卒業生インタビュー2 西井文子さん(仮名)2

就職事情

−一期生の就職なんかはどうでしたか。
西 就職のための努力は大変でした。一期生で先輩がいないので、なんのルートもない。就職以前の問題として実習先がないんですよね。先生たちはいろいろな施設に依頼してくださるんですけど、あの時期は、臨床心理ブームなので、実習先がなかなか確保できなくて。実習できないと単位出せないから、自分で実習先を探してきて、自分で行けって言われて、みんなガッツで探して、だから、就職先もガッツで自分で探してきました。なんだかんで、みんな就職しました。それで臨床心理士試験うけて、7~8割は受かっています。
−西井さんは、最初からここだったの?
西 そうです。わたしは、M2のときから、ここで実習していました。大学院卒業のときに、就職が決まっていなかったんです。そしたら、ここの先生が、週1で、カルテをひたすらパソコンで入力するスタッフをとるので、来年来るかいって言われて。週1契約だったんですけど、本当に働くことになったら、週2に増やしてくれました。あと熊谷の児童相談所に週2で働いて、それからここの別のクリニックに勤めさせていただいて、週5で働いていました。
−けっこう忙しいね。
西 試験受けるのに週5は厳しかったですね。でも、3年くらいたったとき、嘱託常勤になれました。それで毎日ここで働いています。

弁当
−他のひとたちは、
西 一期生は、みんないろいろな経路、病院系、療育系、あるいはスクールカウンセラー、自衛隊の駐屯地で働いている人もいます。あと一人は、自分は臨床心理士にはむいていないことがわかったといって、臨床心理士にならなかった人がいます。心理学の予備校で働いている人もいます。
−最近臨床心理士とっても就職がないと、高校で言われる人が多くなって、就職面の不安で進学を考えてしまう高校生が少なくないと言われているけど、それはどうですか。
西 シビアな世界だと思うんです。ある人にはすごくあるし、ない人にはない。その差が大きい。
−その差はどこから来るんでしょう。実力、人柄、運?
西 運もありますし、あとはやはり、実力というか、心理療法の技量よりは、チームで仕事ができるひとかどうか、コミュニケーション力のほうだと思うんです。臨床心理でみている限りは。コミュニケーションに難しさがあって、チームで仕事するのが難しいとか、自分自身の感情がコントロールできなくて、患者さんを怒らせてしまう人がいるんです。病院系では、オープンな募集をしないで、知り合いをとるとか、関係の深い大学院の教授に紹介を依頼したりすることが多いんです。スクールカウンセラーとか、公的機関の病院はオープンに募集をかけますけど。
−医学部特有のなにか、閉鎖性ですか。
西 いえ、児童相談所で仕事したときにも、知っているひとを紹介してくれといわれました。だから、コミュニケーション力を高めて、学んでいるところで信頼されることが大切ではないかと思います。でも、一期生をみている限りは、心理の仕事がしたいのに、全く仕事がみつからなくて、働けない人はいないです。スクールカウンセラーや、保健所の検診の仕事もあるし。後輩でも、週1空いているので、どこかいいとこかないですかと聞かれることはありますけど、全部空いちゃって仕事できないんですという人は聞いたことないです。
−生活はどうですか。
西 それは仕事の選びかたでだいぶ変わるかなと思います。医師や弁護士のような高所得が期待できるライセンスではないですけど。それでも同期もみんな心理職で生活を成り立たせているので、食べて行くことはできると思いますよ。最初の1年は選べなくて、選ばれる、雇ってもらえればどこでもという感じですけど、試験に合格して資格とれれば、特に地方は臨床心理士の資格をもっている人はまだまだ少ないので、仕事は得やすいと思います。

仕事について

−仕事はどんなことをやっていますか。
西 ここでは、大人に面接を行うことと、親子のセラピーをやっています。大学病院で、研究業務があるので、研究枠で行うセラピーをやって、データをとります。それから非常勤職員や実習生のスケジュール管理や諸手続きの事務をやっています。
−ドクターをとって、仕事の内容とか身分が変わりましたか。
西 今のところ、ここでの仕事については何も変わっていません。今の仕事は面白みを感じているし、ウサギを飼うだけのお金はいただいているので、満足はしています。でもより広い領域では選択肢が出てくるという変化はあります。
−動物看護士の夢の一部は実現しているわけですね。
西 そうですね。獣医さんっていいなと思いますね。(笑)

