日教組教育制度検討委員会報告(一次)1 教育要求実現が教育的格差を生むとは

 戦後に行われた教育改革は、大きく5つの時期に区分することができる。
 第一は、当然アメリカ占領下において行われた「戦後改革」である。
 第二は、1950年代、米ソ対立、朝鮮戦争を契機とした講和条約に発する「逆コース」という一連の戦後改革の否定と管理強化。
 第三は、高度成長とそれに乗って延びた進学率の上昇への対応が中心となった中教審46答申による改革である。
 第四は、日本の経済力がほぼ頂点となった80年代に、中曽根首相の主導による臨教審の改革。そして、それを引き継ぐ小泉改革。
 そして、第五が安倍内閣による教育基本法改定等に代表される一連の教育改革である。
 これらの多くが「改革」というには多少スケールが小さいが、教育の局面を変化させたことは間違いない。
 第二の逆コースに対しては、日教組などが力で対抗することが多かったが、第三の中教審答申に対しては、大学紛争などの青年運動に刺激されてか、日教組は、全面的な制度改革案を自ら提起するなど、積極的に対案提示を行った。

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オリンピックが開始され、日本人の対応が変わったというが

 オリンピックが開始されて一週間余が経過した。そして、案の定、オリンピックが始まれば、反対する日本人の感覚も積極的に、支持するようになるさ、というような事前の観測が「正しかった」ような論評が目立つようになっている。しかし、本当にそうか。もちろん、いざ始まれば、既に反対しても仕方ないという雰囲気が醸成されることは明らかであるし、立憲民主党すら、今更反対したら混乱を招くなどと発言しているくらいだから、そういう雰囲気があることは間違いない。しかし、みんなテレビを見ているではないか、とか、積極的に支持するようになっているなどということで、国民がオリンピック反対の感情が消えたとみるのは、早計だろう。そもそも、テレビをつければ、ほとんどオリンピックのことばかりやっているのだから、国民がテレビでオリンピックを見ているというのは、事実としても、それ以外ないからだといえる。これだけオリンピックばかりに占拠されてしまうテレビ局がおかしいともいえる。やはり、系列新聞社がオリンピックスポンサーだからだろう。そして、NHKはもともとオリンピックを、重点的に放映することになっていたのだから、テレビを通してみれば、国民がオリンピック漬けになっているようにみえる。

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