9月3日の抗日80周年記念のために参加した金正恩とプーチン、そして、習近平と並んだ注目の3首脳をみていると、活力のない様子に驚いた。三国同盟などと持ち上げる(?)記事もあったが、どうみても、来年、あるいは再来年に現在の地位を保っているかどうか、不確実な3人である。日本では、頻繁に首相の交代があり、実際に石破自民党総裁の辞任が発表されたから、当然新総裁が正式に決まれば、首相も退任するだろうが、石破首相が辞任して、別の首相になったといっても、日本では大きく政治が変わるわけではない。もし変わったとしたら、首相個人の政治的立場や理念や能力ではなく、少数与党となった勢力の変化によるものだろう。
しかし、金正恩、プーチン、習近平の3人の場合には、彼らが現職を退く場合には、単なる首脳の交代ではなく、体制の激変を伴うものになるはずである。もちろん、今後通常の交代劇が行われるまで政権維持がなされる可能性もあるだろうが、現在の状況をみると、習近平は実際に失脚にしたに等しいという憶測が流れているし、ウクライナ戦争において次第に軍事的に押され始め、経済はガタガタになっているロシアでは、プーチンの辞任とともにロシアという国家体制が倒壊する恐れが予想されている。金正恩の場合には、当然金王朝の崩壊である。日独伊三国同盟の敗北が、それぞれの国での体制変革にいたったように、この中ロ朝三国同盟も同じ、あるいはそれ以上の激変をもたらす可能性がある。
今年は異常気象が世界的にみられたが、とくに中国の水害は酷かったし、中国の経済の落ち込みはここ年々厳しくなっているように思われる。また、世界各地で武力衝突がおきているが、ウクライナ戦争はその最も激烈な状態を続けている。世界二位の軍事大国という看板はすっかり色あせてしまい、この戦争はプーチン政権の崩壊によってのみ終息すると考えられる。そして、プーチン体制の崩壊はロシアの崩壊につながる可能性が極めて高い。
権力に抵抗できないような仕組みができている北朝鮮でも、さすがに食料飢饉、貧困、そして、ウクライナ戦争での青年たちの死などが、国民の反抗を噴出させるのではないだろうか。
こうした人権抑圧の独裁国家が滅んでいくことは、歴史の必然と考えたい。