うさぎ
−変化というのは。
西 日本の心理臨床って、アメリカから輸入して日本で応用するんですけど、それを事業化しているところがあって、そこを手伝わないかと言われたりしていますが、トレーニングが主になって、臨床時間が減ってしまうという不安もありますね。臨床やらないと下手になってしまう。
−どこかの大学で募集もあるので、そういうのに応募しようとかはどうですか。
西 学生さんに教えることが、自分にできるとはとうてい思えない。自分でやるのにも、精一杯なのに、どうして、そのとき、患者さんにそういう対応をするのかとか、臨床現場のことだけならいいけど、大学で教えるのは基礎的なこととか、理論的内容的なことなどもありますね。それから、大学院時代の自分と先生方を思い返してみても、自分は大学の先生になれる器ではないと思っています。非常勤で、授業だけを教えている先輩たちは何人かいて、多少興味がなくても教えていたら将来にはいいよ、という風には、言われています。
−教えることは、一番勉強になるからね。勉強する意味で教えるのはいいと思うけど。
西 そうなんですね。いま臨床のトレーニングという点では、教える立場になってきていて、面白いと思っているんですけど。
−西井さんって、いつも最初はだめとかいって、でも、結局やりとげているよね。(笑)
西 そうそう、今話していて思いました。全部の受験ステップが、どうせ私は受からないって言って、でもなんとか受かってしまって。
−できちゃう感じだよね。
西 ほんとうにまわりのかたに支えられてきたからだと思います。
−もし口があったら、週1くらいでやったほうがいいと思うけど

高校生に

−最後に、将来文教大学を受けたいと思っている高校生にメッセージなどお願いします。
西 文教大学ですか。とても楽しかったので、楽しいよ、越谷キャンパスはいいところだよって。
−どういうところがいいですか。
西 まず、先生方がやさしく学生に丁寧にみてくださって、他の大学入ったことないけど、距離が近いとか、よくみていただいている。私は、高校の先生の方がまだ遠かったような気がする。高校の先生よりも、かわいがってくれた。みんながすごく親切で、びっくりしました。あたりまえのことかも知れないんですけど、たとえば、物を落とせば、みんなが集まって拾ってくれるとか、雨が降っているときに、傘を忘れちゃったときなんか、歩いていると、自分の傘をどうぞってくれるひとがいて。家が近いのでどうぞって。カルチャーショックで、なんとやさしいひとばかりなんだろうと。
−傘を貸してくれるかはわかならいけど、物を落としたときに、みんなが拾ってくれるというのは、わかるよね。いまでもそうではないかな。
西 私の先輩が臨床心理の授業を、去年教えていたんですよ。職場の先輩が。別の大学の卒業生なんですけど、「あなた文教大学の卒業生でしょ、どんなとこ」って、聞かれて、「いやいいとこよ、のんびりして、犬の散歩とかしているし」みたいなことを言ったんですけど、最初の授業に行ったあと、いたく感動して帰ってきて、「学生も、先生もみんなにこにこしていて、すごく幸せそうな雰囲気の学校だ。自分の卒業した大学はもう少し、かりかりしている。あんなにのんびりした雰囲気ではなくて、あそこは、場所的にも桜の並木をとって、川をわたって、猫がいたり、犬が散歩していたり、学生が地べたでご飯たべていたり、のんびりして、にこにこしている、みんなひとがよくて、幸せそうで、いいとこだね」と言ってました。
−では、今日はありがとうございました。

太田ゼミインタビュー(こんちゃん・岳)1

今回はこんちゃん(心理学科)と岳(人間科学科)のインタビューです。

小さいころの自分

お 小さいころはどういう子でしたか。小学生くらいまで。
岳 やさしい子だったようです。
お 男の子がやさしいというのは、どういうこと。
岳 母親がいうには、公園なんかにいって、夏場の最後になるとセミとかが、ひっくり返って死んでるじゃないですか。それに一枚一枚葉っぱをかけてあげて、「よく頑張ったね、おやすみ」みたいなことを言ってたらしいです。
お それ覚えているの?
岳 覚えていないです。
お 何歳のころ?
岳 小学3年生くらいですね。
お 小学3年生なら覚えているでしょう。
岳 あまり。

