子どもの貧困 インタビュー

先日、私は埼玉県の社会福祉課にインタビューに行った。本当は生活保護を受けている子ども達を支援する団体に直接インタビューに行きたかったのだが、その団体を設立させた埼玉県の社会福祉課にならインタビューすることを許可して頂いたので、埼玉の社会福祉課に行くことになったのだ。今回はインタビューに言って知ることができた、その団体の概要など大まかな部分の報告をしていきたい。ここでは、その団体のことをAとする。

Aとは埼玉県にある教育・就労・住宅の3つの分野から、生活保護を利用している人を支援する民間団体だ。中でも私は子どもの貧困というテーマで調べているため、今回は教育支援のことについてのインタビューを行った。

Aは生活保護受給家庭の子どもだけを対象に、高校進学を目標に主に中学生に勉強を教えている。なぜ高校進学が目標かというと、やはり、高校を卒業しないと就職ができないからだ。生活保護を受けている子どもは、受けていな子どもより高校進学率が低い。つまりこの自伝で「貧困の連鎖」が発生しているのだ。高校へ行けない、きちんと給料のもらえる仕事に就けない、生活保護を貰わざる負えない、と保護世帯で育った子どもは大人になって再び保護を受けているのだ。

AはH21に始まった。それまで保護世帯の高校進学率は86.9%であったが、H22 には97.5%と、たった1年で保護世帯でない子ども達とほぼ同じレベルまでもっていくことに成功した。「事業を始めた当初、子ども達が本当にきてくれるか不安だった。しかし実際ふたを開けてみると、みんな待っていた。勉強したがっていた。保護世帯の子どもは様々な要因により勉強苦手な子どもが多い。今まで『勉強が出来ない』と親や先生からレッテルと張られている。そもそも『勉強ができない』なのではなく『勉強が嫌い』なんだ、と思われている。しかし実はそうではないのだ。やっぱり本人は勉強したかったのだけど言いだせなかった、ただそれだけだったのだ。」

 

Aは埼玉県に24か所存在する。利用数は500人ほど。対象は主に中学生で、小学生は対象外である。対象の子どもは、生活保護受給者の子どものみなので、正確な位置は秘密だそうだ。子ども達にもそれはきつく言ってあり、子ども達は「塾に行く」といったように、Aのことは口にださないようにしている。場所は特別養護老人ホームを借りて行っている。「なぜ特別養護老人ホームなのかというと、ここではスタッフが働いている姿がみられる。ここに来る子どもたちの親は働いていない人もいる。そうすると、働いている姿がみられるため将来の働く姿を想像することができる。また、お年寄りの行事(例えばクリスマスパーティー、夏祭りなど)も一緒に参加したりして、年寄りの人とも関わることができる」

指導者は支援員という元教員の人であるが、人が足らないため、大学生のボランティアがいて、支援員よりも大学生ボランティアの方が多い。指導者が多いのは、子どもたちに学力の差があり、マンツーマン指導が必要とされているからである。

 

以上、大まかなAの情報である。今回インタビューにいって、貧困についてより関心をもつことができた。他にも聞いてきたことや本や書類も頂いたので、夏休みを利用して自分なりにしっかりまとめたい。

投稿者: wakei

2020年3月まで文教大学人間科学部の教授でした。 以降は自由な教育研究者です。専門は教育学、とくにヨーロッパの学校制度の研究を行っています。