訪問先のフリースクールに今後のご協力のお願いとご意見・実態をうかがいました。
その際に、私の研究テーマでもある「いじめ」は「アスペルガー症候群」の子が受けやすいというお話を聞き、
いじめとアスペルガー症候群の関連を調べてみました。
アスペルガー症候群とは、自閉症のタイプの1つです。
アスペルガー症候群であるかどうかの診断は
①他の人との社会的関係をもつこと
(他の人と一緒にいるときに、どのように振る舞うべきか)
②コミュニケーションをすること
(自分の思っていることを相手にどのようにして伝えるか。相手の言いたいことをどのように理解するか)
③想像力と創造性
(ふり遊び、見立て遊び、こだわり)
の3つの分野に障害をもっているかどうかでみられます。
アスペルガー症候群の人がいじめにあいやすい理由はその特徴にあると考えられます。
アスペルガー症候群の人は人の中で浮いてしまうことが多いのです。
たとえば、思ったことをそのまま相手に伝えてしまうこと。その言葉で相手が傷つくとはなかなか考えに至らないのです。悪意はありません。
また、同年齢のこどもと波長も合いにくいのです。年長のこどもにリードされたり、年少のこどものリーダーとなったりして遊ぶことを好み、自分の思い通りにならなければかんしゃくをおこしてしまいがちです。
相手に理解してもらおうとする話し方ではなく、自分の関心があることを一方的に話してしまう傾向もあります。
また、言葉のキャッチボール(コミュニケーション)をすることも苦手です。
言葉をなげたり、受け取ったりすることができないのではなく、楽しむことが苦手なのです。
そういったときに、周囲に「ふざけている」「やる気がない」「協調性がない」と思われがちなのです。
自分たちとは違いがみられるアスペルガー症候群のこどもに対して、その違いを「いじる」ことから「いじめる」ことに変わっていってしまうことが少なくないそうです。
また、少しからかっただけのつもりがアスペルガー症候群のこどもはいじめだと思い、激怒し過剰反応することで、そのつもりがなかったこどもたちも疑いをかけられたことを心外に思い、離れて行ってしまう。
無視してしまう。
このように状況が悪化してしまうこともあるそうです。
アスペルガー症候群のこどもが浮きにくい、いじめられにくい環境づくりも教師の仕事の一つになるということを感じました。
対策としては、
・予測しやすい環境をつくること。
(アスペルガー症候群のこどもは予測できないことや変化が苦手)
・安全で穏やかな環境をつくること。
穏やかな話し方をするように気を付けること。
(騒々しい環境が苦手)
・ルールや指示は明確にすること。
・できるだけポジティブに接すること。
・こどものこだわり、関心ごとは矯正するより何かに生かす方向で考えること。
・試すような行動をされても冷静に対応すること。
が考えられます。
引用・参考