saeki

お 今から考えると、たしかに自分はそういうことをしそうな子どもだったと思いますか。
岳 たぶん、無意識ですね。
お 覚えていることでは、どんな子どもだったんですか。
岳 お祭が近くなって、やぐらを組んでいるときに、まだ骨組みくらいのときに、ここで遊ばないでくださいと書いてあっても、そこで遊ぶような子だったようです。覚えていることでは。
お 母親の像とは大分ずれがあるよね。
岳 小学校で大分変わったみたいですね。
お こんちゃんは?
こ 私は小さいころは、たぶんいい子でした。先生から見たら、たぶんいい子なんだろうなという感じの。ただ、すごく泣き虫でした。
お いじめられてというわけではなく。
こ そうではなく、なにか泣き虫でした。今自分の声低いので嫌いなんですけど、逆に小さいころは、声がすごく高かったらしくて、きゃんきゃんうるさいって、よくお兄ちゃんに怒られていました。
お 声変わりしたの?
こ はい(笑)
お 女の子は声変わりしないでしょう。
こ する人はするらしいですよ。少し低くなったりするらしいです。
お 身体が大きくなればね。共鳴体が大きくなるわけだから。
こ とにかく泣き虫でよく泣いていましたね。
お 悲しいドラマをみていると泣いてしまうとか。
こ どっちかというと、何か、強いことを言われてすぐ泣いちゃうという感じです。でも、小6くらいで、泣き虫で面倒くさいって言われて、そのときに、泣くのだめなんだと思って、泣くのをやめました。
お 泣くのは意図的にやっていたの?
こ いや、意図的ではないですね。
お 泣くと、いわれなくなったとか、そういうことがあった。
こ いや、特には。感情から泣くということだけでした。
お 言われて泣くんでしょう?
こ はい
お だから、言われて泣くと、言われるのがやむのか。
こ 余計に言われます。お兄ちゃんがそういうのを、泣いたら解決するのか、泣いて解決するわけじゃねえんだよ、とよく言われました。
岳 いいそうな感じですね。
こ うちは、上にふたりお兄ちゃんがいて、真ん中が年齢が近いので、よくけんかして、泣かされてました。
岳 学校でもそうだったの。
こ 学校でもけっこう泣き虫でした。

子どものころの遊び

お 子どものころは何をして遊んだ?
岳 子どものころは自分の近くに森があったので、木に登ったり、セミをとったり。
お 森というのは、公園みたいなの?
岳 そうですね。そこで夏祭をやったり、普段はおじいさん、おばあさんがゲートボールやっていたり。散歩のコースになったり。朝晩のラジオ体操もそこでやりましたね。そういう森があったので。
お アリエさんは、ケイドロをやりましたっていってたけど、ケイドロって知ってる?
岳 われわれはドロケイですね。
こ わたしも。
お ドロケイなんだ。
岳 派閥があるみたいですよ。(笑)ケイドロ派とドロケイ派と。
お 関東はドロケイで、関西はケイドロのような?
こ どうなんでしょう。
岳 千葉県のなかでも、派閥があるような。なんとか中学はケイドロだけど、なんとか中はドロケイと呼んでいるみたいな。
お ドロケイはやったの?
岳 やりましたね。
お 普通の鬼ごっこはしないの?
岳 そうですね。普通の鬼ごっこはつまらない。
こ わりとやっていました。
岳 あとドッチボールもボールをふたつにしてやっていました。
こ わたちたちもやっていました。
お ドッチボールはよくやったの。
岳 わりとさかんでした。
こ 休み時間の度に。
お 最近ドッチボールは?
こ 野蛮だみたいな。
岳 いってますね。
お 授業でやっちゃいけないみたいな。
岳 いま卵プロジェクトでいっている小学校では、普通にやっています。体育でドッチボール入っているし。
こ 今スポーツ心理学とっているんですけど、投げたり、チームワーク考えたりとか、発達にもよい影響するスポーツらしいです。
岳 あてるから野蛮だというのも、随分短絡的な感じだと思うんだけど。
お 言われてみれば、あてるスポーツってあまりないね。
岳 そうですね。
こ 人にあてるというのはたしかに。
岳 相手に害を与える目的があるわけだから。言われてみれば、ドッチボールくらいかも知れない。
お そういう趣旨なのかな、反対は。僕からすると、ボクシングのほうがよほど野蛮なスポーツだけど。

中高大での部活

岳 自分が入っている部活が強かったので、大変でしたね。
お それは何だったの
岳 テニスクラブです。
お 軟式?
岳 はい。軟式テニスです。総体での全国大会出場常連校で、顧問の人がずいぶん力が入っていました。とりあえず一年は、キコクラ(?)と20週するまで帰るなって。
お あつい人だったんだ
岳 あつい人でしたね。
お その反動として、今帰宅部なんですか?
岳 自分はあついの好きなんです。一生懸命練習するのが、好きだったんで、一生懸命身体動かして、うまくなるって、いいじゃんと思って、そういう側だったんですけど。一生懸命やりたかったんですけど、アクトテニスはちょっと違うなと。テニスじゃないな。活動の柱がお酒だなのと思って。
お 体育会なんかあるじゃない。
岳 そうなんですけど、大学では他にもアルバイトとか、旅行とか、やりたいことがあったんで、そんなに毎日は、でれないなと思って、じゃ、サークル、週2回くらい練習しようかと思って入ったんですけど。
お 物足りなかった。
岳 そうですね。2時間ちょっと練習して、よし飲みにいくぞって感じで、もう時間かあと思って。
お テニスは中高やったの。
岳 はい。高校は硬式になって。
こ テニスは全然できないので。
岳 テニスはまったくのど素人がある程度のレベルまでいくのが、一番速いスポーツだと思うんだけど。
こ えー。テニス本当にできない。教えてほしい。
お スポーツ一般はどうなの。
こ とにかく球技がだめです。水泳なんかも。
お 得意なのは何なの
こ 陸上系か、器械体操。中学で新体操していたので。

