インターネット接続顛末記  2002.10.20

 今回いろいろと苦労しているが、インターネット接続もその一つだ。
 もっとも日本でもインターネット接続は簡単ではないし、ヤフーBBなどは実にいい加減なやり方をして、かなりの憤激をかっていた。私もヤフーBBに申し込んで、数カ月待たされたあげく、アサヒネットの方で高速が可能になったので、そちらに鞍替えした一人だから、日本がいいというわけではない。
 ただ、日本の慣習とはいろいろと異なる面もあることに気づいたので、顛末記を書くことにした。

 オランダに来て、諸手続きをしながら、電話を申し込んだのが、たしか4日目。そして、そのときにインターネットの申し込みを同時にしようとしたのだが、電話が通じてからだ、という担当者がいて、10日ほど伸びることになった。これも電話を受けつけた人は、すぐに申し込みはできるように言ったのだが、画面で申し込む人が電話が通じてからだというので、それに従った形になる。
 具体的にいうと、電話の申し込みやいろいろな電話業務をしている店がある。日本でいうと、NTTの代理店みたいな感じだ。そこが、同時にインターネットの申し込みと、ADSLの申し込みを請け負っており、テレビでも大々的にコマーシャルをうっている。今申し込むとモデムがただになるというわけだ。

 まあ、とにかく、待つことにして、電話が通じるのを待って、再び申し込むことにしようと思ったのだが、ここでひとつ障害を発見した。この契約は最短1年だ、という条項があるではないか。こんなのは見たことがない。現地の人に事情をきくと、とにかくプロバイダーが乱立状態で、いいかげんなところも多いらしく、1年条項というのは、めずらしいし、3カ月単位が可能というのもあるよ、とは教えられた。しかし、具体的にはすぐにわからないので、雑誌を買うことにしたのだが、日本と違って、パソコン雑誌には、プロバイダーの宣伝がほとんどない。日本のパソコン雑誌は、半分以上宣伝だが、こちらは宣伝はとても少ない。そして、インターネットプロバイダーの宣伝は一つくらいしかない。結局、どこがいいのかわからないので、モデムがただでもあるし、電話のところに申し込もうと思って行った。
 もちろん、1年条項はなんとかならないのか、とは聞いた。1年条項を前提に、モデムがただなのだろうから、モデム代を払うので、半年にしてもらえないか、とか、交渉はしたが、結局店の人に、そういう権限があるわけもなく、そこに申し込むことにした。日本でいうと、NTTがやっているのだから、OCNみたいなプロバイダーなんだろう。申し込みは店に、そこのプロバイダーに常時つながっている申し込み用パソコンがあって、そこにいろいろと質問をしながら、店員が記入していく。そして、記入条項が埋まると、プリントアウトして、よければサインしろということになって、サインして終わりだ。
 ここらは日本よりもずっと手軽というか、簡単にできる。もっとも、そこに出かけられればの話だが。もちろん、電話などによる申し込みとか、いろいろとあるのだろう。

 さて、1週間もすると、説明書みたいなパンフとCDROMのソフトを送ってきた。インターネットプロバイダーのものだ。どうやら、電話回線による56Kの普通のモデムでのダイヤルアップによる接続のものらしい。あいにく、通常のモデムをこちらにもってきていなかったので、これはそのままにしておいた。まあ、そこでモデムを購入して、通常電話回線によるインターネット接続をしていれば、もう少しスムーズにいったかも知れない。

