木村隆二という24歳の青年が、岸田首相の選挙演説中に手製爆弾を投げつけるという、暗殺未遂事件を起こした。メディアは、この話題を盛んにとりあげ、大きな方向としては、警備の見直し・充実を主張している。
日本は、安全な国家であるという神話があり、それが崩れつつある、というような話は、何か事件が起きるとたびたび言われてきた。そもそも、日本は安全な国であるかというのも、多少の留保が必要である。確かに、夜女性が一人で歩いても、あまり心配ではないと感じる人が多く、それが安全神話のひとつであるが、歴史をみる限り、日本が安全であるという神話が成立する時代は、近代では短いといえる。