kondo
お 身体はやわらかいんだ。
こ 今は固いです。
お 当時は。
こ 当時もそんなにやわらかくなかったんですけど、幼稚園からやっていたので、
お 新体操って、ボール使うよね。
こ 使いますね。あのボールは大丈夫なんです。バスケとか、ボール奪い合うじゃないですか。
岳 競技スポーツとなるとということか。
こ だけど新体操は、自分で扱うだけ、自分で転がしたり、まわしたりして、自分の周りだけで使うだけなんで。
岳 相手を意識しないですむ。
こ それは大きいですね。
お 陸上系というのは。
こ 走るほうですね。
お 飛ぶとかは。
こ 高飛びは嫌いじゃなかったんですけど、幅跳びは嫌いでした。
岳 幅跳びが一番好きだった。(笑)
お 幅跳びって、走る延長でしょ。
こ そうですね。でも飛べなくて。
岳 踏み切りとか。
こ 踏み切りのタイミングがうまく掴めないですね。直前でダダダとなっちゃって。飛ぶの失敗してとか。
お 中高での部活は。
こ 中学ではさっきいったように、新体操で。
お 部活なの?
こ 部活です。
岳 新体操部って、あるのかなって。
こ 市内でも7校しかなくて、少ない部活でした。高校は、続けたかったんですけど、高校になかったので、ダンス部に入りました。
お 創作ダンス?
こ 今大学にあるダンス部や創作ダンスというのではなくて、表現のダンスをするんです。テーマ決め手、それをダンスで表現する。ヒップホップなんかもやっていました。あとは、地域のなんですけど、八木節を踊ってました。音にあわせて踊るのが、昔から好きなんです。本当にスポーツっていうと、球技が多いと思うんですけど、そういうのはあまり得意じゃないです。
岳 自分は体操が苦手ですね。
お スポーツの王者は陸上だからね。
岳 そうですね。体操、身体が固くて。身体固いとマット練習できないし、開脚前転なんて絶対起き上がれないし、だから今千葉県の教採の実技がマットなので、いま必死に柔軟体操しています。
こ 身体が柔らかいほうが怪我なんかもしないので、お風呂あがりに、柔軟するといいです。
岳 そういいますね。
こ でもやりすぎると、股のところを内出血して、真っ青になっちゃったりする人がいます。
お 僕も身体固いけどあまり怪我しないんだけど。
岳 それは激しい運動しないってことじゃないてすか。
お 自転車で激しく転んだときとかあるけど。一回転したことがある。
岳 自分も身体は固いけど、大きな怪我はしないですね。医者にかからないです。インフルエンザの予防接種くらい。
こ すごいね。
お 予防するの?
岳 予防しますね。
こ えらい。
お したことない。
岳 うち、父も母や教師なんで、感染源になってはいけないということで、みな必ずインフルエンザの予防注射うつようにということで、2本ブスってうつんですよ。
お 感染源になったとしても、ちゃんと予防注射はしていますと。
岳 建前ではないですけど。

太田ゼミインタビュー(こんちゃん・岳)2

文教大学にはいって

お 文教大学はどうして入ったんですか。
岳 文教大学は落ち武者的な感じで。千葉大学の教育学部の初等社会を志望していたんですけど、見事にセンターでやってしまいまして、それからどうしようということで、今から文教の教育学部入れるほどの対策もできないし、この大学にいる先輩から、人間科学部にはいっても、小学校免許の取得のコースがあると教えてもらって。
お 先輩というのは。
岳 母の教え子ですね。
お その先輩の言葉がなければ来なかった。
岳 来なかったですね。
お 国立落ちても、いろいろ受けるでしょう。
岳 そうですけど、センター以外考えていなかったので。センターの模試でけっこういい成績とれていたので、もういけるんじゃないか、という油断があって。
お 普通滑り止めというのを考えるでしょう。世の中では。
岳 滑り止めもセンターセンター利用で。
お うちもセンター利用あるでしょう。
岳 文教大学の人間科学部を知らなかったんですよ。教育学部でしか、先生にはなれないと思っていたんです。で、文教大学教育学部のセンター利用もできず、日大もできず、あと東洋もひっかからなかったので、さて、どうしようということになって。
お では、何ではいってきたの?
岳 A日程ですね。
お でも、センター試験だめで、A日程の申し込みまで、ほんのわずかしかないよね。
岳 はい、ですから、センター終わって、母さん、どうしようかとなったときに、たしか先輩もこんな感じだったから、話を聞いてみたらということで、センターの次の日に話しをきいて、そこは速かったですね。
お なるほど。でも、B日程ではいってくる学生で優秀なのがいるんだよね。B日程というのは、すべてだめだったという人だから、できないイメージかも知れないけど、逆の場合が多い。
こ 私は、一浪しているんですけど、現役時代は、もともと教育学部志望で、群馬大学と、秋田大学を受けたんです。だめで、滑り止めでの大学では、幼稚園の免許がとれたんですけど、親が一浪していいよ、といってくれたので。浪人のときには、宮城教育大を志望していたんですけど、滑り止めで文教と東北福祉大学を。文教は、心理と特別支援でだしました。

