ユーロになってお釣り習慣が変わった  2002.10.19

 オランダに来る前に興味をもっていたことはたくさんあるが、そのひとつに、「おつり」をどうしているのか、という点があった。というのは、ユーロ導入前のオランダでは、数値としての1セントはあったが、実際にコインはなかった。つまり、値段として98セントというのはあるけれども、1セントコインがないのだから、それを実際に払うことはできないわけだ。実にオランダ的だと最初に知ったときに思ったのだが、オランダでは、実際には1セントや2セントの物は存在せず、3〜7セントまでは5セントと換算し、8〜12セントまでは10セントに換算する。そのようにして、すべて5の倍数の値段にしてしまう。最小のコインは5セントなので、それで機能するわけだ。
 したがって、例えば98セントのものを1個で買うと、1ギルダーになるが、10個買うと9ギルダー80セントとなり、1個当たり98セントになって、安い買い物になる。
 つまり、オランダではこれに限らず、買い方によって値段が異なることがたくさんある。おいおい紹介するが、最も日常的に、こうした買いものでも、買い方によって値段が違って来るのだ。かなり勘定高いことになる。
 これは非常に変なのだが、慣れるととても合理的なのだ。
 今度オランダにやってきて、こうした習慣はなくなっていることが、すぐにわかった。ちゃんと1セントは1セントとして計算している。そして1セントと2セントのコインがある。コインは1、2、5、10、20、50セント、そして1ユーロ、2ユーロと8種類ある。日本では、1、5、10、50、100、500で5種類だから、3種類多い。しかも、500円は2ユーロより大きいから、小さな幅でたくさんのコインが、ヨーロッパでは存在していることになる。ギルダー時代は、よく覚えていないが、日本なみだったと思う。つまり、今回やってきて、とにかくコインの種類が多いのだ。そして、店員もよく間違える。間違えても、気がつくのは、こっちが遅ければ後の祭状態となる。
 あの奇妙な習慣が消えてしまったのは残念だ。