少し前の録画で、NHKの番組をみた。オリンピックが開催できるかどうかを、議論する番組であった。オリンピック懐疑派のひとたちも何人か出席していたので、NHKとしては公正な立場をだしていたのだろう。テレビの番組としては、かなり異例である。
番組では、組織委員会の副会長が、準備に関して、いろいろと説明をして、いろいろな疑問が出されていた。しかし、全体として不満であるのは、安全・安心対策として、選手に対する対応と観客対応しか扱っていない点である。これこそが、非常なごまかしなのである。というのは、観客の感染対策は、まず海外からの観客は、受け入れないことが決まったから、国内だけになる。そうすると、国内ではプロ野球やサッカーで行われているから安全だという話になる。しかし、これには、盲点がある。プロ野球やサッカーは日本各地で行われていて、その地元のひとたちが観客のほとんどを占めているはずである。だから、人数もせいぜい数千人の規模でしかない。しかし、オリンピックは主に東京で行われるので、ひとつひとつの会場が数千人に限定されていたとしても、東京全体としては、おそらく10万人を超える観客が集中することになり、日本国内から東京にやってくることになる。従って、プロ野球やサッカーの規模とはまったく違うのである。