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お センター利用で。
こ はい、でも、文教の特別支援が落ちて、心理が受かって、心理でも特別支援教育の免許が今年からとれるということを知っていたので、心理でいいかと思っていました。宮城教育大は、特別支援が前期しかなくて、後期は地元の県立を受けたんですけど、そっちも落ちて、選択肢がここしかなかったんです。それでここにきました。
お それにしては、今は優秀だよね。
岳 そうそう。
こ 心理はとても楽しいので、それが向いているんじゃないかと思います。
お 高校の勉強と大学の勉強では、大分違うなあということですか。
こ 大分違いますね。お勉強というのは、あまり好きではないんで、センターもぼろぼろでしたし、特に英語ができないので。でも、心理や人間科学部の授業が楽しいので、大学ではそこそこの成績がとれているかなという感じです。
お 特別支援をやるきっかけというのは。
こ 私の母が、作業療法士なんですけど、職場が肢体不自由の人がくる養護園なんですね。そこにはいっている子とか、外来でくる子とかが、重複の子もけっこういて、職場によく遊びにいっていたので、そういう子がいることは知っていて、あと、小学校が、敷地内に特別支援学校が併設されている学校だったので。
お 特別支援学校が。学級でなくて。
こ 学校でした。
岳 それすごいとこだね。
こ 群大の付属だったんです。
お 群大の付属にいたの。
こ はい。
お そうなんだ。
こ なので、群大受けたかったんですけど。
お 群大の付属ってどこまであるの。
こ 中学までです。幼稚園、小学校、中学までは、付属だったんですけど、高校はないので、別のところにいきました。併設されていたので、ここで交流が総合の時間などにあって、自分でも聾学校に総合の時間にインタビューにいっていたんです。特別支援いいなあ、やりたいなと、思っていたのと、他にもうひとつ、理科が好きなので、理科でもいいかなと思ったんですけど、父と母の仕事の中間くらいなんですね、特別支援というのは。それでやりたいなと思って志望しました。
お 群大の付属は小学校から入ったの。
こ 幼稚園からです。
お それは入園テストがあるわけ?
こ あります。
お どういうの。覚えている?
こ 私は覚えていないんですけど、母からきいた内容では、受け答えができるとか、挨拶できるとか、簡単な数字書いたりとか。あとは、最後に商店街のガラガラってわかりますか、あのガラガラをひいて、それで金色の玉がでできたら合格という。
岳 え?
こ 最後は運ですね。
お 国立の付属ではよくあるんだよね。
こ たまたま幼稚園から入れたので。
お 中学まではそのままストレートでいける?
こ そうです。
お 高校は何故ないの。
こ なんでないでしょうね。わからないですけど。だいたい頭のいい子たちしかないので、上のほうの高校にはいります。群大の医学部に入るとか。
岳 すごいね
お 岳君は、小学校の先生には何故なろうと思ったの?またいつごろから。
岳 小学校に入ったときというか、自分の父親と母親の姿をみていたからかも知れないです。
お ふたりとも教師なんだ。
岳 はい。父は高校。教師をやって、家に帰ってまだ仕事をしていて、それがとても楽しそうだったので、教師って楽しい仕事なんだなあと。その反面、自分の小学校高学年になったときに、日本が不景気になって、過労死だとか、社会的な労働災害が問題になってきて、他の仕事がこんなになっているのに、母さんたちは、なんでこんなに仕事しているんだろうと思って。小学校の先生も様子をみていると楽しそうだなと。
お でも、最近の小学校は大変だよね。
岳 そうなんですかね。
こ 楽しそうだよね。うちの父親も楽しそうですね。
岳 また、自分は事務仕事があまり好きじゃなくて、もちろん、教師も事務仕事の固まりだと思うんですけど、そのなかでも、人間と接する面が多いなと。
お そういう面はね。
岳 同じ事務仕事をするにしても、自分は教育に携わりたいなと思って。小学校を選びました。

