9月からの反転攻勢で、ウクライナの勝利が近づきつつあるようなムードが、日本国内で広がったが、必ずしも楽観が許されない状況にあるようだ。
さかんにロシアの兵器が枯渇していると報じられており、その証拠に、イラン製のドローンが使われているとされる。しかし、イラン製のものであろうと、北朝鮮製であろうと、ミサイルや攻撃ドローンがロシアに提供されていれば、ロシアの兵器が枯渇しているとはいえない。そもそも、ウクライナの兵器はほとんどが他国に依存している。ウクライナが頑張れるかは、NATO諸国が、ウクライナに武器支援を継続できるか否かにかかっている。イランよりはNATO諸国のほうが経済力があり、武器支援を強力に行っていることは確かだ。しかし、別の点からいえば、ロシアは武器使用の制限などなく、民間施設を躊躇なく爆撃して、多大な損害をウクライナに与えているが、ウクライナ側は、ロシア領土内(占領地ではなく)を攻撃しないようにという制限をつけられ、そのために長い射程の弾薬を供給されていない。それに、たとえ相手がロシア兵であろうと、ウクライナ領土内を攻撃するわけだから、当然さまざまな制約がある。民間人を殺害するわけにはいかないし、建物に隠れたロシア兵を建物ごと爆破することは躊躇せざるをえない。