昨日起きて、めずらしくすぐテレビをつけたら、すべてのチャンネルでJアラートがでて、そのテーマになっていた。まだ解除されていない段階だった。途中で見えなくなったので、いま対策を講じているところです、というようなアナウンスがあったと思うが、毎度のことなので、こんな感じですべてのチャンネル・ジャックのような状態はどうなのか、とそのほうが気になっていた。テレ東はどうかと思って回してみたが、テレ東ですら、Jアラート番組だった。そして、やがて解除になり、通常の番組に戻ったわけだ。
そして、今日早速羽鳥モーニングショーでは、この問題ととりあげていた。玉川氏が参加していたので、かなりつっこんで話し合われて、問題点が多少浮き彫りになっていたと感じた。
現時点では、北朝鮮が、日本に向けて、実際の爆発物を積んだミサイルを発射することは、まず考えられないので、あくまで実験段階であり、たとえ、残存物が日本に落下しても、たいした被害は受けないことはわかっている。今回のように、高く打ち上げた場合には、たいがいの落下物は、途中で燃え尽きてしまうわけだ。
あらためて、Jアラートがだされる経路が確認できたが、かなりの段階があることがわかった。まずは防衛省内部で3段階あり、そこから内閣官房にいき、そこで、Jアラートを発出するかどうかの検討をするという。そして、することになったら、消防とテレビ局等に連絡するということだ。ずいぶん段階があるのだと、あらためて(今頃ということだが恥ずかしい限りだが)知った。防衛省関係は、それが任務だから当然として、内閣官房は、いつくるかわからない状況で、ずっと緊張感をもって待機しているのだろうか。人間だから、当然朝早く連絡がきても、頭がすっきりの状態で情報を精査し、Jアラートをだすかどうかの判断を、冷静に判断できるのだろうか、などということを心配してしまう。
この判断はほんとうにやっかいだと思う。番組でも強調されていたが、発出して何もなければ、なんだ、ということになり、発出せずに、近くに落下したら、何をやっているんだ、役にたたないシステムだと非難される。そして、遅れたら遅れたで批判されるだろう。だから、速く出せば間違いの確率が高くなる。解説者は、速さと正確さという二律背反的な状況だといえるが、しかし、どちらかを重視するということではなく、技術的向上で、速さも正確さも同時に追求できるように、努力しなければならないし、努力しているといっていた。近年、日本の技術力が落ちていると言われているが、頑張ってほしいものだ。
考えてみれば、北朝鮮も実験をしているのだから、その実験にあわせて、こちらの対応も実験的な意味で、その都度改良していけばいいといえる。先述したように、北朝鮮が日本にミサイルで攻撃をしかけてくるという可能性は、極めて低い。敵はあくまで韓国なのだから。ただ、ウクライナ情勢を考えてみると、可能性が高いとはいえないが、ロシアが北海道はロシア領だといって攻めてくる可能性は皆無ではない。実際に、北海道は本来ロシアの領土だなどと表明してもいる。
そういう点を考えてみれば、北朝鮮は、日本の防衛システムのチェックをするために、かっこうの実験をしてくれていると考えられなくもないのだ。こちらも実験を重ねて精密度をあげる試行錯誤のチャンスだと思えば、一回一回のまずさに、あまりとらわれる必要はないわけである。
本物を撃ち込まれないようにするのは、政治と外交の役割であって、防衛省の役割ではないのだから、政治家や官僚には、そういう方面でしっかりと仕事をしてもらう必要がある。どんなにひどい国家であっても、国家は国家である。どのように付き合っていくかを考える必要がある。単に敵対視しておけばいいというものではない。