大学での生活

お 大学にはいってどうですか。
こ 大学、すごく今楽しいです。わたしは、内弁慶なので。
お まあ、内弁慶はそうだよね。そう思うよ(笑)
こ 人見知りがすごく、人と交わるのに時間がかかるんですよ。でも文教の人って、おおらかで、やさしい人も多くて、すごく居心地がいいなと思います。キャンパスも派手なところにないし、落ち着いているし、すごく好きです。

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お 勉強とかは。
子 心理学は楽しくて、学んでいると、学校現場にいかせると思うので。本当は特別支援専修にはいりたかったんですけど、そっちにいるよりも、こっちにきてよかったと思っています。
岳 期末が近づいてきて、レポートださなきゃいけない、この日までにテスト勉強しなければいけない、来週の月曜日までに、ゼミの中間論文をまとめて、発表しなければいけない。そんなのがあって、いま勉強は大変ですけど、高校のときよりは、楽しいですね。自分は数学が嫌いだったので、無理やりやらされている感だったですね。
こ 大学では、自分の責任だもんね。
岳 そうだね。それに、心理とか、特支とかの分野でも、どこを勉強しても、将来教師として役立つだろうという内容なので、これもいいな、これもいいな、という風に感じて、これは嫌だというのはあまりないですね。
こ 人間科学科って、何やってるの?存在が謎なんだけど。
岳 何やってんだろう。全部やってるんじゃないかな。広く薄く。概説系はいっぱい受けた気がする。
こ 心理は心理メインだ、臨床は臨床で。人科人科って?
岳 教育学概論も、臨床心理学概論も受けたし、うーん。何やっているかと言われるとこまるか。
こ 福祉のところは、多いよね。
岳 そうだね。福祉の授業もけっこういったけど。あとはジェンダー論。どっちかというと、小免の色が強いかも知れない。~~教育論とか、家庭教育論とか。心理を混ぜつつ、ちょっと、教育に重きをおいた学科かな。どうですか。
お 僕は臨床心理学科なので、わからないね。(笑)
岳 そういう印象ですね。
お 小免の人って、固まる傾向があるね。
岳 志が具体的になったメンバーが集まるわけですから。全く同じような人間が集まっていると思います。
お 高校から大学にきて、一番違うなと思ったことは?
岳 自分の時間が増えたことですね。高校も部活だったし、一時間目から6時間目まであって、家に帰るのが7時を過ぎていたりして。大学は、日によっては、2時間目終わったら帰るみたいな。土曜日なんか。
お そういうときは、帰っちゃうの。
岳 そうですね。帰ってバイトしてお金をためて。別のことに使うとか。あとは、勉強するとか。

太田ゼミインタビュー(こんちゃん・岳)3

学生だからできること

お 学生時代にしかできないので、こういうことをやっておこうという話がよくあるけど、それはどうですか。旅行にいくとか
岳 旅行はいってます。14カ国いきました。
こ 海外がメインなの?
岳 海外がメインです。
お 一人で?
岳 はい。
お 大変だよね。
岳 大変です。だからガイドさんとかも予め頼みます。インドなどは大使館に連絡とって。ガイドサービスなどはありますかね、って聞いて。

