野球が久しぶりな熱さを感じさせている。WBCは、にわか野球ファンをたくさん生んだし、日ハムの新球場エスコンフィールドも完成し、開幕から使われた。しかし、その後多少緩和されたらしいが、開幕の初日は、帰宅の交通機関が大混雑して、交通アクセスの悪さが浮き彫りにされた。当然、球場や市が対策を練って、やがて交通機関は改善されるだろうが、試合終了時間が遅かったことも、混乱の一因になっていると思われる。WBCでも、とにか、試合時間がながかった。サッカーは、原則90分で終わり、延長になっても、それほど長くはない。休憩を挟んでも2時間で、だいたいは終わる。しかし、プロ野球は3時間は、短いほうで、長いときには、更に30分、1時間延長される。もちろん、プロ野球機構としても、対策をねっているが、とにかく、試合のテンポ感が、どんどん遅くなっている。大リーグでは、ピッチクロック制を導入して、テンポを速くするように改定している。ピッチクロック制とは、投手が投げる間隔を、無走者の場合15秒、有走者のときは20秒に制限するものだ。これで、けっこう速くなるらしい。
私が子どものころは、試合は2時間かかれば、長いほうだった。日曜日には、よくダブルヘッダーといって、2試合連続して行なっていたくらいだから、そのスピード感はわかるだろう。試合が遅くなったのは、サインが複雑になり、とくに走者がいる場合の、ベンチから打者へのサインが、一球ごとにだされるようになったからだ。しかも、そのサインが長くなった。以前は、どこをさわるかで、合図していたのが、いろいろな部分をさわりながら、あるポイントでさわった部分が合図となるような方式が導入されたからだ。ピッチクロック制になれば、そんなサインも不可能になるに違いない。
打者へのサインは、無線方式を導入するのはどうだろうかと、前から思っている。ヘルメットに受信装置をつけておき、ベンチから、端的に、バントとか、待て、打て、などと言葉で指示を送る。もちろん、時間はまったくかからない。周波数を決めておけば、盗まれることもなく、もし、電波ジャックして、サインを盗んでいることがわかったら、自動的に、ペナルティを課す。ペナルティの内容については、具体的には考えていないが。現在のテクノロジーを使えば、簡単なことだと思う。いまどき、ヘルメットをかぶらずに打席にたつ打者などいないのだから。
この方式と、ピッチクロック制を併用すれば、野球の試合時間は格段に短縮されるはずだ。
もっとも、試合時間が長すぎるというのは、私の感覚で、実際に試合を見にいくファンの多くは、長くみたいから、現在のようでかまわないと思っているのだろうか。しかし、長いのは一球一球の間隔が長いだけで、長ければ、それだけだらけるだけだと思うのだが。