のチャンスである。この機会を逃したら、この先ずっと、国際標準とは異なる不便な学年度の運営をしなければならないことになるだろう。