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お ガイドさんを頼むわけね。
岳 頼んで、空港まできてもらいます。ペルーに行ったときには、ガイドさんが現地語と英語しか話せなくて、自分は日本語とちょっとの英語しか話せないので、かなりぎくしゃくしたものになりました。何か飲み物が飲みたいというと、カレーが出てきたりとか。(笑)
お 日本人だから、ほしいのはカレーに違いないとか。
岳 トイレにいきたいというと、ずいぶん見晴らしのいいところにきてしまったり。
お レストルームとか言ったからじゃないの。
岳 そうですね。
お この人休みたいんだと。
岳 はい。
お ずっと一人旅で?
岳 友達が、俺もつれてってと、一回言われたので、一緒にオーストラリアにいったことがあります。そのくらいですかね。
お なんで一人で。
岳 ひとりだと自由時間がおおいし、ツアーだと、自分がここもう少しみたいと思ったときに、あと20分でいきますよっていうようなことか、嫌だったんで。
お ツアーのが安いでしょう。
岳 安いときもありましたが、基本は、そうでもないですね。自分でとった場合のほうが、安いことが多かったですね。
お 安いところに泊まったりするのかな。
岳 そうですね。
お ツアーはけっこういいところに泊まるからね。
岳 そうですね。インドでは、列車のなかにとまりましたね。
お 危ない目にあったとかは。
岳 危ない目は何度もあります。砂漠でテントに寝泊まりしているときに、砂嵐になったとか、インドの列車に乗っているときに、ガイドさんに飲み物買ってきてもらったときに、ガイドさんが戻ってくる前に列車が発車してしまったりとか。
お ガイドと分かれちゃったわけだよね。そのあとどうしたの。
岳 電車の次の駅でおりて、携帯にかけました。
お ガイドをつけず、自分でまわったとかは?
岳 3回あります。メキシコとロシアとカンボジアです。
お かなり際どいところだよね。なかなか難しいところだ。
岳 ロシアは自分で、単語帳片手にいきました。今わたしはどこにいます、というような例文です。一泊二日でした。
お 一泊二日でロシア?
岳 一泊三日ですか。
お 飛行機のなかで一泊だね。ロシアはどういうところにいったの。
岳 イルクーツクにいきました。バイカル湖の近く。バイカル湖が凍ると、凍っているところとそうでないところの間がきれいだ、というのを見たので、いってみようかと。きれいでした。
お 14カ国、あげてみて。
岳 ペルー、ボリビア、メキシコ、アメリカ、ロシア、カンボジア、オーストラリア、インド、ノルウェー、ザンビア、ジンバブエ、ナビビア、南アフリカ、今度カナダいって、14ですね。
お けっこう危険なところ行ってるよね。
岳 そうですね。フランスとか、イタリアは、行ってみたいんですけど、そこらは、年取って、定年のあとでもいけるかなと思うんですけど、さすがに、アフリカのジンバブエとか、3週間は年取ってからは無理かなと思った。
お そうだよね。
岳 今のうちに行けるなら行っておこうと。
お いままで一番危ない目にあったのは?
岳 アフリカですかね。襲われたというよりは、サイがかなり近くにきた。オープンカーで簡単な覆いがあるんですが、トイレ休憩にしましょうということになって、サファリのなかで、とまったんですけど、自分が荷物をとりにいこうと、後に行ったら、ふと前みると、距離1メートルくらいのところに、サイがいたんです。サイが茂みのようなところから、すっと現れたんで。(笑)
お 空腹じゃなかったんでしょう。空腹じゃないと襲わないから。
岳 大丈夫でしたけど、あのあと、ガイドさんは、誰か死ぬかも知れないと思ったというようなことを言っていた。でも、呼吸の鼻の動きまで見えましたね。バフーバフーという感じではなくて、スースーっていう。
こ 冷静に観察していたね。
岳 一瞬で冷静になった。「ああ、サイか」みたいな。(笑)
お 写真はないの?
岳 さすがにそのときの写真はないですね。
お 安全になってからは。
岳 いろいろ撮りました。
お こんちゃんはどうですか。
こ 旅行はあまりしないですね。
お 国内でもいいんだけど。
こ 遠出はしないです。せいぜい2泊3日くらい。近場くらい。旅行は好きなんですけど、誰かが一緒じゃないと動けないので、家にいて、本を読んだり、ゲームをしたりとかのほうがおおいです。
お 学生じゃないとできないというのではなくて。いつでも人生できるさって感じですか。
こ バイトはいろいろしたいと思っていますけど、今のところに落ち着いているし、部活が忙しいので。
お 部活ってなんだっけ?
こ 「なずな」です。りゅう君と一緒です。わりと忙しいので、休みでも、イベントがはいって、出かけるのが厳しくなります。今役職についているのもありますし、部活はとても楽しいので。(笑い)
岳 (何枚かのお札を見せて)お金です。いろいろあります。お金をメモかわりに使うインドとか。あとジンバブエドルって知ってます?
お 知らない。
岳 数年前に財政破綻して、スーパーインフレを起こしたんです。これは一体日本円でいくらだと思います。(ジンバブエドル札をだして)
お 0がいくつついているの。10こついているから、50億ドルだよね。いくらかっていうことね。どうせ、こういうこときいているんだから、1000円くらいかな。
岳 これは、12円です。
お 12円?へえー。
岳 だから、コーヒー一杯分もないそうです。
お でもこれ自体は、高く売れるよね。
岳 そうですね。だから、自分がいったときには、既に財政破綻していたので、これをおみやげ屋さんで売ってました。
お もう少したったら、歴史的な貴重な資料になるよね。
岳 第一次大戦後のドイツみたいに。
お そうそう。
岳 これもそうですね。これは10ドルでした。12円なのに、10ドルでした。
お お札としてではなく、記念品として10ドルね。
岳 ジンバブエにはいったときの入国ビザです。
お こんちゃんは、パスポートはもっているの?
こ もってないですね。だから、国外には旅行にいけないです。
お 申請すればいいじゃない。別にいかなくてももっていて損はないし。
こ 必要性がないので。身分証明も運転免許証でなんとかなるので。
お 免許はもっているんだ。
こ はい。もってます。
お それで長距離ドライブとか。
こ いや、そもそも免許とってから、一回も車乗ってない。(笑)9月にとったんです。だけど、こちらに住んでいるので。車はもてないし。

