re: 秋学期が始まりました 2002.10.19

こんにちは。やっとインターネットが開通したので、遅ればせの返事です。

 オランダの生活は、「暮らしやすい」というのが一番の感想ですね。
 オランダに来て最初にやることが、日本大使館に行って、「来ましたよ」という報告をすることなのですが、(だからといって、大使館が何かやってくれるわけでもないけど)、その時に一緒に報告に来ていた日本人が、会社を辞めてビジネス修士(MBA)をとるために、オランダの大学院に入学するんだという人がいて、その人と少し話をして、オランダというのは、どうして生活しやすいのか、それをきっかけにいろいろと考えてみました。
 便利さという点では、日本の方がずっと便利な社会です。しかし、あまり「日本は生活しやすい国だ」と感じる人は多くないですね。その違いはなんなんだろう、と。
 便利だけど、生活しにくい国と、便利さでは劣るけれども、生活しやすい国というのは、何が違うのか。

 最終的には、オランダというのは、「オランダ人が作った」という言葉で象徴されるように、陸地を埋め立てて、人間が住むために、人工的に作った国ですから、いろいろな生活しやすいような規制があるわけです。勝手に土地を売買して、好き勝手に利用することはできませんから、非常に計画的に、地域が設定されている。でも、そういう抽象的なレベルではなく、生活しやすい要素を考えてみると、結局、「水と緑」が豊富にある、ということではないかと実感します。
 生物としての人間にとって、水は生命の根源だし、緑もまた生物的環境が整っていることの現れですから、運河がどこにでもあり、またどこを見ても緑があるとういような環境が、「感覚的に」人の心を落ち着かせるのではないかと思うようになりました。



 例えば、今住んでいるところから、ちょっと歩くと、広い自動車道に出るのですが、そこは、一番端が運河で、運河の隣が歩道、でもその間は3メートルほどあります。、そして、また3メートルほどあって、自転車道、そして2車線の車道、対向車線の車道、自転車道、歩道、そして広い空間があって、マンションになっています。
 歩道や自転車道、等の道の間はすべて、3メートル程度あって、しかもしっかりと芝や背丈の低い、つまり芝のような草が生えていて、その通りの両端と、真ん中の車道間には、かなり大きな木が、ずっと植えてあります。
 想像できると思いますが、かなり自動車が激しく通る道なのに、そこの歩道を歩いていると、なんか森の中を歩いているような感じすらするのです。

 オランダにはポルダーと呼ばれる牧草地が本当にたくさんあって、そこは運河に仕切られて、牛、羊、馬が放牧されています。本当にのんびりとした光景が一年中見られ、そういう牧草地は、市街地をでるとすぐに広大な感じで広がっています。そして、森や街路樹も日本では考えられないほど豊富にあります。
 


 日曜日は今でも運河を,自家用のボートでゆっくりと遊覧して楽しむ人たちがたくさんいます。そういうのを見ていると、とても時間がゆったりと進んでいて、気持ちがのびのびとしてくるのを感じますね。

 それがオランダの生活の一番強く感じるところですね。

 もっと具体的なことは、これからどんどん書いていくことにしましょう。