 とにかくモデムが来ないと話にならないから、モデムを待つことにした。
 3週間くらいのときに、モデムが来た。早速設置にかかる。
 日本と同じで、ADSLはみっつの会社が関係している。電話会社、ADSL接続会社、そしてインターネットプロバイダーだ。それぞれ、KPN,MXstream, planet internet という会社だ。モデムの設定は、MXstreamの送ってきたソフトで行う。これが全自動で、大変簡単だ。
 と思ったのは、そこまでで一向に通じない。だいたい、この手の説明書は日本語でも、なかなか理解しにくいものだが、オランダ語だから、スムーズにはいかないのだが、そういうことでもなく、設定は自動なのだから、そんなに複雑なことは書いていない。
 接続の理由は、途中いろいろとあったのだが、最大の問題は、ユーザーネームとパスワードが違うというものだ。とにかく、わからないので、店にいったり、電話をかけたりする。電話相談は、日本よりも相談時間が長く、朝の8時から夜の10時までやっている。しかし、ここでも例のごとく、**は何番に、というアナウンスに苦しみながら、とにかく出てくれた人に事情を話すと、一生懸命に考えてくれるのだが、結局、非常にたくさんのセクションにわかれているから、自分の担当部分以外のことは、よく知らないようなのだ。「不思議ですね〜」というのを何回も効かされた。
 とにかく、ユーザーネームが違うというのは、なんともしようがない。会社に聞くしかないのだ。
 で、ひとつわかったのだが、日本では、ADSL接続会社のホストに入ってから、プロバイダーを介するようになっているのは同じなのだが、そのユーザーネームが違うらしいのだ。接続会社のユーザーネームは、プロバイダーのネームにコースによって異なる付加部分がある。これはマニュアルにもなく、CDROMの中にあるファイルにだけ書いてある。ここは発見して、訂正したが、やはりつながらない。
 そうして何日かたって、つながった電話の人が、お前のモデムはいつ来たのか、というので、来た日にちを伝えると、まだお前は接続可能状態に設定がされていない。あと5日待て、ときた。これは日本では考えられないことだ。サーバーの設定がなされて、モデムが到着するのが、常識というものだろう。まあ、親切なのかも知れないが、まだサーバーの個人設定をしない内にモデムに来るわけだ。モデムが来たら、もう接続できると思うのは当たり前ではないか。
 でも、仕方ないから、待つことにした。
 やっと来た当日、でもやはりつながらない。設定は自動なので、どういうのか正しいのか、わからない。プロキシなど、いろいろと外したりつけたりしてみるが、一向に変わらない。
 それで、またまた電話。一人目は、「不思議ですねえ」の繰り返し。ちょっと相談してくるから待て、というので、待っていてもなかなか出て来ない。こういうときには、そのうち、日本でかけてもそうだが、もしかして、こういうやっかいな相手は、切るのを待っているのかも知れないと、疑心が沸いてくる。15分くらい待っても出て来ないので、切ってしまった。
 そして、また、しばらくいじったあと、また電話してみる。そうすると、違う部署にかけたのだが、クライアント番号を確認したあと、ユーザーネームが違うという。
 例の付加部分については、adsl−comfortか adsl−advancedを申し込みコースにしたがって、付加すると、説明には書いてある。ところが、それは間違いだというのだ。正しくは、adsl−standardだ、と。それでやってみると、接続は可能になった。でも、ブラウザが機能しない。
 しかし、とにかく、つながったことは確かだが、wwwに入れない。
 試しに、メールソフトを起動したり、ニフティへのtelnet接続を試してみると、こちらは大丈夫だ。
 やはり、プロキシの設定が違うのではないか、と確信したので、電話相談で、そこらは何度も違う人に確認したが、自動設定されているので、いいという。

 らちがあかない。
 とにかく、日本と違って、自動設定になっているのはいいのだが、設定そのものがほとんど書いていないので、確認のしようがない。でも、違う以上、何かあるはずだ、と最初に送ってきたパンフをもう一度読むことにした。これはadslは対応していないと、出てきたので、ほっておいたのだが、もう読む文書はこれしかない。そうすると、設定表があるではないか。
 そして、やはり、自動設定されたプロキシと違うプロキシのアドレスが書いてある。とにかくこっちにしてみようと、思って、プロキシ設定を変えてみたところ、さっと、初期画面が出てきた。やっぱり、とは思ってみたか、いったいどうなっているのか。

 説明書に出てくるユーザーネームは間違っている。自動設定されるプロキシのアドレスが間違っている。これでは、つながるわけがない。そして、電話相談の人は、誰一人として、プロキシのアドレスが違うとは教えてくれないのだ。担当部署じゃないと知らないのだろう。

 結局、悪戦苦闘したが、もともとつながるはずの日程から見ると、1日のロスしかないことになってしまった。つながらないのに、モデムを早々と送ってくるというのは、親切なのか、無神経なのか。

 オランダ人なら、電話相談がもっとスムーズにいくから、間違いに早く気づくのだろうけど。しかし、正確にやってもらいたいねえ、と思った1週間だった。

 で、速さだが、これが面白い。とにかく標準だと、adslなのに、256kで、これが、だいたい3,500円。最速だと、1Mで、10,000円もする。256でも、「脅威のスピード」という宣伝文句だ。
 ただし、256でも、通常のホームページを巡回する分には、そんなに遅くは感じない。文字通り256のスピードがでているのだろう。日本では表示速度の半分以下というのが実態らしいから。

 それから、まったく意外だったのは、モデムがusbだったことだ。日本ではみたこともないし、たぶん存在しないだろう。これははっきり言って不便だ。ハブがつかえないので、複数接続ができない。いまのところ、そうしたUSB用のハブはないらしい。形式的には、ダイヤルアップなのだが、LAN設定もするという、日本のやり方になれた人間には、理解不能な設定になっているが、とにかく通じているので、いいのだろう。

 今は通じたので、こうして掲示板に書き込みができるようになった。