いよいよ新学期の講義が始まるので、講義用のテキスト補充の文章をここにアップしていきます。
1 長く学生に接してきて、学生たちの学び方に、顕著な変化があることを感じている。一言でいうと、学び方が段々受動的になってきているのである。アクティブラーニングという言葉が普及してきて、学生たちが積極的に講義に参加しないのは、大学の教育のあり方に問題があるという意識が、社会的に広まっている。しかし、私は、新人の時代からずっと、大教室での授業でも、積極的に発言を求め、討論が行われるような授業をしてきた。だから、基本的にはアクティブラーニング的な講義をしてきたつもりである。しかし、そうした発言などの積極性が低下してきただけではなく、もっと基本的なレベルの消極性である。
大学が冬の時代を迎え、大学にはいることが、以前に比べて格段に易しくなった。そして、学力入試の割合が減少し、推薦などの学力テストを伴わない入試部分が増大してくるなかで、従来のような受験勉強をしなくても、特に大学を選ばなければ、はいりやすくなっているわけである。それで、「勉強」という行為そのものに、あまり熱心ではなくなったのかとも考えられる。しかし、それだけではないようだ。
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