イギリスの10代の若者たちが、グループを作って、メンタル・ヘルスを必要としている若者へのサポートを、確実に実行させるための働きかけをしたという記事の紹介です。Mental health The students who helped themselves when support was too slow comingというThe Guardian2019.2.12の記事で、作者はLouise Tickleです。
イギリス全土かどうかはわかりませんが、ここで紹介されている地域は、Cumbriaという地方で、元々医療・福祉体制が遅れていると思われます。イギリスに限らず、先進国のほとんどでは、若者たちは、試験競争にさらされ、常に誰かと比較され、いい評価をえないと上級への進学に不利になり、人生そのものがやりにくくなるというストレスをかかえながら生きることを余儀なくされます。もちろん、そのことによって、誰もが精神的な疾患をかかえるわけではありませんが、どこでもサポートを必要とする若者が増加しています。それだけではなく、この記事では、治療を申請したのに、ウェイティング・リストに載せられて、3カ月も待たされ、そのうちに、すっかり参ってしまった若者が紹介されています。彼女はそのために学校にいくことができなくなりました。いろいろなことを真剣に受けとめながら生活していれば、誰でもそうした危機に陥る危険があると、彼女は述べています。
そんななかで、何人かの若者が集まって、We Willというグループを作り、精神的な問題を抱えている若者に、サポートをするように働きかける活動を始めます。集会を開き、そこで強調されたことは、今の若者が生きている世の中は、古い世代が若者だったときとは違うのだ、ということです。まずは試験の圧力、そして、ソーシャル・メディアの中毒的な関わりからくるストレスです。
政府は、精神的な問題解決のために資金を提供するという計画を発表していますが、その時期は明示されず、本当に実行されるかどうかはわからない状況のようです。そして、資金や人材の不足もあるのでしょう、診断で治療が必要とされているにもかかわらず、治療が待たされている人たちが多数いるという現状のようです。
グループは、援助を受けて、議員に働きかけたり、企業に必要性を訴えるポスターを依頼したり、また、学校の管理者に働きかける活動をしています。そういうなかで、Cockermouth校の生徒たちが、校長を始めとする管理者に交渉し、2,3は認めてくれるだろうかという期待をこめつつ、100ものアイデアを持参して訴えたところ、全部を可能な限りやろうという返事をもらっただけではなく、こうした問題に対して、どうやったらいいのかということを、君たちから学んだとまで言われたと報告しています。
今の日本の若者は、「物言わぬ」世代になっていますが、これは、本当は、双方の責任なのではないでしょうか。教える側が「物を言わせない」世代になっているということでしょう。しかし、それは、双方にとってマイナスでしかありません。「行動する」ということが、まずは大切であることを教えている記事です。
人によっては、全く区別できない人もいれば、身近な人は区別できる人もいるらしく、重さは様々らしいです。僕は、この失顔症と言われる症状があります。