2021年ニューイヤー・コンサート

 今年のウィーンフィル、ニューイヤー・コンサートは異例な開催だった。はじめての無観客で行われ、世界から募集した拍手要員が、一部と二部の終わりにオンラインで拍手をするという試みが取り入れられた。指揮者は、80歳の記念とウィーンフィルの指揮50年を祝って、リッカルド・ムーティだった。
 何よりも無観客の影響がどうなるのかに興味があった。オーケストラにとって、観客のいない状態での演奏は、別に珍しいことではなく、レコーディングなどは無観客だし、放送用収録などもある。そして、現在はライブ録音が普通になっているので、ゲネプロは、本番と同じように行われることが多い。だから、演奏そのものは、別に通常と変わりなかったと思う。ただ、通常は拍手があって、お辞儀をするわけだが、それがない。かといって、世界中でライブ放映されているから、ときどき起立してするのだが、礼をするでもなく、どうやっていいのか戸惑っている感がおかしかった。せっかく拍手をいれるなら、曲ごとに拍手をいれて、普通のように、起立して礼をするようにすればよかったのにと思う。ラデツキー行進曲での拍手もされなかったので、7000人も用意する必要があったのか疑問だ。
 興味があったのは、音だ。演奏する側からすると、観客はいないほうが音がよく響くので、演奏しやすいし、演奏していて気持ちがいい。観客が入ると、音が吸収されるので、響いた感じが若干薄らぐわけだ。たしかに、普段のニューイヤー・コンサートの録画と比較してみたが、今回のほうが、音がすっきりなっている感じはあった。ただ、金管が出すぎの感じがした。

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今年の抱負 (昨日アップ予定だったもの)

 勤務があるときには、やらねばならないことが決まっており、自分で決めることができるのは、研究テーマだった。今は、すべてが自由で、何をするにも、また、何もしないのも、自分で決めることができる。しかし、社会に対する影響力は、ほとんどない。自由とはそういうものかも知れない。昨年の元日は、ごく普通の記事を書いていたが、今年は、今年やりたいことを確認しておきたい。
 現在新型コロナウィルスがいまだに猛威を振るっているので、まずは感染しないように心がける必要がある。そんな抱負を書くというのは、情けないが、状況を考えれば仕方ないだろう。
 高校3年生の受験の前に、めずらしく、担任の教師が、訓戒めいたことを述べたのを思い出す。風邪をひくひとは、90%が不注意からであるというのだ。その証拠に、戦場では兵士は、ほとんど風邪をひくものはいなかったというのだ。風邪をひいたら、かなりの確率で死を意味するので、みんな注意に注意を重ねていたのだそうだ。なるほどと思ったものだ。それまで、私は春先になるとたいてい風邪をひいて、熱をだしていたが、大学生になると、あまり風邪をひかなくなった。
 また大学院のとき、助手が「体調が悪かったら、休むことが一番大事だ。休むと迷惑をかけるというのが、結果として一番まわりに迷惑になる」ということを言われ、これもなるほどと思って実践しているし、学生たちにも常にそういってきた。つまり、注意すれば感染を防げるとしたら、その注意を確実に実行し、もし、体調が低下したら直ちに休息する。それが大事だ。

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