ゼミ生インタビュー第一回(2)

バイトについて

お バイトなどは
ア 私は焼き肉屋さんで働いています。個人経営なんですけど、ゼミのならちゃんも一緒に働いています。
お そういうところは、面白い話がありそうだけど。
ア けっこう店長がユニークなかたなんですね。シャンパンのコルクをあけるときに私にあててきたりとか。持ち込みも自由で、お客さんもユニークなんですよ。毎回床をケーキだらけにしていくお客さんとかいます。
お ケーキだらけってどういうこと?
ア 誕生日会を毎月やるんですよ。それで、顔面にケーキをなげる祝い方あるじゃないですか。
お 実際に見たことないけど。
ア うちは毎月いらっしゃるんです。毎月投げて、床を掃除しなければならない。でも、うちぐらいしか、やるとこないんですよ。

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お そういうのやる人って、やられるのが好きなの?
ア 仕方なくやられているんだと思います。やるほうが楽しいんですよ。
お 誕生日はどっちなの?
り やられるほうです。
お それって、どこの習慣なの?
ア 学生はけっこうやるんですよ。どこからきたのかはわからないですけど。
り やりますね。
ア パイ投げって呼んでます。
り パイ投げのケーキ版。
ア 学内にケーキ散乱していることありますよ。
り けっこうやられています。
お どこで?
ア 中庭のあたりとか。豆腐とかもありますね。
お 掃除はどうするの。掃除のおじさんにまかせてしまうの?
ア 新聞紙を敷いて、あとで回収します。
お 先生でも知っている人いる?
ア どうなんでしょうね。あまり好ましい事実ではないですよね。
お たとえば、アフリカに飢えた子どもがいるのにとか。
ア ははは。こんなことに使ってしまうのは。
お 野球のビールかけってあるでしょう。あれも、我々世代はもったいないという感覚なんだよね。
ア ああいう感じですよね。
お りゅう君はバイトは?
り 僕は居酒屋で。アリエさんの近くです。
ア この前もきてくれて。
お 先生なんかもよく来るの
り 青山先生が月1くらいで。
ア 私も青山先生がきてくれました。
り 青山先生のゼミ生とかが、わりと常連さんで。あとは吹奏楽部の先生が。
お 柳田先生だよね。

ゼミでの勉強

お 太田ゼミではどういう勉強をしていますか。
り 太田ゼミでは、自分の興味関心のあるテーマについての研究(特別支援、家庭教育、学級など)のメインのゼミに加え、サブゼミがあります。社会科、特別支援、埼玉セミナー、メインサブゼミが開講されています。私は、特別支援ゼミ、埼玉セミナーゼミ、メインサブゼミの3つのサブゼミに参加しています。特別支援ゼミでは、オリバー・サックスの「妻を帽子とまちがえた男」という神経学者のオリバー・サックスがみた患者の記録を読み感想を出しあっています。埼玉セミナーゼミは、主に論文練習で、他の人の文章にコメントをしたりしています。メインサブゼミでは、勝田守一の『能力と発達と学習-教育学入門』を読み、章ごとにまとめを発表し、議論したり、疑問点を出しあうということをしています。
私は、メインゼミで「自閉症の子ども」について、研究しています。対人関係の築きが困難な自閉症児がどのような人間関係の環境に身をおいているのか調べようと思っています。毎週グループごとに各自の研究の進行を発表しあい、議論したり、課題を見つけていくという作業をしています。
今は、自閉症についての基本的な特徴を文献や論文から勉強しています。また、自閉症の人が書いた自伝や、対話録などを読んでいます。
ア 私は将来特別支援の教員になることを目指しているので、そのために必要な知識はもちろんのこと教師としての質の高い教養・知識を身に着けたいと考えています。また、研究を通してインクルーシブ教育を中心とした特別支援に関する深い知識を学びたいです。

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太田先生のゼミでは、月曜に行われるメインゼミと、他にもサブゼミと呼ばれる勉強会も行っています。本ゼミは、自分の研究したい分野に別れてそれぞれ研究を進めています。私は「地域」のグループで「インクルージョン教育」について研究を進めています。今は文献を読み進めたり問題提起を整理したりしています。そのうち生徒にインタビューに学校訪問をしたりする予定です。グループで質問しあったり指摘しあったりするので大変勉強になります。サブゼミは、複数ありゼミ生がそれぞれ自分の勉強したいサブゼミに入って専門性を高めています。私の場合は、特別支援のサブゼミとゼミ生の全員が対象となるメインサブゼミの二つに入って勉強しています。どちらも文献を読み進める勉強ですが、特別支援のサブゼミは、メーリスで行っており、主にオリバー・サックスの書いた書籍をみんなで読み進めて、意見交換しています。メインサブゼミは木曜の2限に集まれる人が勉強しています。ゼミ生一人一人が分担して内容を要約したり、みんなでわからないところを話し合ったりしています。他のゼミ生のレポートを読んだりみんなで討論したりするので大変刺激になります。ゼミでは充実した時間を過ごせています。

特別支援教育について

お 卒業後は教師になるということですが、それ以外は考えたことはない?
ア 聴覚障害児の指導という授業を受けていまして、文教大学卒業生は一年群馬大学に通うと特別支援の聴覚障害の分野もとれるよと言われて、そういう道もあるのかと。
お それは、今の教員免許法だと、特別支援教員の免許では、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱等の領域を扱うためには、それぞれ指定された単位をとる必要があるんだけど、今の人間科学部でとれる特別支援の免許では、そこまでカバーしていないということですか。
ア はい、そうなんです。私たちは、社会科を基礎免許にして、特別支援の免許をとるので、聴覚障害の授業はあるんですけど、その領域の担当になるための必要な単位には不足しているんです。手話を勉強していて、ちょっと聾学校も興味があって、行きたいなと思ったですけど、そのためには更に専攻科で学ぶ必要があるんです。
お 以前、特別支援の勉強会で、オリバー・サックスの『手話の世界』という本をみんなでじっくり読んだんだけど。
ア ゼミにはいる前に先生に勧められて読んで見ようと思ったんですけど、まだ読んでいないです。
お 難しいけど、面白い本だよね。手話は音声言語より優れているという。
ア けっこう突飛ですね。
お 音声言語は二次元だけど、手話は三次元だ。だから表現力が優れているという説なんだけど。
ア 手話は盲聾のひとたちって、目が見えなかったり、耳が聞こえなかったりしても、触って会話したりもできるので、有効かも知れないですね。
お りゅう君も特別支援には興味があるみたいなんだけど、
り きっかけは、補助教ボランティアに入ったことがあって、そこにふたり発達障害の子どもがいて。
お どういう障害?
り 自閉ともうひとりは、重複していて、重い感じです。特別支援学級に入ったほうがいいような子どもだったんですけど、親が反対していて、入れなかったんです。そういう子どもをみていて、通常学級でも、発達障害の子どもが普通にいる時代だから、特別支援教育は大事だなと思った。
お ボランティアとしてみていると、あまりうまくいっていない感じですか。
り うーん、2学期から、軽度の子どもは、特別支援学級に通うようになって、すごくいい影響があったみたいで、様子みると、活発になったし、いろいろと話すようになってくれたんで、それをみて、特別支援教育ってすごいなと。うまくいっていなかたったというわけではないです。
お 将来そちらの方向にいこうというわけではない?
り 考え中ですね。そっちにも興味がでてきたので。

投稿者: wakei

2020年3月まで文教大学人間科学部の教授でした。 以降は自由な教育研究者です。専門は教育学、とくにヨーロッパの学校制度の研究を行っています。