saeki3-2
お 実家にいればね。
こ 実家だと乗るんですけど、こちらだと必要性がないですね。
岳 実家だけど、迎えにきてとか、パシリとしてつかわれています。
こ うらやましい。でも、3年は忙しくてとれないと思ったので。
岳 この春休みとった。合宿で。
こ わたしより乗れると思う。
岳 話しきいていると、そうだなと。週3回くらいは乗っています。
こ いいな
岳 母親が運動会で忙しいと、ごめん、迎えにきて、なんて。はいいきます。みたいな。
こ 群馬は、ほんとうに車社会なんで、実家に車3台あります。車ないと生活できないから、群馬帰るなら、免許とろうと思って、とったんですけど、結局、こっちに。
お こっちだと、意外と近場で必要だよね。遠くにいくときには、公共交通機関を利用する感じで。
東京だと、どこいくにもバスとか電車だけど。
こ 群馬だとバスも電車も便利じゃないので、遠くも車です。こっちは駐車場ない店があるでしょ。群馬ではありえないので。

太田ゼミインタビュー(こんちゃん・岳)4

仕事以外にやりたいこと

お 将来は先生になる希望だよね。それ以外に、何かそれだけじゃなくて、こういうこともやりたいということはありますか。
岳 ツアーガイドなんかはやってみたいですね。英語も好きだったので。
お あるいは、国連にはいっている国はすべて制覇するとか。
岳 いつかいってみたいのが、南極ですね。まだ行ってない大陸は南極だけなので。オーロラもみてないんだな。
こ オーロラ見たいな。
岳 オーロラはノルウェーでうっすら緑色の幕がかかっているかも知れないレベルでは、みたことがあるんですけど。
お オーロラは、今年卒業した学生が、オーロラ見るためだけのツアーにいって、4日間の猶予があったけど、2日間すばらしいオーロラを見ることができたって、すごくラッキナーだったらしいんだけど。
こ いいですね。下手すると見れないですもんね。
岳 見れないほうがおおいようね。
お こんちゃんは。
こ わたしは、幼稚園の先生か。やはり、先生ですね。

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お 先生やりながら、それ以外にやりたいことなんだけど。
こ あわせてですか。手芸とかミズクラフトがとても好きなので、そういうのやりたいなと思っています。ときどき作っているんですけど。
岳 デザイナーですか。
こ デザイナーというより、趣味程度でいいんですけど。絵を描くのも好きだし。
お こんちゃんっていうと、どこかに落ち着いて、なんか一人でこつこつというイメージ。
こ 外にいくのも好きなんですけど、それより、結局、自分のために動くのが面倒くさいんですね。誰かと一緒にお出かけというと行きたいですけど、自分一人でいくには、そんなにお金もかけたくないし、着替えたり、とかも面倒くさいし、それなら、家のなかでやりたいことをやれたらいいなというところがあるので。
お 群馬の女性というと、かかあ天下というのがあるけど、それとはちょっと違うよね。
こ そうですね。
お こんちゃんタイプのほうが、むしろ、かかあ天下の典型なの?
こ いや、わたしは違うと思います。
岳 亭主関白。
こ 母は福島の人なので、群馬とは違うかも。
お 群馬に住んでいて、ああ、あの人やはり群馬の女性だと思うような人はいる?
こ いますね。男より強くて、行動力もあって、主導権握っていて、ぐいぐいいくような人もいます。女性が強い。しっかりしているんです

大学への要望

お 大学に要望なんかありますか。こういうことがあるといいけどというような
こ 履修の制限が一番つらいです。
岳 そこかも知れないです。
こ 心理学科って、人科人科のひとよりも、単位をたくさんとらなければいけないんですよ。その分、自分の学科の授業がとれなくなるんですね。制限があると、1、2年で全然とれないので、3、4年が忙しすぎて、手がまわらない感じです。
岳 そうですね。
お 4年はそんなに忙しくないでしょう。
こ どうなんでしょうね。
お 特別支援は実習が2回あるからね。
こ 単位もまだけっこう、自分の学科のも3、4個残って、教職も3、4個残ってというような感じになっています。
お そのくらいいいんじゃないの。
こ たしかに週1しか学校にこない先輩もいるので、どうなのかな、とは思うんですよ。学費も払っているし。4年のほうが理解力あるので、そのとき勉強したほうがいいかと思うんですけど、今の3年の忙しさは、尋常じゃないです。
岳 忙しいね。
お そうなんだ。それは、再検討する余地はあると思うけど、君らの世代では無理なので、しっかりバランスとって勉強してください。では今日はありがとう。